会計関連の良書をセレクト、紹介する「会計人ライブラリー」。今回は、若い人ほど不安が大きいであろう年金について、わかりやすく解説した書籍を紹介します。老後に途方に暮れないよう、この一冊でまずは年金を理解するところから始めてみませんか。
この記事の目次
『これ1冊ですっきりわかる!年金のしくみともらい方 23-24年版』
著:小林労務
(ナツメ社)
かつてないスピードで少子高齢化が進み、年金がどうなるか、注目度が高まっています。
知っているようで意外と知らない年金の仕組み。
老後に途方に暮れないよう、まずは知ることが重要です。
年金に詳しくないライターが、『これ1冊ですっきりわかる!年金のしくみともらい方 23-24年版』を読んで、勉強してみました!
年金とは?
給与明細を見て、どうして手取りになるとこんなに減ってしまうのか、とため息。
そんな経験だれもがあるのではないでしょうか。
年金は私たちの未来の生活を助けてくれるもの。
まずは、今回の書籍の「第1章 年金の基礎知識」で、意外と知らない年金の基礎知識を確認してみましょう。
以下のような年金の重要トピックが、解説されています。
国民年金と厚生年金
年金には主に2種類あり、「公的年金」と「私的年金」に分けられます。
公的年金には、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」があり、その国民年金から支給される年金を、「基礎年金」といいます。
また、民間の企業に勤めている会社員や公務員は、その国民年金と厚生年金保険の両方に加入します。
「2階建て」と呼ばれるものですね。
厚生年金は、勤めている企業と折半して支払う仕組みです。
ややこしく感じますが、書籍掲載の以下の図表で見てみましょう。
全体像がわかりやすいですね。
第1号?第2号?被保険者の種類によってもらえる年金は違う
国民年金の加入者は「被保険者」といいます。書籍掲載の以下の図表のように、第1号、第2号、第3号と3種類の違いがあります。
まずは、自分がどの年金をおさめ、どの被保険者なのか意識しておくことが大切とのこと。
また、年齢や就業形態が変わると種類も変わることがあります。
この場合申請が必要になりますので、こちらも注意しておく必要があるとのことです。
厚生年金加入条件は拡大傾向にある
厚生年金保険は、全ての会社が加入できるわけではなく、厚生年金保険の適用事業所になっていなければなりません。
加入対象者は、そこで働く70歳未満の人です。
今回の書籍は「23-24年版」なので、最新情報も網羅されているのですが、それによると以前は加入条件が正社員のみでしたが、パートタイマーやアルバイトといった短時間労働者の加入の条件も徐々に拡大、2022年10月から加入できる人が増えているそうです。
従業員規模も2024年10月から変更になり、より加入しやすくなる予定だそう。
つまり、「2階建て」の年金が準備できる可能性が増えたということになります。
老齢年金とは?
老齢年金とは、原則65歳以上になったら受け取れる年金のことで、こちらも2種類あります。
受給開始年齢と保険料の納付要件、どちらも満たさなければ受け取れません。
年金なんてどうせもらえない…と納付しておかないと、後で大変な思いをするかもしれません。
他にも遺族年金や障害年金もありますが、馴染みがないという方も多いでしょう。
書籍では、それらの年金についても章立てで解説されています。
申請の仕方も紹介されているので、いざという時きっと役立ちますよ。