若い頃は、「どうして〝記者〟じゃなくて〝女性記者〟なの?」なんて思ってみた時期もあったが、歳を重ねるにつれ、肩の力はどんどん抜けていった。

女性議員、女流作家、女医、女優…。
女性の場合、職業の呼称に「女」が付けられることが多い。
これらと並べるのもおこがましいが「女性記者」もその一つだ。
若い頃は、「どうして〝記者〟じゃなくて〝女性記者〟なの?」
なんて思ってみた時期もあったが、
歳を重ねるにつれ、肩の力はどんどん抜けていった。
「女性記者」と呼ばれることの違和感よりも、
「女性記者」であることのメリットの方が上回ってきたからだろう。
メリットはいろいろある。
まず、取材相手に覚えて貰いやすい。
霞が関界隈で取材をする記者の多くは男性なので、
女性というだけで記憶のフックになる。
そして、相手の緊張が解れるのも女性記者ならでは。
誰でもそうだとは思うが、とくに政治家や官僚は「取材」となると気構える。
そこへ「どうも初めまして〜」なんてチャラチャラ登場すると、
ガクッと拍子抜けするみたい。
「なんだ女性記者か」と思って貰えたら、取材は俄然やりやすくなる。
宴会要員として声をかけて貰えるのも大きなメリットだ。
仕事と離れたところでコミュニケーションできると、
距離がグッと縮まり、その後の取材のし易さが違ってくる。
というか…各界の第一線で活躍する人の話を聞くのは、純粋に面白い。
実はこの辺が、役得というか、職得というか、記者になってよかった、
と思う理由の最上位かもしれない。
「女性記者」大いに結構。気にする人もいるみたいだけど、
考え方次第だなぁ、と思う。