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賢く相続! 相続財産は不動産のほうが良い!?

相続税とは、相続が発生した時点で、被相続人が所有していた財産のすべてが対象となり課税されるものである。現金、預金、不動産、有価証券などはもちろん、借地権や電話加入権も対象とされ、これらの財産をそれぞれ評価し、合算の財産額に対して課税されるのである。ちなみに、電話加入権は現在、ほとんど価値がなくなり、東京都での標準価格は1500円だ。現金や預金は評価がいくらになるのかは、誰が見ても明らかだ。しかし、不動産や未上場株式などはどのように評価されるかご存知だろうか。今回は、相続税対策としてよく用いられる、不動産について取り上げていきたい。

■不動産の相続評価とは

一概に不動産と言っても、建物、土地、借地権などがあり、それぞれ評価方法も異なる。ここでは、一般的な建物と土地の評価方法について見ていきたい。

【建物】
建物の評価方法は、固定資産税評価額をベースとして算出される。固定資産税は1月1日現在の所有者が納税義務を負っており、6月1日に各所有者宛に所有不動産の評価額と固定資産税額・都市計画税額が通知。この通知書に記載されている固定資産税評価額が、建物の相続税評価額のベースになる。

ただし、自分で利用するためのものかどうかで、以下のような違いが生じる。

1.自宅や別荘などの自用家屋:固定資産税評価額
2.賃貸用不動産:固定資産税評価額×70%

・土地
土地の評価方法は、路線価評価または倍率評価となる。土地については国税庁が路線価という基準を公表している。所有している土地が面している道に付された路線価にその土地の面積を乗じ、土地の形状により一定の補正率を乗じることにより評価額を算定可能だ。

路線価が付されていない地域では、路線価と同様に国税庁が地域ごとに倍率を定めており、固定資産税評価額にその倍率を乗じることにより評価額の算定を行う。

さらに、小規模宅地の評価減特例を活用すると、自宅の場合には330㎡までは80%、貸付事業を行っている場合は、200㎡までは50%の評価減が可能だ。

■金銭で相続するよりも不動産のほうが安い?

現金預金を相続した場合の評価額は、その現金預金の金額そのままであるのに対し、不動産を相続した場合には上記で説明した通りの評価額となる。そのため、金銭で相続するよりも不動産で相続したほうが、評価額が低くなり、相続税も少なくて済むのである。具体的にどの程度低くなるのか、以下の参考例を見てほしい。

例:預金10000をそのまま相続するのと、不動産に変換する場合

【預金10000を相続した場合】
相続税評価額は、そのまま「10000」となる。

【預金10000を不動産により相続した場合】
建物を4000で自宅として購入(固定資産税評価額:2800)。
土地を6000で購入(路線価1㎡あたり21、面積200㎡)し、不動産により相続した場合

建物の相続税評価額:2800
土地の相続税評価額:21×200×(1-80%)=840
∴合計の相続税評価額:2800+840=3640

上記のような場合には、金銭で相続をする場合と不動産で相続する場合とで、評価額は6割以上も低くなるのである。つまり、金銭を多額に有している場合には、不動産を購入して相続に備えるのもひとつの節税手段と言えるわけである。

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