4大国際会計事務所(Deloitte、PwC、EY、KPMG)の日本版 2022年度売上ランキングです。
この記事の目次
前回はグローバルベースで4大国際会計事務所の2022年度売上ランキングを見てきましたが、今回は日本における各ファームの売上ランキングを見ていきます。
日本のメンバーファーム
2022年度に約8兆円の業務収入を記録したDeloitteはじめ、Pricewaterhouse Coopers、Ernst & Young及びKPMGはそれぞれ日本にメンバーファームを有しています。
デロイト トーマツ グループ
デロイト トーマツ グループ(以下デロイト)は国内約30都市に1万5千人を超える人員を擁する日本最大級のプロフェッショナルグループです。
デロイトトーマツ合同会社、有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツコンサルティング合同会社等、グループの法人数は30に達し、2022年度の業務収入は3千億円を超えています。
PwC Japanグループ
PwC Japanグループ(以下PwC)は東京、大阪等に拠点を有し、1万人以上の構成員を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークです。
PwCあらた有限責任監査法人、PwCコンサルティング合同会社等により構成され、2022年度の業務収益は2千億円超となっています。
EY Japan
EY Japan(以下EY)はErnst & Youngの日本におけるメンバーファームの総称であり、EY新日本有限責任監査法人、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社などで構成されています。
日本国内の構成員は1万人を超え、16の都道府県に事業拠点を有しており、2022年度の業務収入は約1千7百億円となっています。
KPMG ジャパン
KPMG ジャパン(以下KPMG)は24の都道府県に拠点を有し、約9千名の人員を抱えているKPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称です。
グループは9つの法人で構成されており、2021年度の業務収入は1千6百億円を超えています。
1. 業務収入ランキング
まずは直近の業務収入を見ていきます
2021年度 | 2022年度 | 増減額 | 増減率 | |
デロイト | 2,674 | 3,130 | 456 | 17% |
PwC | 2,056 | 2,279 | 223 | 11% |
EY | 1,542 | 1,736 | 194 | 13% |
KPMG (**) | 1,658 | 1,659 | 1 | 0% |
* デロイトは5月決算、PwC、EY及びKPMGは6月決算(ただしKPMGにおけるTaxの業務収入は9月期の数値)
** KPMGの2022年度決算数値は未公開のため、2020年度及び2021年度の数値を記載
1位は3,130億円を計上したデロイトです。
デロイトは2021年度に続き1位となっており、前期比456億円、17%の増収決算となっています。
2位はPwCで2,279億円(前期比223億円、11%の増収)、3位はEYで1,736億円(前期比194億円、13%増収)です。
4位KPMGは1,659億円(前期比1億円、0%の増収)ですが、KPMGの数値は2021年度のものであり、グループに属する有限責任あずさ監査法人は2022年度、58億円の増収であることを考えると3位KPMG、4位EYとなる可能性が高そうです。
なお4ファームいずれも増収決算であり、中でもデロイトは456億円の増収、また増収率は17%と大きく伸びています。
ただしこの中には有限責任監査法人トーマツにおける新収益認識基準適用による影響91億円の増加が含まれており、当該影響を除くと365億円の増収となります。
また、デロイトほどではないものの、PwC、EYも2桁の増収と大きく成長しています。
デロイトは唯一3千億円を超え、2位PwCとの差は850億円に達しています。
デロイトを基準とするとPwCは7割強、EYとKPMGは半分強の規模にとどまっています。
グローバルではDeloitteに対してPwCとEYが8割前後、KPMGが6割弱であり、日本においてはデロイトとその他3ファームの差が広がっています。
2. 監査・保証 業務収入ランキング
続いて監査・保証業務に関するランキングを見ていきます。
監査・保証業務の収入は各ファームに加盟している監査法人の監査業務収入、すなわちデロイトは有限責任監査法人トーマツ、PwCはPwCあらた有限責任監査法人及びPwC京都監査法人、EYはEY新日本有限責任監査法人、KPMGは有限責任あずさ監査法人の監査業務収入を集計しています。
2021年度 | 2022年度 | 増減額 | 増減率 | |
デロイト (*) | 832 | 861 | 29 | 4% |
PwC | 336 | 343 | 6 | 2% |
EY | 887 | 897 | 10 | 1% |
KPMG | 833 | 854 | 21 | 3% |
* Impact Reportにおける監査法人の業務収入(2021年度1,236億76百万円、2022年度1,388億13百万円)には非監査証明業務の収入が含まれており、ここでの数字とは一致しない
1位はEYで897億円(10億円、1%の増収)、2位はデロイトで861億円(29億円、4%の増収)、3位はKPMGで854億円(21億円、3%の増収)、4位はPwCで343億円(6億円、2%の増収)となっています。
1~3位まではいずれも800億円台で大きな差はありませんが、4位PwCは300億円台であり、他3ファームの4割程度にとどまります。
グローバルで見るとPwCは監査・保証業務に強くBIG4でトップですが、日本のシェアは最も小さくなっています。