コロナ禍において急速に拡大したフードデリバリー市場ですが、コロナによる影響もおさまる中で、その付き合い方も変化してきています。
コロナ禍で急拡大したフードデリバリー市場
都内で焼肉店を2店舗経営しているHさんは、コロナ禍でUber Eatsや出前館などのデリバリーサービスを活用した焼肉弁当の販売を始めましたが、業者への販売手数料の負担が大きく、店内で飲食する客が戻ってきている現状では止めるべきかどうかを悩んでいました。
2020年に新型コロナウィルスが蔓延し、外食機会が制限されたタイミングで、手軽に用意できる食事へのニーズが高まったこと、それによりUber Eatsや出前館などのデリバリーサービスがさらなる成長を遂げて、フードデリバリーは身近な業態になりました。
デリバリーサービスの普及に伴い、大手のチェーン店だけでなく、個人店でも気軽にデリバリーサービスを始めることができるようになっています。
先ほど書いたように、コロナによる影響がおさまり、店内飲食による需要が回復してきている一方で、料理をする時間が取れない共働き世帯や高齢化世帯が増えてきているなどもあり、フードデリバリーは今後も拡大が期待できます。
デリバリーサービスをうまく活用しよう
その後Hさんは、飲食店専門の税理士に相談し、デリバリーサービスの活用方法について教えてもらいました。
デリバリーサービスをうまく活用することで、従業員の作業待ちの時間(アイドルタイム)を減らすだけでなく、宣伝効果で店内利用客も増やすことができました。
Uber Eatsや出前館などのデリバリーサービスの活用は、販売手数料こそ小さくないものの、利益を増やす取り組みとしては効果的です。
その活用方法を、Uber Eatsを例に説明します。
デリバリーサービスを活用するためには、販売手数料として売上の35%程度の負担が発生します。
多くの飲食店は、販売手数料の大部分を売価に上乗せして、デリバリーメニューの価格を作成しています。
普段からデリバリーサービスを活用する利用者は値段ではなく利便性で注文しているため、店内価格よりも高いという理由でデリバリーが敬遠されることはないので、デリバリーメニューの価格は、販売手数料を考慮して設定しましょう。
またUber Eatsのデリバリーでは、料理を入れる紙袋やビニール袋の中に自店舗の販促物を同封することが可能です。
店舗のメニュー情報やSNS情報だけでなく、「このチラシを持って行けば10%オフ」といったお得な特典を付ければ、店舗への来店増加が期待できます。
こうすることで、Uber Eatsへの販売手数料を広告宣伝費に変えることも可能です。
Uber Eatsで注文する人は、そもそもお店に興味がある人になりますので、一般的なポスティングよりも広告の効果は大きいでしょう。
Uber Eatsに登録できる飲食店としては下記の条件を満たしていればよいため、デリバリーの利用目的を店内のアイドルタイムを減らすことに重点を置くのであれば、店内客の利用が見込める週末の営業や忙しい時間帯(18時~21時)のデリバリーサービスでの営業は行わないなどの選択も可能です。
デリバリーサービスの活用目的を明確にすることで、店内営業との無理のない両立を実現することが重要なのです。
<Uber Eatsに登録できる飲食店の条件>
- 飲食店の営業許可証があること
- 5種類以上のメニューがあること
- 営業を週4日以上していること
- 1日の営業を3時間以上していること
飲食店の改善には、デリバリーサービスの活用から!
デリバリーサービスを活用する目的を明確にした上で、店内営業との効果的な両立を実現しましょう。
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