国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

海をこえて投資! 海外の不動産を購入したら

近年、海外の不動産への投資が注目されている。しかし、海外については不明なことが多く踏み切れないという人もいるだろう。今回は、海外の不動産を購入した際の疑問について解説する。

■海外の不動産は建物比率が大きい!

まず、日本に住んでいる人が日本で課税されるのは、海外不動産を賃貸する場合。運用益である賃貸収入に対して課税されるが、目的が自己使用ならば不動産所得の計算は必要ない。
基本的に日本の税法に基づき、収入金額から必要経費を控除して計算する。
日本においては、不動産は総合課税であることから、不動産所得に対して所得税、復興税、住民税が課税される。

さて、必要経費に含まれるのは、建物であり金額が大きい。計算は日本の減価償却制度に基づき定率法もしくは定額法で計算する。注意が必要なのは、不動産費の計算は日本の税額計算では使用できないことを覚えておきたい。

それでは、なぜ、海外の不動産への投資が注目されているのだろうか? その理由のひとつとして、土地と建物の価値割合があげられる。日本国内における不動産では、一般的に土地と建物の割合は8対2と言われている。つまり、この一般的な例に当てはめて考えると、1億円で不動産を購入した場合には、土地の価値が8千万円、建物の価値が2千万円となり、この2千万円が減価償却の対象となるというわけだ。

一方、海外不動産の場合には、一般的に土地と建物の割合は2対8と言われている。そのため、1億円で不動産を購入した場合には、土地の価値が2千万円、建物の価値が8千万円となり、この8千万円が減価償却の対象となるのである。

この割合は、すべてに当てはまるわけではないため、あくまで一例だが、海外不動産の場合には経費化できる建物の割合が、国内不動産に比べて大きい傾向にあるため、節税を期待する人たちから、注目を集めているのである。

■海外不動産は価値下落が小さい

海外不動産が注目されている要因はこれだけではない。日本と海外では不動産に対する考え方が異なり、海外の不動産は築年数が経過している古い物件であっても、日本の不動産ほど価値が下落しないという点もある。

日本であれば築年数が経過している古い物件の場合、建物の価値はほぼゼロとなり、減価償却は見込めないことが多いが、海外では異なる場合も多い。日本において、マンションなど鉄筋コンクリートの建物の法定耐用年数は47年であるが、この対応年数を超える物件も海外には多く存在しているのである。

■メリットばかりではないので、よく考えてから判断しよう

これまで海外の不動産を購入した場合のメリットについて説明をしてきた。これだけを聞くと「投資しないわけがない」と考えるのではないだろうか。しかし、当然ながらデメリットもある。

日本円で取引が行われないため、為替リスクが生じ、購入時と売却時で為替レートが大きく異なる場合、大きな損失を出してしまう可能性もある。

また、現在の日本の税制では、国内不動産も海外不動産も同様の計算方法により算定することになっているものの、今後、改正される可能性がないわけではない。さらに、不動産が所在する国ごとに、独自の税制があり、海外での申告納税方法が異なるため、対応方法の検討も必要となる。

このように、メリットもデメリットも複数存在している海外の不動産投資。海外の物件を専門に扱っている不動産会社も増えてきているため、一度じっくり検討してみるのもいいだろう。

著者: KaikeiZine編集部

KaikeiZine

租税調査研究会が監修する税金・会計の総合ニュースメディアです。税金・会計に関するさまざまなニュースを、わかりやすくお届けします!
■税と経営の顧問団租税調査研究会
https://zeimusoudan.biz/
■KaikeiZine
https://kaikeizine.jp/

ページ先頭へ