会計関連の良書をセレクト、紹介する「会計人ライブラリー」。今回は、年金や貯蓄だけでは将来が不安な時代を生き抜くのに役立つNISAとiDeCoについて解説した書籍を紹介します。タイトル通りの、初心者が一歩目を踏み出すのに役立つだろう一冊です。
この記事の目次
『はじめてのNISA&iDeCo』
頼藤太希、高山一恵 共著
(成美堂出版)
最近よく聞くNISAとiDeCoですが、実際どんなものかは知っていますか?
政府が国を挙げて推奨している投資くらいの理解はあるかもしれませんが、そもそも投資と聞くと身構えてしまう方も多いでしょう。
ちなみに日本人は預金がとても好きで、資産を運用している割合は世界でもまれな低さだそう。
リスクは怖い。とはいえ、生きるためにはお金がかかるものです。
NISAとiDeCoの初心者が、書籍『はじめてのNISA&iDeCo』でその制度から勉強してみました!
新制度も開始!NISAとiDeCoとは何か?
2022年にiDeCoの制度が改定、2024年にNISAが「新NISA」として制度改定がされることで、ますます注目が高まっています。
なんだか難しそうですが、『はじめてのNISA&iDeCo』では、冒頭にマンガで基礎的な知識がまとめられているので、安心です。
NISAとiDeCoは、ひとことで言うとどちらも投資をしながら税金を節約できる制度です。
iDeCoは、やはりひとことで言うなら、「自分で作る年金制度」という位置づけになります。
所得税や住民税が節税できるのが特長です。
一方のNISAは、ある程度投資の利益を非課税とした上で、資産運用ができる制度で、こちらも節税効果があります。
うまく利用すればおトクな制度なのです!
新NISAとiDeCoのメリット
投資をうまく行えれば、銀行口座にただ預けているより、資産を増やすことができます。
ただ、投資にはその分のリスクも存在します。
そのリスクを認識した上でのNISAとiDeCoの一番大きなメリットは、やはり節税です。
まず、どちらも「利益が非課税になる」こと。
さらにiDeCoには、「毎月払う全額が所得控除の対象になる」というメリットもあります。
また今後の年金制度も先行きが不透明です。
自分で老後の資産を作っておくことで、安心材料が増えるといったメリットもあります。
新NISAとiDeCoのデメリット
新NISAとiDeCoには、もちろんデメリットもあります。
運用費がかかることがある、元本割れをする可能性がある、給料からある程度のお金が使えなくなるなどが挙げられるでしょう。
また、NISAは18歳以上、iDeCoは20歳以上と始められる年齢が違います。
iDeCoの場合のみ、原則受け取り年齢に達するまでおろせないといった違いがあるのも、理解しておくと良いでしょう。
iDeCoについて詳しく解説
皆さん、年末調整や確定申告の時期、住民税や所得税の額に驚くことはありませんか?
先ほど書いたように、iDeCoは毎月支払った全額が所得控除の対象になります。
さらにある程度の運用益が非課税となります。年金を受け取る時にも税制優遇を受けられるので、3種類の税控除が得られるのは、iDeCoの大きな特徴でしょう。
NISAとつみたてNISAについて詳しく解説
NISAには、「一般NISA」と「つみたてNISA」があります。
投資初心者には、つみたてNISAがおすすめ。
金融庁が選んだ金融商品から選択し、積み立てて資産を作る仕組みです。運用益と分配金が非課税になります。
一般NISAは、自分で資産を組み立てるもの。こちらも投資で得られた利益が非課税になります(本来運用益には20.315%の税金がかかる)。
新NISAで制度がどう変わるのか
2024年1月から始まる新NISAでは、「つみたて投資枠」「成長投資枠」に分けられ、非課税期間が無期限になります。
また、生涯投資枠の上限も引き上げられます。
はじめてNISAをやるという方は、2023年のうちは初心者向けのつみたてNISAを始めておいて、来年以降新NISAをしっかり勉強して始めるほうが、効率的かもしれません。