母子家庭は年金の納付を免除されることがある?

この章では母子家庭は年金の納付を免除されることがあるかについて説明します。

免除の条件

離婚すると、夫の扶養から外れて、あなたは1号被保険者となり、自分で年金保険料を支払う必要があります。

残念ながら、シングルマザーや母子家庭であることを理由にして年金保険料を免除する特別な制度は存在しません。

ただし、収入が一定以下の場合には、免除制度を利用することができます。

シングルマザーでも、あなたが勤務先の厚生年金などに加入している場合、免除制度を利用できず、国民年金に加入している人が対象ですので、ご注意ください。

国民年金の免除には、以下の2つのタイプがあります。

a)法定免除:障害年金を受けている人や生活保護の支援を受けている人が該当

b)申請免除:前年の所得に応じて4つの段階に分かれており、所得が一定の範囲内にある場合に適用されます。

申請免除の金額は以下のように計算されます:

  • 全額免除:(扶養親族等の数+1)×350,000円+220,000円
  • 4分の3免除:780,000円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 半額免除:1,180,000円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 4分の1免除:1,580,000円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

具体的な金額は、源泉徴収票や確定申告書で確認できます。

納付猶予制度

特定の年齢制限がある場合でも、所得が一定額以下であることを証明できると、年金保険料の支払いを待つための「納付猶予制度」を利用できます。

この制度は、20歳以上で50歳未満の人が対象で、前年の本人または配偶者の所得が一定額以下である場合に申請できます。

所得の基準は、以下の計算式で算出されます:

(扶養親族等の数+1)×350,000円+220,000円

年金が免除された場合に起こる影響

免除が許可されると、その期間は年金の受給資格期間に含まれます。

ただし、将来の年金額を計算する際には、免除された期間は通常の支払い期間と比べて1/2(平成21年3月以前の免除期間は1/3)として考慮されます。

具体的な影響は以下の通りです:

  • 全額免除の場合:年金額は通常の1/2(平成21年3月以前の免除期間は1/3)
  • 4分の3免除の場合:年金額は通常の5/8(平成21年3月以前の免除期間は1/2)
  • 半額免除の場合:年金額は通常の3/4(平成21年3月以前の免除期間は2/3)
  • 4分の1免除の場合:年金額は通常の7/8(平成21年3月以前の免除期間は5/6)

例えば、5年間全額免除された場合、この5年は年金の受給資格期間に含まれますが、将来の年金額は通常の1/2として計算されることになります。

母子家庭の平均収入と支出

厚生労働省の調査によれば、シングルマザーの平均収入は以下の通りです:

母自身の収入:年間で2,720,000円(うち、就労収入が約2,360,000円)

世帯収入(同居親族の収入を含む):年間で3,730,000円

次に、シングルマザー世帯の平均生活費を見てみましょう。

総務省統計局の調査によれば、未婚の18歳未満の子どもの人数に応じて、平均の月間生活費が以下のようになります:

子どもが1人の場合:約189,610円

子どもが2人の場合:約203,934円

子どもが3人の場合:約234,193円

シングルマザーの平均収入が月に約200,000円であることを考えると、多くの家庭が厳しい家計状況にあることがわかります。

まとめ

まず、自分の年金受給額を確認し、老後に必要なお金を計算してみましょう。

その後、月々の貯金目標を設定し、できるだけ早く貯金を始めることが大切です。

同時に、公的支援制度や奨学金制度などの情報を積極的に収集し、利用することも考えてください。

そして、老後を楽しく健康的に過ごすために、長く楽しめる趣味を見つけることもおすすめです。


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