簿記検定証明書は個人の専門性や信頼性が高まり、就職や進学の際において多くの機会やチャンスを引き寄せることができます。この記事ではその取得方法から具体的な活用シーンまで、簿記検定証明書の価値を示します。

この記事の目次

簿記検定証明書の基本情報

まずは、簿記検定試験における証明書に位置づけについて確認していきましょう。

なお、以下では、日商簿記試験を前提として解説していきます。

証明書とは?その定義と役割

簿記検定試験において、証明書はその資格に合格したことを正式に示すものです。

日商簿記試験においては、合格すると合格証書が発行されます。

日商簿記試験は2023年現在、統一試験方式と呼ばれる受験者が会場に集って一斉に受験する試験と、テストセンターと呼ばれる場所に行きインターネットを通じて受験するネット試験に分かれています。

前者は合格した場合、合格証書が指定の住所に送付されてきます。

一方、後者は合格した場合、試験後すぐに試験結果に表示される二次元コードをスマートフォンなどで読み取って、デジタル合格証を受け取ります。

デジタル合格証と紙媒体の合格証に違いはありません。

デジタル合格証には「第〇〇回」という記載がないだけです(ネット試験は随時試験です)。

商工会議所が実施した日商簿記試験に合格したものを証するものとして扱われます。

原則として、どちらの合格証書も再発行されるものではないので、大切に保管しておきましょう。

簿記検定の各級とそれぞれの証明書の特徴

日商簿記試験には、5つの試験レベルが用意されています。

各級のレベルは以下のとおりです。それぞれの級に関して証明書を持っていることで、それだけの能力があることを公式に証明できます。

1級 高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の知識を持ち、企業会計の法規、会計基準、会社法などを基に経営管理や分析ができるレベル。公認会計士や税理士の前段階となる資格。
2級 企業の経営管理に不可欠な知識を持つ資格。高度な商業・工業簿記(原価計算含む)を習得し、財務諸表を解析して経営状況を理解し、実務に基づく適切な分析ができるレベル。
3級 ビジネスの基本として、多くの企業に評価される資格。基礎的な商業簿記の知識を持ち、小企業の経営や会計実務に基づき、正確な経理処理ができるレベル。
簿記初級 ビジネスの基本としての簿記知識。簿記の基本用語や複式簿記の構造を把握し、日常業務に適用可能。
原価計算初級 事業の収益を理解する基礎知識。原価計算の基本的な用語や原価と利益の関連を分析し、日常業務に適用できるレベル。

(出典: 日本商工会議所

合格証書の取得手続き

日商簿記試験において、合格証書は原則再発行されません。

ただし、合格証書を紛失した場合には、代わりとして合格証明書を発行してもらえます。

合格後の証書の受け取り方法

統一試験とネット試験では合格証書の受け取り方が異なります。

統一試験については合格後、原則として合格証書が指定の住所に郵送されてきます。

ただし、統一試験方式の場合、合格発表の期日や方法、証書の受け渡し方法等が商工会議所によって異なる場合があります。

原則、郵送で送られてきますが、そうでないケースもあるので試験に申し込む際に確認しておくようにしましょう。

合格証書の保存期間は、各商工会議所において試験施行日から1年間となっています。

一方、ネット試験では合格証書は、受験後すぐに確認できる試験結果に表示されている、二次元コードを読み取ることで確認可能です。

二次元コードをスマホなどで読み取ることで、デジタル合格証(合格証書)を受け取れます。こちらは自分で印刷して利用可能です。

なお、簿記1級を税理士試験の受験資格とする場合には「合格証書」ではなく「合格証明書」が必要である点に注意してください。

簿記1級にネット試験はありません。

証明書の活用と価値

証明書は、特定のスキルや知識、経験を正式に認められた証として、多くの場面でその価値が認識されています。

特に、専門的な資格やスキルを持っていることを示すための証明書は、個人の能力や適性を示す強力なツールとなり得ます。

以下では、証明書を持つことで得られるメリットや、就職・進学の際の証明書の有効性について詳しく解説します。

証明書を持つことで得られるメリット

証明書は、その持ち主が特定の知識や技能を持っていることを公式に証明するものです。

これにより、他者に対して自身の能力を明確に示すことができ、信頼性や信用性を高めることができます。

また、自身のスキルセットを客観的に評価するための基準としても活用でき、自己啓発やキャリアアップのための指針としても役立ちます。

就職や進学における証明書の役立ち

特に、日商簿記試験のような専門的な資格試験の合格証書は、就職や進学の際に大きなアドバンテージとなります。

多くの企業や学校は、このような証明書を持つことで応募者が必要な知識や技能を持っていることを確認できるため、選考の際の優遇措置や特別な評価を受けることが期待できます。

具体的には、採用試験の際の加点や特定の職種への早期配置、学校の入試での特別な評価などが考えられます。