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法人と個人どっちがお得? 個人事業の法人化について

個人事業主として事業をはじめた場合に課題となる「どれぐらいの規模になったら、法人にするべきか?」という問題。税制面から考えた際に、いつ法人化するのが良いか、みなさんはご存知だろうか。今回は、個人事業主が法人化すべきタイミングについて紹介しよう。

■個人事業と法人はどちらのほうが税金が有利?

一般的には、年間500~600万円の所得があるようであれば、法人化するほうが良いとされている。業種や業態、所得維持できるか否かなどもあるため、一概には言い切れないが、法人成りを検討しているのでれば、この金額を目安に税理士に相談することをおススメする。

個人事業の場合、売上、経費、利益がそのまま直結して所得税、住民税の計算に連動する。さらには、国民健康保険、国民年金も連動しているため、売上が上がれば、増加負担を免れないというわけである。

それに比べ法人の場合、いくら法人の売上が増加しても、所得税、住民税には連動してこない。これが、法人と個人の大きな違いである。

また、個人事業から法人にするメリットは、税率の低さにもある。法人税は、中小企業を活性化させるために、軽減税率を用意しており、平成29年3月31日までは、年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率が15%、この軽減税率が終了した後も19%の税率となっている。

これに比べ、個人事業で所得が800万円あった場合の所得税は、約23%。所得税は累進課税制度(高所得になるほど税負担率が増える制度)のため、所得が増えるたびに税率も増加する仕組みであるため、所得が大きくなってきた場合には法人の方が有利というわけである。

■役員報酬の給与所得控除を利用

役員報酬として所得を得れば、所得税及び住民税の節税を図ることが可能である。法人となれば、売上がまるまる個人に課税されるわけではなく、売上は法人の売上として計上され、個人(社長)には、役員報酬として毎月同額の給与を支払うことができる。

ただし、役員報酬の場合は、定期同額給与を選択した場合、基本的には、途中で変更できずに、経費として計上できなくなるので注意しておこう。

役員報酬を出すメリットは、法人での経費計上が可能で、利益が圧縮できること。そして、役員報酬(給与)として出すことにより、給与所得控除として、一定の金額を控除することができるのだ。

毎月20万円の役員報酬の場合を例に挙げると、年間240万円のうち、税金の対象となる所得は90万円で済むというわけだ。これは、収入金額×30%+18万円の給与所得控除を受けることができるためで、個人事業で240万円売上で計上しているときに比べ、所得税、住民税が明らかに圧縮されることがおわかりいただけるはずだ。

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