2016年、「今世紀最大のスキャンダル」としてパナマ文書が話題になりました。タックス・ヘイブンの実態はどんなものなのか。今回は、世界を旅する米国公認会計士の三矢さんが、数年前までタックス・ヘイブンのひとつだったアンドラ公国をレポートします。

首都アンドラ・ラ・ベリャの街並み。免税店だらけです

アンドラ公国とは

どうも! 旅する米国公認会計士三矢(@hideto328)です。
突然ですが、あなたはフランスとスペインの間に独立国家があることをご存知ですか?
今回ぼくが紹介するのは、そんなマイナー独立国家アンドラ公国!

フランスとスペインの間、ピレネー山脈にあるアンドラ公国(Principat d’Andorra)の首都はアンドラ・ラ・ベリャで公用語はスペインのバルセロナなどで話されているカタルーニャ語。

ところでこの国、国家元首からして変わっています。なんと国家元首がフランス大統領とスペインのウルヘル司教。2人いるのです。(国家元首とは別に首相もいます)。

国土面積は468㎢で、これは金沢市とほぼ同じ大きさです。

経済の中心は観光業。EUには加盟していないものの通貨はユーロを使用しています。

アンドラ公国は2011年までタックス・ヘイブンでしたが、2012年に法人税及び非居住者への直接税、2013年に付加価値税、2015年からは所得税を導入するなど課税する方向に舵を取り始めています。

言わずとしれた買い物天国

アンドラをアンドラたらしめているのはなんといっても「買い物」です。アンドラは免税大国として有名で、週末には国境を接するフランスやスペインから買い物客が大挙して押し寄せるとのこと。

実際アンドラ・ラ・ベリャの街を歩いていると、そこかしこでデューティー・フリーと書いてあるショッピングモールや巨大スーパーを見かけます。

ここではアンドラで特に気になった商品をいくつか紹介していきます。

タバコが安い!

ぼくはタバコはほとんど吸わないのですが、パリで同じ宿に泊まっていた人に教えてもらったことには、フランスではマルボロが一箱7ユーロ(現在の為替で約855円)するとのこと。

それが、アンドラでは何と140本巻けるだけの葉っぱが(ヨーロッパでは手巻き煙草も結構メジャーです)7.35ユーロ(約900円)。一箱20本入りなのでざっくり1/7の値段です。

手で巻く用の煙草の葉っぱと紙で巻かれた煙草の価格では正確な比較にはなりませんが、アンドラでは、カートン煙草(タバコ10箱分)の価格もフランスの半額以下。ディスプレイにフランスやスペインでの販売価格との比較がなされているものもあり(写真参考)興味深く見学しました。

隣国と比べてどれだけ安いかわかるディスプレイ

お酒も安い!

タバコは吸わないぼくですが、お酒は大好物。ヨーロッパは全体的に日本と比べて酒税が安いようで、フランスでもスペインでも、びっくりするくらい安くビールやワインを買うことができます。

スーパーにずらりと並ぶ酒瓶

しかしアンドラのお酒の安さは、そんなスペインから日帰りで訪れたぼくがびっくりするレベル。

この後イスラム圏であるモロッコに移動する予定だったので、この安いアンドラでジョニーウォーカーの赤を一瓶購入することにしました。720mlでたったの7.05ユーロ!(ちなみにスペインだと約12ユーロでした)。