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平成30年に備えよ!地主必見“広大地評価”の見直しとは?

平成29年6月22日、「広大地の評価(財産評価基本通達24-4)」は平成29年12月末に廃止され、新たに「地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)」に移行することが発表された。今回は、広大地評価の現行制度と改正内容について解説していく。

■広大地の現行制度

現行の広大地評価(財産評価基本通達24-4)では、面積が1千㎡(三大都市圏では500㎡)以上あり、公共公益的施設等の設置が必要であるなどの一定の要件を満たす場合に、面積に応じて、評価額を下げられる計算方法を採用している。すなわち、広大地に該当する土地の面積が大きければ、大きいほど、減額が大きくなる制度である。

■広大地の改正案

今後は、「広大地の評価(財産評価基本通達24-4)」が廃止され、新しく「地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)」という制度が新設される。これは、平成29年6月22日のパブリックコメントで発表されたもので、平成30年1月1日以降の相続等により取得した土地についての適用を予定している。

完結に言うと、現行の面積に応じて、評価額を減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に評価方法を見直し、適用要件を明確化しようというもの。

改正の理由には、租税公平主義にそぐわないことや、広大地評価に関する適用要件が明確ではない部分があげられる。現行の広大地評価には、その土地の形状が考慮されていないため、土地の形状次第で、実際の取引価格と相続税評価額が大きく異なる場合があるのだ。

それに加え、土地持ち資産家の節税対策に利用されている事例があったり、明確でない適用要件で、専門家でさえ適用の判断が難しかったり。その盲点を、今回の改正で適正なものにしようというのが狙いだ。

■改正前に相続時精算課税贈与

新しい制度「地積規模の大きな宅地の評価(財産評価基本通達20-2)」は、平成30年1月1日以降に相続などで取得した財産の評価から適用される。次のような土地持ち資産家は、新制度施行に向け対策するのもひとつの手だ。個別事情により判断が異なるケースもあるが、例えば、すでに前回の相続などで広大地評価が適用されている土地、つまり広大地として通る確率が高い土地や、500㎡に満たない土地(ミニ開発分譲地)、中小工場地区にある土地、東京都23区にある容積率300%以上の土地などを親族がお持ちの場合。適用前の対策として、相続時精算課税制度を利用しての生前贈与が検討できるだろう。

平成30年になる前に、相続時精算課税制度を使って広大地を贈与しておけば、現行の広大地評価を適用した評価額のまま、家族に土地を残すことができるのである。

相続時精算課税制度は、相続前の早い時期で、大きな財産の移転を目的とした制度である。控除額は、2500万円まで。相続時精算課税制度の適用条件は、贈与者が60歳以上の父母、祖父母から受贈者20歳以上の子、孫が対象者となる。

適用対象資産は、種類、金額、回数は制限無しであるが、2500万円を超える場合は、一律20%の贈与税がかかるため注意しておきたい。また、一度この制度を利用した贈与者と受贈者では、これからもずっと相続時精算課税制度を利用しなくてはならないため、こちらにも注意が必要である。

■おわりに

広大地と聞いて思い当たる節があったり、大きな土地を所有していたりするのであれば、一度税理士に相談しておくほうが賢明である。大きな税制優遇を受けられるチャンスかもしれないし、逆に、この時期を逃すと課税額が増える可能性もあるので、心当たりのある方は、早めに動いていただきたい。

著者: KaikeiZine編集部

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