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【電卓持って世界一周!】 シンガポールの監査法人で過ごした怒涛の4年間 〜シンガポールなう Part.1〜

人気企画「旅人会計人 地球紀行」で新連載がスタート!現役女性会計士が、電卓片手に世界各地のNGOで会計士ボランティアをしながら世界を一周し、日々の発見や仕事のおもしろさを伝えていきます。

シンガポールでの会計生活に区切りをつけ、電卓片手に世界一周の旅へ!

いやー、昨晩親友の結婚祝いに、モハメドサルタン(東京なら麻布十番のようなエリア)のちょいと洒落たレストランに行ったのだが、結婚する当人を除いてお会計を割ったら、1人分330シンガポールドル=約2万6400円で、目の玉が17cmほど飛び出るくらい驚いた。
東京だったら飲んで食べて1万円を超えることなどそうはないが、シンガポールでは悲しいことに結構しょっちゅうなのである。
というか、シンガポール在住ももう5年目だから、衝撃を受けるのも今更だけど、本当に物価高いなぁ、この国…。ショックのあまり、帰り際に親友にかけた「結婚おめでとう!」の言葉も、若干裏声になってしまったほどだ。

…というわけで、初めまして、ゆりです!

マーライオンと筆者。コスプレはシンガポール航空の制服(結婚披露宴の余興)

私の経歴をご紹介すると、東京で経理を4年経験した後、米国公認会計士の資格を取得。その後単身シンガポールに渡り、監査法人で監査4年。転職して、シンガポールの日系企業で財務部長を務めたものの、昔からどうしても世界を一周してみたかったので、仕事を辞めて、電卓片手に会計士ボランティアをしながら、各国を旅することを決意。勢いで行動することには定評のある、元気な日本人女性なのだ。

旅立ちの前に、シンガポールの会計士事情を公開!

そんなこんなで唐突に始まった「電卓持って世界一周!」。
でも旅立ちの前に、まずは私が働いていた、シンガポールの監査法人及び会計士の生活について紹介したいと思う。海外就職を希望されている方の参考になれば幸いだ。

さて、私がこの4年間、間違いなくシンガポールの自分の家よりも長い時間を過ごしたであろう会計事務所が「MAZARS」である。惜しいことに、東証のマザーズとは一切関係ない。

同僚と旧正月のお祝い。シンガポールの会計士は実によく飲む

従業員150人中、日本人はなんと私ただ一人!絵に描いたようなインターナショナルな環境だったが、中規模な事務所で会計士同士の距離感が近い分、一緒に働いていた同僚には本当に良くしてもらった。同じクライアントを担当したメンバーとはプライベートでも友人になり、ファームを辞めた今でも連絡を取り合っている。

ちなみに「別の国なのに、どうやってポジションの空きを見つけたの?」というご質問を時折頂くことがあるが、私はUSCPA(米国公認会計士)資格を取得した後、シンガポールの日系人材紹介会社に登録をして、そこから紹介を受けた。

シンガポールの監査法人で働くって、実際どうなの?

さて、そんな私が実際に働いてみて感じた、シンガポールの監査法人における労働習慣の特徴は、なんといっても「ピークシーズンがない」こと!あんまり喜ばしくない意味で、だ…。

普段日本の会計士の方とお話ししていると、日本の監査法人の忙しさって、どうも以下のグラフのような周期があって、繁忙期と閑散期にメリハリが利いている印象がある。

【筆者の独断と偏見による、日本の監査法人の繁忙期&閑散期 周期グラフ】

一方、シンガポールの監査法人はどうなのかというと、以下のグラフのような周期である。

【筆者の経験に基づいた、シンガポールの監査法人の繁忙期&閑散期 周期グラフ】

シンガポールのピークシーズン(1〜3月)の忙しさは、日本の監査ピーク(4〜6月)をギリギリ上回りはしない。しかし、繁忙期を超えてもあまり仕事量に差がなく、基本的にヒマな時期というものはない。つまり、「一年中忙しい」。
具体的に労働時間を挙げると、ピークは夜12時退社+土曜終日出勤、ピークではない時期は毎日8〜9時に帰るのが通常…といったところか。

こういった労働習慣になってしまう理由は色々あるが、代表的な要因は以下の通りである。

1.シンガポールでは国内のすべての企業(上場・非上場問わず)が監査対象なので、クライアントの絶対数が多い
2.シンガポールの企業はアジア統括のホールディングスであることが多く、周辺の国に監査対象の子会社がやたらたくさんある&基本的に連結はマスト
3.日本と比較すると締め月のレンジが広い(シンガポールは通常12月締めだが、6月や9月締めの会社も多い)

でも、理由が分かったからといって、そこで働くやさぐれ会計士の心が癒されるわけもなく、大部分の若い監査スタッフは1〜2年でさくっとファームを辞めていく。そして、ますます人手が足りなくなってしまう悪循環っていうね…とほほ。
そういった状況はBig4でもあまり変わらないらしく、シンガポールの三大メガバンクの1つを担当していた、某大手監査法人マネジャーの友人に、最近仕事はどうだと聞くと・・・

「労働時間、マジ、おかしい」(←シンガポール人だけど日本語&晴れやかな笑顔)

・・・と力強い答えが返ってきた。うーん、そんなに忙しいってすごいな!でも、三大メガバンクなんていったら規模も大きいし、シンガポール金融庁の要望も厳しいし、多分・・・

・・・こういう情け容赦ない相手との戦いを4〜5カ月強いられているのだろう。うーん、恐ろしい。素手で組み合ったら命がいくつあっても足りないね…って私は大山倍達か。

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