国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

【BIPA】テクノロジーの力で店舗の手間や苦労を無くす~ トレタ 中村仁代表取締役~

飲食店のバックオフィス業務の効率化をサポートする株式会社トレタ(東京・品川区, 代表取締役=中村仁氏)が提供する、店舗向けの予約・顧客管理サービス「トレタ」は使いやすさが支持され飲食店への導入数が急増している。同社は経営者が抱える課題にどう応え、現場の効率化を促しているのか。中村代表取締役に聞いた。

株式会社トレタ 代表取締役 中村 仁 パナソニック、外資系広告代理店を経て2000年に西麻布で飲食店を開業。とんかつ業態「豚組」、豚しゃぶ業態「豚組しゃぶ庵」などの繁盛店を世に送り出す一方、ツイッターを活用した集客で2010年「外食アワード」を受賞。2011年、料理写真を共有するアプリ「ミイル」 をリリースしたのち、2013 年に(株)トレタを設立。また企業・独立・転職・スキルアップのための専門スクール Schooling-Pad(スクーリング・パッド」など数々の飲食店向けセミナーの講師も務める。著書に『右向け左の経営術』『小さなお店のツイッター繁盛論』など。

―2013年の創業以来、「トレタ」は約8千店舗に導入されていると聞きました。何が飲食店に支持されたのでしょうか?

中村 飲食店の現場はこの30年間、オペレーションがほとんど変わっていません。いまだに一番使われている通信インフラはFAXと電話であり、ほとんどの管理を紙とペンで行っているようなアナログな業界です。スマホやクラウドの普及など、これほど情報化が進展している一方で、飲食店の現場は生産性の低い状態が続いています。一方で労働人口が減り、超高齢化社会を迎えた日本では、食べる量も全体として少なくなっていきます。日本にはおよそ50万店の飲食店があるといわれていますが、毎年全体の8パーセントのおよそ4万店が入れ替わっています。潰れては新しいプレイヤーが入ってくる、といった過当競争がずっと続いているのです。その中で、従来のアナログな仕事のやり方を維持しながら、情報化のスピードにおいていかれないようにしつつ、なんとか利益を上げようとしたら、大量の人材を安く雇用し、長時間働いてもらうしか方法は残っていません。いわゆる「現場のブラック化」です。多くの飲食店は好き好んでブラック化しているのではなく、これは構造的な問題なのです。

飲食業界の現場には、人間がやらなくても良いこと、人間がやるよりも機械の方が上手にできることがたくさんあります。機械によって生産性を向上する余地はとても大きいのですが、そのニーズはほとんど認識されていませんでした。そこで当社は、IT化の啓蒙活動を地道に積み重ね、それを解決できる手段として「トレタ」を提供してきました。

「トレタ」ログイン後画面(提供:トレタ)

「トレタ」の最大の特徴は、紙と同じように誰でも簡単に使えるiPadアプリを提供できたことです。これによって、パソコンの苦手な現場スタッフでも手作業で行っていた予約管理や顧客管理をITツールに置き換えることが可能になりました。飲食店にはもともと多くの潜在的課題があり、それを解決する手段を提供できたことによって一気に普及したものとみています。

―飲食業界の効率化を一気に後押ししたということですね。

中村 この業界は、「シェフがあと一手間をかける」といった非効率な部分が付加価値になっているところがあり、「効率を下げることが美しいんだ」という変な誤解があります。それが、結果的に生産性を上げようとする議論が起きにくい環境を作ってしまった。飲食業界のあちこちに非効率がたくさんありますが、当社はその非効率の中のひとつ、「予約・顧客管理」に着目しました。

―「トレタ」を利用することで、どのような業務革新を起こすことができますか?

中村 当社がお役に立てることは、大きく分けて3つです。1つ目は、手作業で行っていたアナログな管理を「トレタ」に置き換えるだけで、これまで発生していた膨大な手間やコストを削減できること。2つ目は、「トレタ」を使うことで、紙とペンで管理していたときに発生していた回転ロスを削減したり、これまで取りこぼしていた予約を取り込めるようになったことで機会損失を削減、売上アップを実現すること。3つ目が、人力に100パーセント依存した接客では実現できなかった高度な顧客対応を実現することで顧客満足度を上げ、常連のお客様の増加を通じて売上の大幅な伸長を実現することです。

たとえば、ある回転寿司チェーン店は、今までは団体予約の受付業務において24時間かかっていた対応時間が、10分に短縮されました。「トレタ」なら、予約情報はすべてクラウド上にありますから、旅行代理店からの問い合わせについて本部から各店舗に確認しなくても、全店の空き状況が分かります。つまり、その場で予約確定ができるので、業務効率が大幅に改善するだけでなく、機会損失も劇的に削減できるのです。

ある焼き肉屋さんでは、予約の受付と管理を紙で行っていたため属人的になり、「予約職人」のような人がいないと予約管理ができない状況になっていました。そこで「トレタ」を使った結果、人件費が15パーセント下がりました。
あるいは、機会損失の削減による売上アップを実現したという事例も数限りなく存在します。予約管理にはテトリスのような側面があり、予約の回転数を最大化するには、いかに予約と予約の隙間を綺麗に埋めて、「席が遊んでいる時間を最小化する」ことが不可欠なのですが、これを紙で管理しようとするととても難しい。上手な人がやりくりすると10組のお客様の予約を取れたはずなのに、ヘタな人が予約管理をすると7組しか入らない、なんてことが日常的に起きています。それだけで約3割の機会損失ですよね。実際、「トレタ」を導入し予約管理を効率化したところ、売上が30パーセントもアップしたというワインバルもあります。ほかにも、満席時には空席のある姉妹店をご案内して予約を受け付けるという対応をしたことで、月商が150万円増えたという事例もあります。

―飲食店には昔からいろいろなシステムが提供されていますが、普及していませんね。

中村 それは、提供されるシステムの使い勝手の問題が原因だと考えています。飲食店の現場は皆さんとても忙しく、大量の仕事に忙殺されています。その中にツールを導入しようと思ったら、「教育コスト」「導入コスト」はバカになりません。ボタン操作が一つでも増えるだけで、飲食店向けのツールは運用に乗らなくなってしまうというくらいシビアな世界なのです。だからこそ、「トレタ」は誰でも簡単に使えるよう、使い勝手を追及しています。実際、トレーニングゼロで導入に成功したチェーン店さまもあります。導入時のノウハウもたまってきていますから、どのような店舗でも簡単に導入していただく自信があります。

1 2
ページ先頭へ