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【電卓持って世界一周!】海外で活躍したい会計士必読!英語がペラペラになれる「猫屋敷メソッド」のススメ〜シンガポールなう Part.2〜

シンガポールで活躍した現役女性会計士が、電卓片手に、世界各地のNGOで会計士ボランティアをしながら世界一周!旅の中での発見を、会計士目線で伝えていきます。第2弾は、海外で会計士として活躍したい人向けに、筆者の体験に基づいた英会話上達法を大公開!

わんぱく会計士の世界一周、現在地は?

『KaikeiZine』をご覧の皆様こんにちは、ゆりです。会計士として、シンガポールから世界一周の旅に出た私は今、一番目の滞在先、バルセロナにいます。

テラス席からグエル公園が一望できる、素敵なオープンカフェでこの原稿を書いているところ。春のスペインはきらめく日差しが本当に美しくて、まるで旅に出た私を世界中が祝福してくれているよう・・・

・・・なんて言うのは嘘八百である!本当はまだシンガポールにいて、家の近所のフードコートで、せっせとこの原稿を書いている。旅に出る支度が色々とあって、まだ出国できていない。あー今日も暑いラー(←シンガポール人はよく英語の文末にラーをつける)。

毎日暑いラ-。シンガポールのマーライオンと

さて、「電卓持って世界一周!」の連載も第2回目。せっかくまだシンガポールにいるので、今回は、将来英語を使って会計士として海外で活躍したい!…と考えている方向けに、私が考える「英語がペラペラに喋れるようになる方法」を、自分の経験を踏まえながら記していきたいと思う。

その話をするためにまずは、私の前職の上司であり、CFOの猫屋敷さん(仮名)をご紹介する。

その男の名は、猫屋敷(仮名)

私が直近で働いていた会社は、日本人なら知らない人はいないであろう、有名な一部上場企業のシンガポール支社。猫屋敷さんはその東京本社から、ある日突然シンガポールにCFOとして派遣されてきた。同社勤続20年以上、経理部叩き上げのおっちゃんである。

そんな彼は、全く英語が話せなかった。その話せなさたるや、この平成の世においては、ちょっと珍しいレベル。どれくらいかというと・・・

猫屋敷「ハロー」
同僚「Hey, how was your lunch?」
猫屋敷「えっ?石井さん、彼は何て言ったんですか?」
石井「……。」

・・・ほ、本社の社長、よくこの人をシンガポールへ送ろうと思ったね!?(←私の心の声)

私は途方に暮れた。だって、うちのシンガポール支社は社員150人中、日本人はたったの3人で、残りはみんなその他のアジアの国の人々。英語が喋れなかったら、仕事にならないのだ。

でも、別に猫屋敷さんが悪いわけではない。彼は何だかよく分からないまま、唐突に海外赴任を言い渡されたジャパニーズサムライなのだ。

逆に私は、日本人のいないシンガポールの監査法人で4年も監査をしていたような女なので、英語は堪能であるという自負はある。ちなみにTOEIC 960点(990点満点)、TOEFL110点(120点満点)。どうっすか。俺、意外とインテリじゃないっすか。

俺、意外とインテリゲンツィア!

「猫屋敷メソッド」、爆誕!

本人が望んだわけでもないのに、いきなり不慣れな英語を使って、しかもCFOとして仕事をしなければならなくなった猫屋敷さん。その境遇を不憫に思った私は、彼と働きながら・・・

—————–
どうすれば、
1. 今まで英語を話したことのない一般的な日本の人は、
2. 最短の時間で、
3. 日常生活を送る上で支障のない英語を、
話せるようになるのか?
—————–

・・・ということを考え続け、そして、5つのセオリーを編み出した。

それこそが、今回のタイトルにかかげている「猫屋敷メソッド」である!産みの親は私だが、きっかけを作ってくれたのは猫屋敷さんなので、彼の名前で命名させてもらった。ありがとう、猫屋敷さん!仮名だけど。

会計士に限ったメソッドではないが、海外で会計士として活躍したいと考えている方が、もしこの記事を参考にして夢を実現してくれたなら、これ幸いである。

英語がペラペラになる「猫屋敷メソッド」、5つの秘訣

「猫屋敷メソッド」のポイントは、以下の5つである。
1.「英語が分かっている」自覚を持つ
2.日本語を断つ
3.リスニングから始める
4.言いたいことは短く切る
5.身の回りにある単語のみ覚える

そしてこの5つを以下に、順を追って説明していきたいと思う。


1. 「英語が分かっている」自覚を持つ


日本では、「自分は英語が分からなくって…」と言う人が多い。でも、私はそんなことないと思う。皆さん、英語を話したことがないだけで、実は英語を知っているのだ。

我々現代人は、大量の英単語に囲まれて日々暮らしている。中学・高校で英文法も習う。だから基本的な英語の知識は、既に備わっているのだ。登山で例えれば、既に3合目くらいの所にいる。昨今の流行のおかげで、子供でも”I have a pen” “I have a pineapple”は言えるのだから。

ウ―!アッポーペーン!

