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“税界”の裏話 海外転勤社員の自宅を社宅として借り受けした

ビジネスパーソンなら、家族と一緒に海外転勤というケースも少なくない。知人が社長の会社でも、数年前から従業員を海外の子会社に出向させているが、その第一陣としてその転勤した社員が日本に帰国するという。この社員は、日本の自宅をこの会社に社宅として貸し付けており、本年は賃借料として年間300万円の収入を得ているそうだ。非居住者であるこの社員の不動産賃貸料300万円に対する課税についてはどうなるのだろうか。


知人の社長の話では、3年間の海外勤務をしていた社員の給与は、年収700万円とのこと。海外転勤にあたって、日本の自宅は、会社の社宅として借り受けており、会社では、この社員に年間300万円を支払っていたという。第一陣として海外子会社に転勤してくれたということもあり、帰国後のことも考え、会社で社宅として借り受けていたという。それにしても、この社員、年の収入が1千万円になったのだから、海外転勤もそれほど悪い話ではなかったと思われる。

さて、社員の自宅を社宅として借り受けたわけだが、国内法上、この社員の日本の自宅の貸付けの対価は、国内源泉所得として課税の対象となる。つまり、20.42%で源泉徴収の上、確定申告する必要があるわけだ。

租税条約の適用により国内法の課税関係が変更されるかどうかについては、この社員の居住地を確認した上で、幾つか検討する必要がある。

聞くところによれば、この会社の子会社は米国なので、日米租税条約の適用を受けることになる。

考えるべき点は国内源泉所得だ。日米租税条約第6条に規定する「他方の締結国(日本)内に存在する不動産から取得する所得」に該当するが、同条はソースルールを定めておらず、国内法のソースルールがそのまま適用される。つまり、国内源泉所得の判断は変わらない。また、同条では、「他方の締結国(日本)内に存在する不動産から取得する所得」に対する課税権を認めている。


 
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著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
■税と経営の顧問団租税調査研究会
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