KaikeiZineをご覧の皆さまアッサラーム・アレイクム!(こんにちは!)旅人会計人の三矢(@hideto328)です。前回に引き続き、西アフリカのギニア・コナクリでのインタビューの後編です。今回は、ギニアでビジネスをすることについて掘り下げていきます。

西アフリカのマンハッタンとも呼ばれるコートジボワールの首都アビジャンの摩天楼とぼく

西アフリカで起業するならギニア!な3つの理由

インタビューの中でNさんから何度か「ギニアで起業しないか?」と聞かれました。その理由を尋ねてみたところ、「西アフリカで起業するならギニア!」な理由が大きく3つあるそうです。

日本大使館や四大会計事務所のPWC、デロイトなどが入っているコートジボワールの首都アビジャンのビル

理由1:ギニアはビジネスチャンスで溢れている!
Nさんは言います、ギニアには産業がほとんどない。建材関係は何もない。農産品の加工が少しあるだけだ、と。そしてそんな環境なのでギニアでは何を作っても売れる、と。以前はペンキの販売で莫大な富を築いたインド人がいたそうです。そして現在、フランス人は勿論のこと中国人やレバノン人などさまざまな国の人々がそのビジネスチャンスを求めてギニアにやってきていると言っていました。

たしかにギニアはインフラも整っておらず生活するのは大変です。しかし、参入障壁の低さから、そのデメリットを補って余りあるチャンスが無数に広がっていると力説していました。

理由2: 現在西アフリカに日系企業が出て行こうとしている機運がある。

今後の成長が期待できるアフリカの中でも、ブルーオーシャンな西アフリカに進出しようとしている日系企業が増えてきているそうです。それらの会社は、信頼できるデータとそのデータを分析できる人、さらに信頼できる人間のネットワークを欲しているとのこと。今ギニアで起業することでその流れに乗ることができる! というのが二つ目の理由だそうです。

理由3:起業しやすい環境が整いつつある

理由の最後は起業環境について。Nさんによるとギニア・コナクリ政府は現在、法律や投資ルールを整えようとしているとのこと。そしておそらく、あと5年くらいでそれらの整備が整うだろうと言っていました。

また会社の設立についても、以前は起業するにあたって何百万ギニアフランもの資金が必要だったそうですが、今は非常に簡素化されていてAPIPというところで会社を設立したい旨を伝えると色々支援してくれるようになっていて、3営業日位で簡単に会社が設立できるようになっているそうです。

ギニアで起業するなら何をする?おすすめのビジネスを聞いてみた

ここからは、Nさんが語るギニアに広がるビジネスチャンスについて詳しく見ていきましょう。

ビサウで見つけたSHARPの看板。こんなところにも進出している日本企業に感激

・おすすめビジネスその1:フルーツジュースの製造・販売

熱帯地方に属するギニア・コナクリでは、マンゴー、パパイヤ、パイナップルなどのトロピカル・フルーツが豊富に採れます。そして大量に採れるにもかかわらず、保存、加工するための設備がないため、ギニアで採れるマンゴーのうち1/3ほどが腐って捨てられているそうです。それをマンゴージュースなどに加工して、保存する技術があれば、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)を制覇できるくらいの可能性があると言っていました。

ちなみにマンゴーは1kg 500~2,000ギニアフラン(6~24円)で買えるそうです。信じられないくらい爆安ですね!

・おすすめビジネスその2:魚の輸出

実はギニアは同じく大西洋に面した隣国セネガル(「チェブジェン」と呼ばれる魚ご飯が国民食)よりも魚が獲れる国だそうです。そして漁業は、船と魚を獲るライセンスさえあれば簡単に参入できるビジネスとのこと。

なんでも公海上には魚の加工設備を持ち魚を売りに来るのを待っている船が多数航行しているそうで、公海で魚を獲ってそれらの船に売ればそれで輸出が完了するとのこと。なんともお手軽な話ですが、参入障壁が低く、外貨で売ることができるのがおすすめポイントだそうです。

コートジボワールの国民食アチェケ。日本人の口にも会う味でこれはかなり美味しかった!

・おすすめビジネスその3:焼き鳥や唐揚げ、チキンカツなどの揚げ物

日本在住経験もあるNさん曰く、唐揚げやチキンカツなどの揚げ物はギニア人の口にもあうとのこと。

西アフリカはムスリムが多いので食品の販売は面倒なのではないかと聞いてみたところ、たしかにハラール(イスラム法上で食べることが許されている食材や料理、鶏肉であればイスラームの作法によって屠殺されたもの、など)である必要はあるが、基本的に出回っている食材はハラールだし、鶏肉についてもギニア人は屠殺した人がちゃんとやっているものと思っているから基本的には問題ないとのことでした。そのためギニアでは、日本で近年取りざたされているハラール認証のようなものはあまりないそうです。

・おすすめしないビジネス:金・ダイヤモンド

一方で、起業するのは難しいと言われたのが、意外にもギニア・コナクリの代表的な産出品である金やダイヤモンド。それは資本金が要るし利益を生み出すのに時間がかかるからだとか。いかに産地と言えども、国際市場で価格が決まっているため安く買えるわけではないからです。