私が中国語を始めた時に一番大変だと思ったのは、「超基本的な単語も全て一から覚えなければならない」ことだった。例えば、中国語でニンジンは「胡萝卜(フールゥォブォ)」、トマトは「蕃茄(ファンジア)」。

そのハードルの高さは、まるで海抜0メートルからのヒマラヤ登山である。でも英語なら、そういう簡単な単語を一から勉強する必要はない。

「自分はもう英語を分かっている!」…英会話のトレーニングを始める際にはぜひ、これくらい自信を持って臨んで頂きたい。


2. 日本語を断つ


そんなマインドセットを踏まえ、さぁ、最初に何をするべきか? それは、一日15~30分でよいので、日本語を完全に断つ時間を持つことである。

英語をペラペラと喋るには、英語で考えられるようにならなければならない。皆さん、何かを考えている時には、頭の中で日本語が流れていると思うが、英語を話せる人はそれが英語で流れている。そして英語で考えるのは、そんな難しいことではない。要は自分に対する独り言を、英語で延々言い続けている感じだ。

それが俗にいう「英語脳」なのだが、日本語に常時触れていると、なかなか英語脳を作るのが難しい。どうしても日本語で考えてしまうからだ。

英会話がダイエットだとしたら、日本語は揚げ物である。カロリーが高いものを制限しないと、人はなかなか痩せない。同様に、日本語を断つ時間を作らないと、なかなか英語はうまくならない。

せっかく海外駐在しているのに、日本人の同僚とばかり飲みに行って、「英語うまくなりたいんだよなぁー」とぼやくおじさまと、かつ丼を食べながら「痩せたいんだよねぇー」とぼやく女子高生は、同じである。

オーストラリア留学時代の私。「痩せたいんだよねぇー」と言いながら日々フライドポテト

まずは、自分の周りの環境から日本語を排除する時間を作ることを、少しだけ意識してみてほしい。段々と日本語の思考に隙間ができ始めて、そこに英語が入ってくるはずだ。


3. リスニングから始める


その日本語を徹底排除した一日15〜30分で、何をするか。それは、「リスニング」の一択だ。

赤ちゃんは言葉が喋れない。でも、そのうち自然と喋るようになる。それは、周りが話していることを日々「聞いて」いるからである。だから、英会話をトレーニングする人もリスニングから始めるべきなのだ。大抵、日本の人が欧米圏に行って最初に挫折するのは、「自分が言いたいことが言えない」ことではなくて、「相手が何を言っているのか分からない」ことである。

ここで、「うぬれ笑止!英語が分からないから勉強したいのに、いきなり英語だけを聞いて理解できるわけもないわ!」と思われた諸氏も多いと思う。でもそれは、教材のレベルが高すぎるのだ。一回聞けば70%くらい内容が理解できる簡単なものを聞いた方がよい。

私がおすすめしたい教材は、初心者用の『大杉正明のWhat’s New Today?』 と、中級者向けの『超右脳おしゃべり英語リスニング』だ。どちらも大型の書店であれば、置いていると思う。

この2冊に共通しているのは、付属のCDが、ネイティブの欧米人が普段話す日常会話を、延々録音しているものであるということ。内容は英語100%だが、スピードはゆっくりだし、何より会話のトピックが日本に関することで初心者も理解しやすい。

そして、リスニングに少し慣れてきたら、「シャドウイング」にも挑戦しよう。ご存知の方も多いと思うが、シャドウイングとはリスニングの際に聞こえてきた英語を、そのままぶつぶつつぶやき続けるというメソッドである。

英語を実際に口から出すことで、リスニングしている内容を自分が理解できているか確認できるし、会話のトレーニングにもなる。「学ぶは真似ぶ」という言葉があるが、シャドウイングはまさに、ネイティブの英語の真似。続けていると、ある日「自分の言いたいことが突然、英語で口から出てくるように」なる。


4. 言いたいことは短く切る


英語で何か言いたい時は、極力短い文章で言おう。何か長いことが言いたかったら、短い文章をいくつか繋げばよいのである。

「主語」・「動詞」・「目的語」

大体のことはこの3単語で表現できる。それをand / but / so のいずれかで繋げていくのが、スピーキングの基本だ。

例えばある人がミーティングに遅れて来て・・・

「直前の電話会議が若干長引きまして、携帯で連絡しようにもエレベーターで電波が通じず、遅くなりまして誠に申し訳ありませんでした」

・・・と言いたかったとする。大抵の人は、それを英語でも一文でまとめようとする。その時の脳内は、たぶんこんな感じ。

(えーっとまず「the telephone meeting」 だな。ん?「直前」「長引く」って何て言うの?えっと-、それから・・・そもそも何が言いたかったんだっけ?)

