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【電卓持って世界一周!】ミレニアルから読み解く次世代経済―2020年代、アフリカではコレが売れる!~モロッコなう~

シンガポールで活躍した現役女性会計士が、電卓片手に、世界各地のNGOで会計士ボランティアをしながら世界一周! 旅の中での発見を、会計士目線で伝えていきます。南アフリカ・レソトの「KICK4LIFE」を卒業し、現在は放浪の旅のまっただなか中。今回はモロッコの迷宮都市・フェズから、「次の10年のアフリカで売れるモノ」について、予測していきます。+αモロッコでの、ハマム風呂体験記もお楽しみに♪

石井、旅に出る。

皆さん、こんにちは! 私はレソトのKICK4LIFEを卒業し、3月上旬から放浪の旅に出ている。ヨーロッパの西端・ポルトガルから旅をスタートし、このまま東へ向かって中東から南下、最終的にはアフリカ南端のヨハネスブルグまで移動する予定だ。16世紀あたりの人なら20年くらいかかったような大移動だが、今は21世紀なので、2カ月あれば、きっとなんとかなるはずだ。

「2ヵ月でいーや」(2018年)石井の大移動。これ年号覚えてねー。テストに出すよー

しかし、世界を放浪するってけっこう慌ただしい。働いていたときには「もうオフィスにこもって働くのは嫌だ! ノマドワーカーになりたい!」と思っていたのだが、実際の旅は考えていたようなのんびりした生活とはずいぶん異なった。

私はおおよそ1都市2日のペースで回っているのだが、移動に半日かかるので都市の滞在日数は1.5日。すると観光しながらご飯を食べ、次の国への電車と宿を予約しながら洗濯、みたいな毎日になる。

ノマドワーカーって、リゾートのプールに寝転がりながら優雅にパソコンを叩いてるみたいなイメージだったのに、おかしいなぁ。でも旅に出てリゾートのプールに寝転がっているのに、パソコンを叩いて仕事しようって気持ちには絶対ならないって気づいたので、あれは現代の神話だと思う(笑)。

石井、モロッコで置屋のおかみに蹂躙(じゅうりん)される

さて、私が今滞在しているのは、モロッコの迷宮都市・フェズ。モロッコはアフリカ大陸の北端にある国で、南端にあるレソトとは、ほぼ真逆の位置関係にある。文化もまったく違う。モロッコは、言葉はアラビア語、住人は中東系の、完全なるアラブの国である。いわゆる「ブラックアフリカン」の人をまったく見かけない。アフリカ大陸の多様性を強く実感した。

サハラ砂漠ではラクダに乗りました。なんたってラクダはラクだからね!ぷぷぷっ

ここで私は、モロッコの伝統的な「ハマム風呂」に挑戦してみることにした。っていうと、まるで詳しいみたいだが、申し込むまでハマム風呂が何なのか、まったく分かっていなかった。ホテルの貼り紙を見て「お風呂+トラディショナルマッサージで12ユーロ。ふーん、いいじゃない」と思っただけである。

さて、ハマム風呂当日。ホテルに私を迎えに来たのは、ターバンを頭に巻いた、いかにもモロッコ風のおっちゃんであった。おっちゃんは「風呂はすぐそこだから歩いていくぞ」と、フェズの細い裏路地を、自信たっぷりの態度で突き進んでいく。

もちろん、全然すぐそこではなかった。数えきれないほど角を曲がり、私が完全に帰る道を見失ったころ、おっちゃんはいきなり「ハマムはここだぁ!」と、路地の一角を指さした。

・・・ここ?

おっちゃんが示した先には、古ぼけたアパートがただ佇んでいた。ハマムの看板も、立札も、何もない。右手にアパートの地下へと延々続く階段がある。しかも日が暮れてきてしまって、かなり薄暗い。

え・・・私、売られる・・・?

