母子家庭は年金をいくらもらえるか解説します。令和5年の老齢基礎年金は約66,000円/月で別に老齢厚生年金が支給される方もいます。本記事では遺族年金や離婚した際の年金分割についても紹介していきます。

この記事の目次

母子家庭がもらえる年金額を確認しよう

この章では年金の額を計算する基本的な方法について説明します。

ねんきん定期便

ねんきん定期便には、50歳未満と50歳以上があります。

・ 50歳未満のねんきん定期便

上部には、年金実施機関への問い合わせ時に必要な照会番号の記載があります。

次に、国民年金と厚生年金の加入期間が記載されており、最後にその合計が示されます。

下部には、現時点までに支払った保険料に基づいた年金額が記載されています。

・50歳以上のねんきん定期便

50歳以上のねんきん定期便には将来の年金受給額に近い情報が記載されています。

年金額の計算方法

通常、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」という2つの要素が組み合わさって支給されることが一般的です。

老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間にわたり、年金保険料を支払うことが基本です。

この40年間を満たすと、老齢基礎年金を最大限受給できます。

令和5年の老齢基礎年金は67歳以下:66,250円/月、68歳以上:66,050円/月です。

老齢厚生年金は、給与や勤務期間に応じて複雑に計算されるため、一般的には月収が約200,000円で40年間保険料を支払った場合、年間約530,000円の年金を受け取ることができると考えても良いでしょう。

夫と死別した場合にもらえる年金

夫が亡くなりシングルマザーになった場合、夫が公的年金に加入していたならば、妻や子供には国から遺族年金の支給がなされることになります。

遺族基礎年金

18歳未満の子供と一緒に住む家庭が、子供が18歳に達するまで支給される年金です。

ただし、収入が8,500,000円以上または所得が6,555,000円以上ある場合は受給できません。

遺族厚生年金

夫が亡くなった場合、夫が受ける予定だった厚生年金の約3/4に相当する金額をもらえる年金です。

この年金は、妻が亡くなるまで支給されます。

ただし、妻が夫の死亡時に30歳未満だった場合、遺族年金の受給資格は一時的に失われ、その後5年間は支給がストップします。

寡婦年金

亡くなった夫と10年以上連続して結婚していた、かつ65歳未満の妻が受けることができる年金で、妻は60歳から65歳にかけて支給を受けることができます。

死亡一時金

亡くなった人と共に生活をしていた人が、一括で支払うことができる制度です。

妻だけでなく、親も対象になることがあります。

遺族基礎年金を受ける資格のある人がいなく、亡くなった人が一定期間以上国民年金を支払っていた場合、その支払った期間に応じて120,000円から320,000円の一時金をもらうことができます。

離婚した際の年金分割方法

年金分割制度は、夫婦で厚生年金や共済年金の保険料支払い実績を共有する制度です。

年金分割には、通常の「合意分割」とあまり利用されない「3号分割」の2つの種類があります。

合意分割

合意分割は、夫婦が話し合って決める年金分割の方法です。

上限は通常50%までですが、実際にはほとんどのケースで50%が合意されます。

ただし、長期間別居していた場合や離婚の原因が妻にある場合など、稀なケースでは50%よりも低い割合で合意されることもあるかもしれません。

通常、夫婦の標準報酬総額の合計から、妻の分割後の標準報酬総額が50%になるように分割されます。

年金分割は、離婚と同時に行う必要はなく、離婚後2年以内であれば請求することができます。

3号分割

3号分割は、第2号被保険者(例:サラリーマンや公務員)が支払った厚生年金保険料や共済年金保険料の納付記録の半分を、第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている専業主婦などの20歳以上60歳未満の人で、年収が1,300,000円未満の人)だった期間に対して分割する制度です。

3号分割では、第2号被保険者の同意は不要で、請求すると自動的に半分が分割されます。

ただし、この制度は平成20年4月以降の第3号被保険者期間のみが対象で、全婚姻期間を分割対象にする合意分割と比べてあまり利用されていません。