そして口から出てくるのは、「ソーリー、アイム レイト!」だけだったりする。

日本語は元々、一文の中に、沢山の情報を詰め込むことができる言語である。それをそのまま英語に置き換えようとすると、情報過多で、言い終わるまで内容を覚えていられない。なのでコツは、考えた所までで切って、少しずつ口から出すこと。

つまり、英語を話すことは、紙芝居のようなものだと思ってほしい。

まず簡単な絵で状況を想像する。それを簡単な短い文章で説明する。「一枚の絵で説明できるところまで」が一文である。

先般の文章は、4枚の絵から構成されている。だから文章も分けよう。修飾語は不要なので切り落とそう(「直前」「若干」等)。

1. 電話会議が長引いた      My conference call got longer.
2. 携帯で連絡しようとした     I was trying to call you but
3. エレベーターで電波がつながらなかった the signal was bad in the elevator.
4. 遅れてごめんなさい     Sorry I’m late.

全部一気に言おうとすると難しいけど、一文ずつゆっくりでなら、意外と言えそうだなと思いませんか?

私がシンガポールで会計士として、クライアントの財務諸表について議論していた時も、英語で常に心がけたのは「シンプルに喋る」ことだった。

私たちは社会人だ。ビジネスについて話す時はつい、長くて難しい言い回しを用いなければ、という強迫観念にとらわれてしまう。でも、言葉で大切なことは「自分が言いたいことが相手に伝わる」ことなのだ。

私が働いていた監査法人で最もシンプルで簡単な英語を話すのは、実はアメリカ人のマネージングパートナー(監査法人で一番偉い人)だった。彼は難しい単語なんか使わない。頭の良い人とは、皆が分かる表現で伝えられる人なのだと、私は彼から学んだ。

赤いトサカのような仮面をつけているのが、マネージングパートナーです!

皆さんもぜひ、簡単な英語で、思ったことを少しずつ口に出してみてほしい。


5. 身の回りの単語のみ覚える


「猫屋敷メソッド」、最後はボキャブラリーについて。

英単語は、例えば仕事や趣味など、自分の半径5メートルに関係する言葉のみ覚えればよい、というのが私の流儀である。いきなり『New York Times』とか購読して、ロンドンの平均株価の記事を読んでボキャブラリーを増やそうとするの、めっちゃ大変ですからね!(笑)

海外で会計士として働きたいと考えている方は、まず会計に関する英単語のみ、一揃いお勉強することをおすすめする。色々な予備校が「英文会計入門」というコースを提供されているので、そういった講義を通じて、英語の会計用語を覚えてほしい。会計の概念自体は世界共通なので、単語さえ理解できていれば、外国へ行っても大体の仕事の内容は掴めるはずだ。

そして可能であれば、日本にいるうちから、英語を仕事で使ってみよう。「ある程度基礎的な英会話はできるようになった……か?」と自分で思ったら、今日にでも「はい!海外のクライアントを担当したいです!」と会社に手を挙げよう。もっと喋るのが上手くなってからとか、先にビジネス英語のクラスをとるべきなんじゃないかとか、躊躇する必要ナシである。

ビジネス英語は、実際に仕事で使ってこそ、ボキャブラリーも表現も磨かれる。また、仕事で英語を使っていると、プライベートで英語力をキープする努力をしなくとも、英語を忘れない。

英語にお金をかけて(英会話スクール等)上手くなるよりも、英語でお金を稼いで(仕事等)上手くなる方が、続くし、楽しいですよ。

会計士として、海外で活躍したいと考えている人へ

「猫屋敷メソッド」、いかがだっただろうか?

1.「英語が分かっている」自覚を持つ
2.日本語を断つ
3.リスニングから始める
4.言いたいことは短く切る
5.身の回りの単語のみ覚える

最後になるが、私は日本人の両親を持ち、中学・高校・大学までを日本で過ごした純ジャパニーズである。私が英語を喋れるようになったのは、大人になってからだ。だからこそ私は「日本人は誰だって英語をペラペーラに喋ることができる」、これを信じて全く疑っていない。

ゆり先生にお任せよ!

だから、海外で会計士として活躍したいと考えている方も、今回紹介した「猫屋敷メソッド」を実践して、必ず夢を実現してほしいと思う。

それでは、次回は旅先で!

著者: 石井友里

わんぱく会計士

早稲田大学教育学部卒。米国公認会計士。日本の不動産投資法人等で経理を4年経験した後、単身シンガポールへ。監査法人で法定監査を4年、事業会社で財務部長を1年経験した後、唐突に仕事を辞めて、会計士ボランティアをしながら世界を一周することに。昔から勢いで行動することには定評のある、元気な日本人女性。

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