日本法人が非居住者等に配当を支払う場合には、20.42%の源泉徴収が必要です。ただし租税条約により税率が減免される場合があるので条約の確認が不可欠です。
日本法人が、業務提携などにより外国法人や非居住者(以下「非居住者等」)から出資を受け入れる場合があります。
この場合、日本法人から非居住者等に支払う配当金は、「国内源泉所得」となるため、支払の際に20.42%の源泉徴収が必要となります。
ただし、租税条約でより低い税率が規定されている場合には、その低い税率で源泉徴収することとなります。
そのため、租税条約の確認が不可欠です。
日本法人が、業務提携などにより外国法人や非居住者(以下「非居住者等」)から出資を受け入れる場合があります。
今回は、日本法人が非居住者等に配当を支払う場合の源泉徴収について取上げます。
まず、以下のケースを考えてみましょう。
『日本法人A社は、株主であるドイツ法人B社に対して配当10,000を支払うこととなりました。
B社は1年前からA社の議決権のある株式を20%保有しています。
また、B社は日本に恒久的施設(PE)を有していません。
この場合、B社に支払う配当について、源泉徴収は必要でしょうか。』
このケースでは、まず国内法の取り扱いを確認します。
次に、日本と相手国の間で租税条約が結ばれている場合には租税条約の内容を確認し、国内法で規定する源泉徴収税率よりも低い税率で課税する旨が定められている場合には、その低い税率で源泉徴収することとなります。
国内法の検討
所得税法第24条第1項(配当所得)に規定する配当等のうち、次に掲げるものは、国内源泉所得に該当するため、非居住者等に支払う際には源泉徴収をしなければなりません。
源泉徴収税率は20%(復興特別所得税を加味すると20.42%)です。
- 内国法人から受ける所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は基金利息
- 国内にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託を除きます。)又は特定受益証券発行信託の収益の分配
したがって、日本法人A社は、ドイツ法人B社に配当を支払う際に、2,042(=10,000×20.42%)を源泉徴収しなければなりません。