ITエンジニアとしてキャリアアップや転職に有利となる資格にはどのようなものがあるでしょうか。資格の種類とおすすめの資格をご紹介します。
世の中のさまざまな製品やサービスにITが活用されています。
自動車や家電などにITが組み込まれており、スマホを通していろいろなアプリを使うことができます。
そのようなITの普及・進展に対して、IT人材は不足していると言われています。
IT人材としてスキルアップし、専門性を高めるにあたって、IT系の資格は数多くあります。
ここでは、ITエンジニアにとってメジャーでおすすめの資格を見ていきましょう。
IT業界での資格についての意味
まずは、資格を取得する目的や資格の分類についてご説明します。
資格を取る目的
IT系の資格に限りませんが、資格を取得することで、その分野や製品などについて一定以上の知識やスキルを持っていることの客観的な証明を得られます。
資格試験に向けて学習を進めることで、知識の習得を図れます。
資格を保有していると、持っていない場合と比べて、キャリアアップや転職に有利に働きます。難易度が高い資格になるほど、評価も高まるでしょう。
また、フリーランスのエンジニアとして独立した場合、案件によって資格保有が求められることがありますので、仕事を受注するにあたって資格は有利に働きます。
資格の種類
IT資格には大きく分けて、国家資格とベンダー資格があります。
国家資格は、経済産業省が認定している資格で、IT技術者としての知識・技能が一定以上の水準であることを認定するものです。
特定の製品やソフトウェアに関する試験ではなく、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く問われます。
ベンダー資格は、ソフトウェアやネットワーク機器などを製造・販売しているITベンダーが認定する資格です。
試験では、そのベンダーの製品に関する知識やスキルなどについて出題されます。
国家資格は特定の分野について総合的な知識が問われますが、ベンダー資格は固有の製品について深い知識が問われると言えるでしょう。
おすすめのIT国家資格
IT系の国家資格として、次のような資格があります。
ITパスポート:エンジニアに限らず社会人が持っておくべきITに関する基礎的な知識が問われる
基本情報技術者:ITエンジニアとしての基本的な知識・技能が問われる
応用処理技術者:ITエンジニアとしてレベルアップした応用力が問われる
高度な知識や技術を問われる資格として、システムアーキテクト、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士、エンベデッドシステムスペシャリストなどがあります。
ITパスポート
IT系の国家資格の中で難易度が低く、取得しやすい資格です。
社会人としてITを正しく理解し、業務に効果的に利活用できる能力が身に付いていることが求められます。
試験の内容としては、セキュリティ、ネットワークなどのITの知識だけでなく、経営戦略、マーケティング、財務、法務など経営全般に関する知識も問われます。
基本情報技術者
ITエンジニアの登竜門に位置づけられる資格です。
ITエンジニアとしての基礎的な知識・技能を持っているかが測られます。
対象者として、チームのメンバーとして上位者の指導の下でシステムの設計・開発・運用をできる人が想定されています。
そのため、エンジニアとしてこれからキャリアを積んでいきたいという人に向いている資格と言えるでしょう。
応用情報技術者
ITエンジニアとしてレベルアップを図るための資格と位置付けられます。
プ口ジェクトマネジメン卜、システムアーキテクチャ設計、情報セキュリティ、ネットワークなどの業務において、即戦力として活躍できる幅広い知識と実践力を身に付けていることが求められます。
試験の合格率は20%前半くらいであり、現役のエンジニアであっても簡単とは言えない資格です。
システムアーキテクト
システム開発の上流工程を主導する上級エンジニアを目指すための資格と位置付けられます。
業務ニーズに適した情報システムのグランドデザインを設計する立場であり、情報システムの構造の設計や、開発に必要となる要件の定義、システム方式の設計などの業務に従事します。
試験では、業務分析や要件定義に関する手法や知識などについて問われます。
ネットワークスペシャリスト
高い専門性を持ったネットワークエンジニアやインフラ系エンジニアを目指すのに適した資格です。
ネットワークの固有技術からサービス動向まで幅広く精通していることが求められます。
情報処理安全確保支援士
サイバーセキュリティに関する国家資格です。2017年に認定が開始された、比較的新しい資格です。
情報システムの安全を確保するセキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントを目指すのに適しています。
データベーススペシャリスト
企業が取り扱うデータの種類は多様であり、データ量は膨大になってきています。
そのような状況の中で、パフォーマンスの高いデータベースシステムを構築することが求められています。
データベーススペシャリストは、データベースに関する専門家を認定する資格です。
データベース管理者やインフラ系エンジニアを目指すのに適した資格です。
試験の合格率はおおむね10%台であり、難関資格と言えます。
エンベデッドシステムスペシャリスト
家電や自動車などさまざまなものにITシステムが組み込まれるようになっております。
エンベデッドシステムスペシャリストは、組み込みシステムに関する高度な知識やスキルの保有が求められます。
組み込みエンジニアやIoT系エンジニアを目指すのに適した資格です。
試験の合格率はおおむね10%台であり、これも難関資格です。