5月は自動車税(種別割)の納付の月です。自動車税に限らず、自動車にはいろいろな税金がかかります。今回は、自動車にかかる税金をざっと見ていきましょう。

この記事の目次

【登場人物】

よっちゃん(以下「よ」):まゆこの夫。行政書士。仕事はできるが税金はくわしくない。特技は料理と釣り。夢は釣り三昧の日々。

まゆこ(以下「ま」):税理士・税務ライター。「こむずかしい税金をいかに分かりやすく表現するか」ばかり考えている。趣味は、よっちゃんのごはんを食べること。

5月になると自動車税の納付書が届く

ま「それはともかく、車の税金、そんなに大変?」

よ「大変だよ。長く乗れば乗るほど高くなるし」

ま「クルマの税金、あんまり知らないんだよね。運転しないし、国や地方自治体が計算するから仕事でもかかわりないし」

よ「ウチのクルマ(普通自動車、ディーゼル車)で考えてみようか」

ま「ははーっ。お願いします」

クルマを買ったときの税金

よ「最初にクルマを買ったときの税金を見てみよう」

自動車重量税

よ「まず自動車重量税。『重量』と言うけど、実際は重量・用途区分・経過年数で決まる。これ、国税だよ」

ま「へっ!?知らなかった…(汗)」

よ「新車を登録するときや車検のときに払う。車検のときは2年分まとめて払ったりするんだけど、納めないと道路を走れない」

ま「ウチのクルマを今年買うとしたら、いくらくらいになるのかな」

よ「1500kgから2000㎏。2023年5月以降に買うとホントは4万9200円弱かかる。でも特例で0円」

ま「えっ」

よ「クリーンディーゼル車だからエコカー減税の対象になるんだよ。2030年度(令和12年度)燃費基準を100%以上達成してたら免税」

【参考】

「フローチャート及び重量税額表(2023年5月1日から2026年4月30日までに新車新規登録等を行う場合)」(日本自動車工業会)

「フローチャート及び重量税額表(2023年5月1日から2026年4月30日までに継続検査、中古車の新規登録等を行う場合)」(日本自動車工業会)

種別割(自動車税)

よ「自動車税もかかる。今は『自動車税種別割』って言う」

ま「今月、納めるアレだよね。買うときもかかるの?」

よ「新規登録するときね。登録月で税額が変わるよ」

ま「どんな風に?」

よ「新規登録だと、所有者になった月の翌月から月割りで計算」

自動車にかかる税率(年税額)×所有者になった月の翌月からその年度の末日(3月31日)までの月数÷12

よ「税率は、用途区分と総排気量区分で税率が変わる。電気自動車みたいに排出ガス性能や燃費性能のいいクルマだと安くなる。逆に環境負荷の大きいクルマだと高い。ウチのクルマはクリーンディーゼル車だから、買ったとき含めて最初3年くらいはすごく少なかったよ」

環境性能割(自動車税)

ま「昔は自動車取得税があったけど、2019年10月消費税率引き上げのときになくなったんだよね。代わりに環境性能割ができた。自動車税・軽自動車税の一部だけど」

よ「よく知ってるね」

ま「何かの資料で見て調べたの。排気ガスとか騒音とか、クルマが環境に与えるコストの一部を車の持ち主に負担させるって意味だとか」

よ「クルマの燃費性能に応じて税率が決まるんだよね」

ま「そう。電気自動車と天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車は非課税。ガソリン車は燃費基準を達成していれば非課税だけど、そうでなければ最大『取得価額×3%』の税金がかかる」

事業者は消費税と所得税・住民税の扱いに注意

よ「買うときの税金、これくらいかな」

ま「消費税を忘れてるよ」

よ「クルマを買うときにかかるね」

ま「事業でクルマを使う課税事業者で、本則課税で計算しているなら注意しておきたいね。100万円以上になると3年間は本則課税で納税しないといけないし」

よ「あと事業用のクルマを買っても、すぐに必要経費にできないんでしょ?」

ま「たいていはそう。いったん資産計上して徐々に減価償却していく」