マイナンバーカードなしでもe-Tax(電子申告)での確定申告は可能です。この記事では、e-Taxを利用した確定申告の方法を2つ紹介していきます。
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e-Taxを使った確定申告方法には2つある
国税庁は、従来からe-Tax利用の簡便化を進めており、2019年1月からe-Taxを使った確定申告方法として、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2種類が利用できるようになっています。
以下では、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式について、概要を解説します。
マイナンバーカード方式
マイナンバーカード方式とは、マイナンバーカードを活用してe-Tax(電子申告)を行う確定申告方法です。
確定申告を行うためのソフト(システム)にログインするためには、あとでも説明するように、利用者識別番号と暗証番号を入力する必要があります。
しかし、マイナンバーカードを利用すれば、マイナンバーカードをカードリーダやスマホで読み取って、利用者証明用電子証明書の暗証番号を入力することでソフト(システム)にログイン可能です。
マイナンバーカード方式で利用するマイナンバーカードのパスワードは、以下の3種類です。
パスワードの種類 | 入力文字数等 | ロック回数 | 使用方法 |
署名用電子証明書 | 英数字6文字以上16文字以下 | 5回連続で間違えるとロックされます | 申告等データに電子署名を行う際に使用 |
利用者証明用電子証明書 | 数字4桁 | 3回連続で間違えるとロックされます | e-Taxにログインする際に使用 |
券面事項入力補助用 | 数字4桁 | 3回連続で間違えるとロックされます | マイナンバーカード方式の利用開始時において、4情報(氏名・住所・生年月日・性別)を読み取る際に使用 |
ID・パスワード方式
原則として、確定申告の際の申告・申請データをe-Taxへ送信する際には、間違いなく本人がデータを作成し、送信したという確認プロセスが必要です。
そのため、e-Taxの利用者本人がデータを作成して、そのデータが改ざんされていないことを確認することを目的に電子証明書による電子署名が必要となります。
ID・パスワード方式を利用すれば、e-Taxで申告をする際の電子証明書による電子署名が不要となります。
ID・パスワード方式は、事前に税務署で手続きをして「ID・パスワード」が発行されたら、そのID(=利用者識別番号)とパスワードでe-Tax(電子申告)を行います。
ID・パスワードは即日発行されます。
また、ID・パスワード方式を利用するための手続きの段階で、事前に本人確認が行われていることから、ID・パスワード方式では電子証明書による電子署名が不要になるのです。
ID・パスワード方式なら、マイナンバーカードもICカードリーダライタも不要です。
「確定申告書等作成コーナー」から マイナンバーカードを使って、ID・パスワード方式の届出を作成・送信すれば、利用者識別番号を取得することができます。
なお、ID・パスワード方式は、マイナンバーカードが国民に広く普及するまでの暫定的な対応です。
今後、マイナンバーカード方式に一本化されることが予定されていますので注意してください。
また、ID・パスワード方式を利用して申告書の送信を行った場合であっても、e-Taxの機能の1つであるメッセージボックスを閲覧するためには、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が必要であることに注意してください。