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インボイスがやって来る(その1)

インボイスがやって来る(その2)

緩和措置で考えられる3つの影響

この2つの緩和措置が導入されると、次のような影響が考えられます。

消費税の申告の特殊さに戸惑う

「納税は売上税額の2割でいいの?取引先の目もあるし、インボイスに登録しようかな」

と考える人が出てくるかもしれません。

登録した結果、実際の消費税の申告に当たって戸惑う人が急増する気がします。

消費税の計算と申告書の作成は大変だからです。

「いつもの(所得税の)確定申告と同じ」と考えると、痛い目に遭います。

【引用元】消費税及び地方消費税の申告等(国税庁)から加工して作成

緩和措置が導入されたら、本則課税か簡易課税か売上税額の2割かの有利選択も必要になるかもしれません。

申告書の記入方法もどうなるかわかりません。

多くの免税事業者は、これまで自分で所得税の納税額を計算し、申告してきました。

そんな彼らが1人で消費税の申告作業に立ち向かうのは大変なはずです。

2月3月の確定申告会場は、これまで以上に混雑しそうな気がします。

1万円未満の領収書や請求書の乱発

「1万円未満のインボイスがなくても仕入税額控除ができる」。

保管の手間がいらなくなる一方、消費税課税の抜け穴になる可能性があります。

4万円の取引でも、5つに切り分ければインボイス不要となるからです。

課税事業者になりたくない事業主ならば、取引の請求書や領収書を少額に切り分け、少額取引に見せかけるかもしれません。

経過措置が終われば本来の納税負担に

いずれの措置も、インボイス制度を本格運用するまでの一時的なものに過ぎません。

時限措置が終了すれば、インボイスが次のように本格運用されます。

経過措置は「痛みを和らげる麻酔」に過ぎません。

インボイスに登録したら、どのみち「消費税の納税と申告」という痛みを覚悟しないといけないのです。

「免税点300万円に下げればいいのに」税理士の声が多数

この激変緩和措置に対し、Twitter上では歓迎する様子があまり見られません。

税理士からは「免税点を300万円に下げればいいのに」という声が多数、出ています。

インボイスがどうなるのかは、12月の税制改正大綱の発表を待つのみです。

現場への負担が少なくなるような方向になることを願ってやみません。

(2022年11月25日 加筆修正)


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