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【CFOインタビュー】株式会社オトバンク 公認会計士・新井成道CFO「企業の成長に貢献する縁の下の力持ち」

日本最大のオーディオブック配信サイト 「FeBe(フィービー)」を運営する株式会社オトバンク(東京・文京区, 代表取締役社長=久保田裕也氏 以下「オトバンク」)でCFOとして活躍しているのが、新井成道氏だ。新日本有限責任監査法人(以下「新日本」)、AGSコンサルティング(以下「AGS」)を経てオトバンクのCFOに就任した新井氏は公認会計士としてどのようにキャリアを築いてきたのか。新井CFOに話を聞いた。

株式会社オトバンク 公認会計士・新井成道CFO

■公認会計士になれば人生はバラ色!?


 

―公認会計士を目指したきっかけを教えてください。

新井 学生時代は通訳とか英語を使った仕事に就きたくて、英語が学べて経営の素養も身に付けられたらいいなと、中央大学の商業貿易学科に入学しました。でも、学生生活を送っていくうちに気持ちが変わって、何がやりたいのか正直分からなくなってしまった時期がありました。そんなとき、知人が公認会計士の勉強をしていて3年で合格したと聞いたんです。その当時、公認会計士といえば「なるのは大変だけど資格を取得したら将来安泰」といったイメージの資格で「それはいいな」と、どれだけ難しい試験なのかも調べずに飛びつきました。まずは簿記3級から受験を開始。両親からの支援がなくなってしまう大学4年までにはどうしても合格したかったので、大学2年生になるとサークルも辞めて勉強漬けの日々でした。負けず嫌いな性格もあって、在学中に公認会計士試験に合格することができました。

―最初の就職先はBIG4の一つ、新日本でしたね。

新井 当時は、どんなにポテンシャルが高い人でも就職浪人してしまうほどの就職氷河期。だから面接では「とにかくやる気を見せることだ!」と感じていて、金融庁で公認会計士試験の合格発表があった後、そのまま新日本の面接に直行しました。その後、一次面接、二次面接と順調に進み、ご縁があって働き始めました。


■公認会計士としての働き方を見直すきっかけ


 

―新日本では、どのような仕事に従事されていましたか?

新井 主に国内監査に従事していました。当時、新日本のパートナーの中には個人事務所を持っていた方もおり、僕は当時パートナーだった先生が設立していた個人の公認会計士事務所で勤務していました。働き始めたころ上司から「君が公認会計士に受かったのは多分間違いだから、取り消してこい!」なんて冗談で言われるほど仕事ができませんでしたね。一方で、僕自身も公認会計士は、上場企業の決算書をチェックしたり、確認状を取ったり、請求書を見たり、と、働き始めてみたら「あまり楽しいと思えない仕事だ、自分には向いていないのかも」と、生意気にも思っていました。辞めることを考えていた時期もあったくらいです。いま思えば考え方が甘すぎましたね(笑)。

でも、その個人事務所は「会計監査人という独立の立場を守りつついかにお客様(=クライアント)のために価値を出せるか」を、徹底している事務所でした。だから、常に「数字をチェックするだけなら誰にでもできる。それは本当にお客様のためになっているのか?」と問われていました。お客様のためになるなら独立性に違反しない範囲で何でもしていました。そうして2年ほどお客様や仕事と向き合っているうちに「お客様のための仕事」がどんなものなのか身に染みて分かるようになってきました。すると、作成する監査調書の精度も上がってきました。徐々に上司からも評価されるようになり、3年が経ったころにはマザーズ上場企業の主査に抜擢されました。24歳で、上場企業の主査を経験できたことは僕のキャリアにとって大きな糧になっています。今思い返すと、非常に恵まれた環境でした。

―監査人として独立性を維持することと、お客様に寄り添うことを両立するうえで葛藤はありませんでしたか?

新井 めちゃくちゃありました。やはり監査法人なので、最終的には、クライアント責任者であるパートナーが監査法人の意見として監査報告書を提出します。しかし、監査意見を決定するための証拠を積み上げるのは主査やメンバーです。僕たちとしては、お客様のためになる仕事をしたい。でも、パートナーとしては、監査法人のリスクも考えて進めたい。その思いはときに相反することもあって、喧嘩になるほど議論したこともあります。特に、マザーズ上場企業の主査を担当していたころは、業績が不安定だったので監査の論点もさまざまありました。僕としてはその時点では損失を計上すべきではないと判断した。パートナーとしてはリスクヘッジのために早めに損失計上しておくべきだ、と意見が分かれたことがあって、結局パートナーから「そこまで言うならお前が審査部に行って来い」と言われました。審査は大抵マネージャーが受けるものでした。審査部に納得してもらうためにとロジックを立てて説得することの繰り返しでしたが、百戦錬磨の審査担当パートナーの壁は厚かったですね。


■公認会計士のジェネラリストになりたい


 

―その後、新日本からAGSに転職されていますね。

新井 ちょうど、新日本でマネージャーになるかどうかのタイミングでした。公認会計士としてのキャリアの幅をもっと広げたいと思っていたことやまだまだ現場に出続けたかったこともあって、これはいい機会だと転職を決めました。公認会計士になった時点ですでに会計のスペシャリストですが、個人的には公認会計士とひと口に言っても「スペシャリストタイプ」と「ジェネラリストタイプ」に分かれると感じていました。自分が目指すなら公認会計士のジェネラリストだと思っていましたから、転職先も広く検討しました。ジェネラリストを目指すなら、M&Aの知識もあった方がいいし、IPOの知識もあった方がいい。横断的に顧問先に関与できるコンサルティングも魅力的でした。いろいろ面接に行ったなかで一番公認会計士のジェネラリストとして頑張れそうだなと思ったのがAGSでした。

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