収受日付印のある確定申告書の控えが必要な場合はどうする?

確定申告書の控えに収受日付印を押して貰う必要がある場合、窓口で確定申告書を提出した際に、控えに収受日付印を押してもらうか、郵送で確定申告書を送り、収受日付印を押した確定申告書の控えを返送してもらうことになります。

e-Taxは、インターネットを通じたデータ送信による確定申告書類の提出なので、税務署の窓口に確定申告書を提出したときのように、その控えに収受印をもらうことはできません。

なお、収受日付印の申告書の控えへの押印は、単に収受の事実を確認するものです。

申告書の内容を証明するわけではないことに注意してください。

確定申告の控えに関するポイント

e-Taxで確定申告を行なうとその控えは発行されません。

しかし控えの代わりは受け取れるので、以下で紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。

e-Taxで確定申告をした場合、その控えは発行されない

e-Taxの場合、確定申告書を書面で税務署に提出した場合のように、申告書等の控えはありません。

また、書面提出時のように、収受日付印が押された確定申告書の控えは発行されませんので注意してください。

e-Taxの場合の控えの代わりの受け取り方

しかし、e-Taxの場合は、申告等データを送信したあとにメッセージボックスに格納される「受信通知」から、申告等データが税務署に到達したこと等を確認することが可能です。

送信した申告・申請データの表示・印刷については、受信通知から行うことができます。

ほかにも、メッセージボックスに格納されている受信通知から、送信した申告等データをダウンロードして、e-Taxソフトの「組み込み」機能を利用すれば紙の確定申告書を出力することも可能です。

それによって、送信した申告等データの内容を確認することもできます。

ただし、受信通知は、確定申告書のデータが国税庁のサーバーに到達したことを通知するものです。

したがって、確定申告書のデータを受信通知をもって、提出された確定申告書と同じ確定申告書が出力されていることを証明することはできない点に注意してください。

法的に有効な証明書が必要な場合には、電子申請等証明書の交付を請求してください。

2008年1月以降に、e-Taxで申告、申請・届出等を行った場合、電子申請等証明書の交付を請求できるようになっています。

郵送の場合の控えは?

確定申告書を郵送で提出して、その控えが必要な場合には、切手を貼り、必要事項を記入した返信用封筒を同封する必要があります。

同封された封筒を使って、収受日付印付の確定申告書の控えを税務署の職員が返信してくれます。

返信用封筒が同封されていない場合、控えは必要ないものとしてそのまま受け取られるだけとなるので注意してください。

確定申告書の控えはどんなときに必要になる?

確定申告書の控えは、確定申告書を提出し、税務署に収受されたということを証明するものです。

確定申告書には、その人の所得が記載されているため、自動車のローン、奨学金の申込みなどの資料して活用できるケースもありますが、自動車のローンや銀行からの借り入れを行う際には、正式な所得証明が必要となるケースの方が多いです。

個人事業主の方については、確定申告書の控えを所得証明の代わりとして活用することもできますが、納税証明書や課税証明書の方が正式な書類であると考えられます。

ただし、納税証明書や課税証明書が発行できるようになるまでは、時間がかかりますから、それまでの間にどうしても自動車ローンや銀行からの借り入れが必要な場合に、確定申告書の控えが必要となるでしょう。

したがって、実務上、確定申告書の控えがどうしても必要というケースはほとんどないと考えられます。

確定申告書の控えを紛失した場合は?

確定申告書の控えを紛失した場合は、税務署に申請すれば、過去に提出した確定申告書の閲覧・開示請求を行なうことができます。

税務署では、提出済みの申告書等を閲覧できるサービスが実施されていますが、申告書等閲覧サービスには一定の制限があります。

このサービスは、過去に提出した申告書等の内容を確認する必要性が認められる場合に限り受けられるものです。

そのため、第三者からの申告内容の問合せに対する回答などの目的では利用できないことに注意してください。

なお、申告書等のコピーの交付は、原則として、実施していません。

税務署の申請書等の閲覧サービスは、申告書の作成等に資するために実施されているもので、閲覧により当該目的を達成できること、個人もしくは法人の固有の目的のために騰写費用や事務量を負担することは公平性の観点から制約があることがその理由です。

同様の趣旨から、書き写し、または写真撮影した内容等が原本(実際に提出されている確定申告書)と相違ないことを証明することも行っているので注意してください。

まとめ

e-Taxを利用して確定申告を行なった場合、従来は発行されていた確定申告の控えを受け取ることができません。

そのため、収受日付印のある確定申告書の控えを取得することもできません。

しかし、控えに類する書類をe-Taxを利用して取得することはできます。

窓口提出や郵送提出では、確定申告書の控えを取得することができますが、実際に確定申告書の控えを活用する場面は多くありません。

所得証明においては、確定申告書の控えではなく、行政から発行される所得証明書、納税証明書などを活用するのが一般的です。


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