高校生時代に簿記検定を取得することで、大学進学や就職活動において大きなアドバンテージを得ることができます。本記事では簿記検定の重要性や将来に及ぼす影響、そして効果的な学習方法を網羅的に解説します。

この記事の目次

高校生が簿記検定合格を目指すべき理由

簿記検定は商業の基本的な知識を評価する試験であり、高校生にとって多くのメリットがあります。

以下に、高校生が簿記検定合格を目指すべき理由をいくつか挙げてみました。

基本的なビジネススキルの習得

簿記は、ビジネスの基本となるスキルです。この知識を早い段階で身につけることで、将来的にビジネスの現場で役立つ知識とスキルを習得することができます。

大学入試や就職活動でのアドバンテージ

簿記の資格を持っていることは、大学入試や就職活動でのアドバンテージとなります。特に、商学部や経済学部、会計学部などの学部を目指す学生や、商業関連の職種を目指す学生にとっては、大きな強みとなります。

自己成長と自信の向上

簿記検定の試験は、難易度が高いものもあります。そのため、試験に合格することで、自己成長を実感することができ、自信を持つことができます。

将来的なキャリアの幅を広げる

簿記の知識は、多くの職種で役立つスキルとなっています。会計士や税理士などの専門職だけでなく、一般的なビジネスマンや経営者としても、簿記の知識は必要不可欠です。

実践的なスキルの習得

簿記検定の勉強を通じて、実際の業務での簿記の取り扱い方や、会計の基本的な考え方を学ぶことができます。これにより、実践的なスキルを身につけることができます。

以上の理由から、高校生は簿記検定の受験を検討し、合格を目指すことを強くおすすめします。

早い段階での資格取得は、将来的なキャリア形成の大きなステップとなるでしょう。

簿記検定の難易度と高校生が取得できる可能性

簿記検定は簿記の基本となる知識を評価する試験であり、多くの高校生が受験する機会があります。

特に、商業高校に通う学生にとっては、全商簿記の受験は一つの目標となっています。

一方、普通科の高校に通う学生にとっては、簿記資格は一般的ではないかもしれません。

大学受験の推薦入試や就職において、簿記の資格試験は高く評価されます。

したがって、高校生であれば、簿記の資格を取得しておいて損はありません。

ここで問題となるのは、簿記検定には様々な種類があるということです。

それぞれの資格試験の特徴や難易度を理解しておくことが重要となります。

高校生はどれを受けるべき? 〜 全商簿記・日商簿記・全経簿記 〜

全商簿記は商業高校の学生が受験する機会が多く、合格者も多いですが、社会的な評価はそれほど高くありません。

一方、日商簿記は就職や大学入試において高く評価される資格となっています。

全経簿記は専門的な知識を求められる試験であり、税理士試験受験者などが受験することが多いです。

高校生がどの簿記検定を受験するかは、将来の目標や進路に応じて選択することが重要です。

したがって、普通科に通う高校生も商業高校に通う高校生も、まずは日商簿記の合格を目指すべきです。

合格率と受験のポイント

以下の図表は最近の全商簿記、日商簿記、全経簿記の合格率の推移を表しています。

全商簿記

令和4年度第95回(令和5年1月22日施行)

1級
2級
3級
会計 原計
受験申込者(人) 30,563 28,541 36,418 33,920
実受験者(人) 27,942 25,810 33,521 30,379
合格者(人) 10,758 11,003 19,295 23,309
合格率(%) 38.50% 42.60% 57.60% 76.70%

令和4年度第94回(令和4年6月26日施行)

1級
2級
3級
会計 原計
受験申込者(人) 17,105 20,179 13,720 10,658
実受験者(人) 15,631 18,677 12,510 9,464
合格者(人) 5,470 7,499 4,859 4,771
合格率(%) 35.00% 40.20% 38.80% 50.40%

日商簿記

第164回(令和4年6月11日施行)

1級 2級 3級
受験申込者(人) 11,468名 10,618名 31,818名
実受験者(人) 9,295名 8,454名 26,757名
合格者(人) 1,164名 1,788名 9,107名
合格率(%) 12.5% 21.1% 34.0%

第163期(令和5年2月26日施行)

1級 2級 3級
受験申込者(人) 15,103名 37,493名
実受験者(人) 12,033名 31,556名
合格者(人) 2,983名 11,516名
合格率(%) 24.8% 36.5%

全経簿記

第211回(令和5年7月9日施行)

上級
1級 2級
3級
基礎
合計
商会 原工 商簿 工簿
受験申込者(人) 409 517 1,629 680 4,172 605
実受験者(人) 341 452 1,477 619 3,703 537
合格者(人) 124 293 839 460 2,604 386
合格率(%) 36.36 64.82 56.8 74.31 70.32 71.88

第210回(令和5年5月28日施行)

上級
1級 2級
3級
基礎
合計
商会 原工 商簿 工簿
受験申込者(人) 321 312 751 392 1,259 59 3,094
実受験者(人) 277 277 662 365 1,160 49 2,790
合格者(人) 165 166 309 332 748 38 1,758
合格率(%) 59.57 59.93 46.68 90.96 64.48 77.55 63.01

各簿記検定の合格率を見ると全商簿記は比較的高い合格率を示していますが、日商簿記や全経簿記は難易度が高く、合格率が低い傾向にあります。

特に、日商簿記の1級は非常に難易度が高いとされています。

受験する際のポイントとしては、基本的な簿記の知識をしっかりと身につけること、過去問題を多く解くこと、が挙げられます。

簿記の知識を深め、実践的なスキルを身につけることで、合格の可能性を高めることができます。

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