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ライフプランナーの仕事は「究極のお節介!?」 〜情けは人の為ならず〜会計士ライフプランナーのコラム Part.2

保険の営業と聞いて、どんな印象を受けますか?営業がしつこそう、ノルマがキツそう、などでしょうか(笑)。たくさん悩み、葛藤して足を踏み入れた生命保険業界でしたが、最初から順風満帆、とはもちろんいきませんでした。

保険外交員を続けるのは起業と同じくらい難しい?

「生命保険 外交員 離職率」で検索してみてください。誰しもが簡単に成功できる業界ではないことが分かると思います。報酬も業績連動なので、自ら事業を営むくらいの意気込みがないと、続けていくことは困難です。そんな業界なので、生半可な覚悟ではそもそも採用面接すら受けさせてもらえません。とくに僕の場合当時25歳と若く、営業も全くの未経験ということもあり、採用に至るまでの過程でも本当にその覚悟があるのか、厳しく追及されました。
そうしてライフプランナーとしてのキャリアがスタートしたわけですが、最初の1カ月の研修は正直本当にしんどかったです。保険や金融の知識をゼロから学び、かつ現場に出たら自分の大切な友人たちに正しく伝えないといけない…。睡眠時間を極限まで削って勉強し、研修を受け、エナジードリンクで眠気をごまかしながら深夜まで支社でロールプレイを繰り返しました。

「保険の話を聞いて欲しいんだけど…」

ライフプランナー4年目を迎えますが、この仕事で最も難しいことの1つが、この一言が言えるかどうかだと思います。自分の提案や知識に自信が無かったり、後ろめたさを感じてしまうと堂々と言えなくなってしまう言葉です。とくに最初はそれまでの友人・知人を頼るしかありません。久々に友人から電話がかかってきたと思ったら、保険の勧誘…。普通、嫌ですよね(笑)。ネガティブな反応にも怯まないだけの自信が持てるよう必死に勉強し、練習しました。しかし、実際はそれでも話を聞いてもらう前に断られたり、無視をされたりと辛いことの連続。恥ずかしながら当時は「周囲からの評価は悪くないはず」という自惚れがあり「みんな応援してくれるだろう」と楽観的に考えていたのですが、そんなことはありませんでした(笑)。
ただ全員が全員、ネガティブな反応だったわけではなく、信頼して任せてくれた人、僕の新しい挑戦を応援してくれた人もたくさんいました。本当に、ありがたかったです。彼らから大切な友人をご紹介いただき、少しずつ、お客様が増えていきました。

“保険の担当者”から“人生のパートナー”に

生命保険の仕事って、究極のお節介だと思うんです。生命保険は大きく分けると「万が一の時のための保障」「長生きへの備え、資産の形成」が主な機能ですが、家族でもない人たちに「万が一が起きたら大変です、備えましょう」「今からお金をしっかり貯めていきましょう」とその必要性を訴えるわけですから、お節介以外の何ものでもないですよね。本当に目の前の人の人生を考えての提案でなければ心に届きませんし、せっかく考えたプランもお蔵入りになってしまいます。さらに言うと「まあ、入ってあげてもいいかな」という程度の満足度ではなかなかご紹介もいただけません。またご紹介いただいた場合でも、いざそのご本人に話をすると「保険は今考えてないからいいや」と直接お会いする前に断られることも多々あります。
そこで考えたのが「自分がどんな人間になれば、前向きに会ってみたいと思う人が増えるんだろう?」ということです。自分だからこそ提供できる、パーソナルな付加価値は何かないかと真剣に考えました。

会計士だからこそ、会計士に提供できる価値

前職時代からの繋がりやご紹介でお客様を増やしていく過程で、最も大きい割合を占めていたのが、若手の会計士たちでした。まず「彼らの求めていることは何だろう」と考えました。保険プランの作成にあたりその人のライフプラン、価値観や考え方、キャリアの展開を細かくヒアリングするのですが、若手会計士の多くが自身のキャリアに悩んでいるということに気が付きました。会計士の魅力の1つにキャリア設計の自由度の高さが挙げられますが、自由がゆえに悩んでしまう人も少なくありません。悩むにしても「どこから情報を得れば良いのか分からない」「どんな人に相談したら良いか分からない」という声もたくさん聞きました。会計士は基本的に能力が高くて、目標のために頑張れる人たちが多いと思うんですよね。彼らがもっと前向きにキャリアを考えて、もっとイキイキと活躍できるようになれば、日本の企業、経済界にとって良いインパクトが与えられるんじゃないだろうか。そして、「ライフプランナーという立場から会計士のキャリアの支援をしていこう。会計士業界を盛り上げていくために自分なりにできることを模索していこう」という方向に舵を切りました。具体的には会計士業界内でのネットワーク作り、会計士のプロボノ(専門性を活かした社会貢献活動)の普及を推進するNPO法人Accountability of Changeでの活動(これはまた別の機会に詳しく書きたいと思います)、最近では公認会計士協会青年部としての会計士の魅力を発信する活動にも力を入れています。

ライフプランだけでなくキャリアプランの支援もできる。

そんなお節介なライフプランナーが僕の理想です。

役に立てることは、必ずある。

会計士に限らず、出会った人に対して「どうしたら保険の話を聞いてくれるだろう」だけではなく、「どうしたらこの人の人生の役に立てるだろう」という意識を強く持つようになってから、仕事が楽しくなり、結果もついてきたように思います。経営者や個人事業主と話すときには会計や税務の知識が役に立つこともありますし、弁護士やコンサルタントなど専門職の人と話すと、専門職ならではのキャリアやお金の悩みに触れ、僕なりの経験に基づいたアドバイスが喜ばれることもあります。

仮に自分が直接お役に立てない分野の問題だったとしても、今まで出会った信頼できる他分野の専門家たちに繋ぐことで、解決策となることも少なくありません。

「情けは人の為ならず」という言葉がありますが、ありがたいご縁があったり、ご紹介をいただけたりするとこれは本当にその通りだなと実感します。すぐに直接的な見返りがなくとも、自分が与えたものは巡り巡って返ってくる。新人時代は目先の見返りに一喜一憂してしまうこともありましたが、今はそう信じています。

だからこそ、自分にできることは惜しみなく与えることのできるライフプランナーでありたいと思っています。

(関連記事)なぜ公認会計士が生命保険外交員に!?—会計士×ライフプランナーという生き方

著者: 菊池諒介

プルデンシャル生命保険株式会社 港第三支社 ライフプランナー/公認会計士

埼玉大学在学中の2010年に公認会計士試験に合格し新卒から3年間、会計事務所で税務を中心に申告業務、コンサルティング業務等に従事。キャリアを模索するなかで、ライフプランナーという仕事に出会う。個人法人問わず会計士の目線を活かしたオーダーメイドの問題解決を得意とし、2014年、2016年と社長杯(全社コンテスト)入賞を果たす。その過程で多くの若手会計士と接点を持つも、将来を不安視する声の多さに触れ、本業の傍ら会計士のプロボノ(専門性を活かした社会貢献活動)を推進するNPO団体Accountability for Changeの理事を務める。会計士のキャリア支援にも取り組んでいる。

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