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【法人税】 ご質問 欠損金が引き継げる適格合併に該当するか?(3)

適格合併に該当したからといって油断はできません。適格合併の中でも「欠損金・含み損の使用制限がない適格合併」(一般的には有利)と、「欠損金・含み損の使用制限がある適格合併」(一般的には不利)があるからです。

欠損金については法人税法57条、含み損については法人税法62条の7に規定されています。これらの条文の中に「使用制限がある」適格合併に関連して、こう定められています。

① 「当該適格合併が共同で事業を営むための合併として政令で定めるものに該当する場合」には使用制限は無い。
② 「当該適格合併の日の属する事業年度開始の日の五年前の日から継続して支配関係がある場合」には使用制限が無い。
③ 支配関係が生じた日以後に生じた欠損金・含み損については使用制限が無い。
④ 含み損については、適格合併事業年度以後3年を経過して実現させれば使用制限が無い。

①は、いわゆる「みなし共同事業要件」と呼ばれているものですが、これがまたやや複雑です。
直接、原文をお読みいただくのが早いと思うので、URLを掲載します。

法人税法施行令 第十四目 繰越欠損金(適格合併等による欠損金の引継ぎ等)

みなし共同事業要件に該当するか

みなし共同事業要件についてざっくりまとめると、
「一号~四号までのすべてに掲げる要件に当てはまるか」 あるいは 「一号&五号に当てはまるか」のどちらかなら該当、ということになります。

国税庁のHPで退任したり、特定役員として就任はしたものの、実際にはその職務を遂行していない場合(名目的な特定役員である場合)などには、適格要件を形式的に満たすためだけに就任させたのではないかと見る余地もありますので注意が必要です。』と書かれています。

話を戻しますと、ご質問のような同族オーナー系のグループ会社間のケースでは、これらの要件が満たされている可能性が高いのが一般的だと思います。(つまり、一~四号に該当するか、あるいは、一号&五号に該当するか、のどちらかには該当するケースが多いと思います。)

従って、ご質問のケースでは、欠損金の引継自体には問題ないことが多い、という結論になります。

実務で携わる方は必ず条文の原文にあたり、適格合併に該当するのか否か、適格合併に該当したとしても欠損金・含み損が使えるのか、そうでないのかを慎重に検討してください。

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