「ノープロブレーム! 中には女性しかいないから! おーいファティマ、客だ!」

おじさんが声をかけると、いきなり地下へと続く階段の先にある扉が、ばーん! と開いた。

中から蛍光灯が後光のようにさして、そこには・・・
小太りのおばあちゃんが、睨みを聞かせて仁王立ちしていた。

なんと彼女、全裸である。小玉スイカほどの大きさがある巨大なおっぱいを、べろーんとむき出しにしている。腕を組んで私をジロジロと見定めているさまは、まるで女郎小屋のおかみのごとき風格だ。

私はこの瞬間悟った。
・・・あ、これ、もう完全に流れに任せるしかない展開ね?

「フォローミー!」

おかみが部屋の中に向かって顎をしゃくり、私は子犬のように震えながら階段を下りていく。地下の扉の先には、いわゆる日本の銭湯とまったく同じスタイルの脱衣所が広がっていた。

おかみが身振りで「服を脱げ」と指示を出すので、私は慌てて服を脱ぐ。すっぽんぽんになって振り返ると、おかみが、

「ノー!ノー!」

慌ててコマネチのような身振りをしているではないか。どうやらパンツは履け、ということらしい。確かに全裸だと思っていたおかみも、黒いパンツだけは一応身に着けている。むむ、ハマムのドレスコードはパンツ一丁ということか。

私がショーツを履いて「準備万端だ」とOKサインを出すと、おかみが納得したようにうなづいて、先の部屋へと案内してくれた。さぁ、いよいよハマム体験!

両開きの扉が開いて、中から温かい湯けむりがモクモクと広がってきた。そこには日本の銭湯とまったく同じスタイルの、大きなお風呂が・・・お風呂が・・・
・・・お風呂がない!!!

そう、ハマムには湯舟がない。ハマムは基本的に「何もない大理石の部屋」である。女性たちは地べたに直で座る。部屋の片隅には「熱湯の釜」と「冷水の釜」があり、おかみたちはその2つをバケツに混ぜて、温度を調整したお湯を運んできてくれる。女性たちはそれで身体を洗う。おかみたちの仕事は、お湯の運搬だったのだ。

湯舟はないものの、お湯がなくなりそうになるとすぐに追加してくれるので、身体を洗うのには十分な湯量。アフリカで1年近く暮らしていたので、大浴場で身体を洗うのは、私も久しぶりである。

うーん、やっぱりお風呂は心地いい。パンツを履いたまま身体洗うのは、ちょっと不思議な気持ちだけど・・・。

すっかりリラックスしていた私だったが、話はここで終わらなかった。

私が身体を洗っていると、おかみが部屋のすみから「こっちへ来い」と手招きをしているではないか。

え?まだなんかあるの?

私がいぶかしげに近づくと、おかみは何やら「さぁ、ここに横になれ」と、身振りしている。でも「ここ」って、おかみの丸太のようにたくましい太ももの上である。私がとまどっていると、おかみは私をぐいぐい引っ張ってきた。

「ちょっと、え!?」

私が最終的にとらされた態勢。それは「寝転がっておかみに膝枕される」であった。なんかもう、状況が分からなすぎて辛い。私がこわばりながらおかみを見上げた瞬間――――。
おかみは手にはめたミトンで、私の身体をいきなり全力でゴシゴシこすりはじめた。

「うわあああああ!?」

そう、ハマム風呂の第二の特徴。最初に述べた「トラディショナルマッサージ」とは、アカスリのことだったのだ。

おかみは力強いストロークで私の身体を隅々までこすり倒している。彼女はすごく真剣なのだが、私は全然アカスリに集中できない。なぜなら、おかみのおっぱいがあまりにも大きすぎて、さっきから膝枕された私のほっぺたにびたーん! びたーん! とあたっているからである。まるでつきたての巨大なモチで優しくビンタされているみたいだ。そんな経験ないけど。

それにしても、おかみは間違いなく60歳代なのに、なんてハリのある、力強いおっぱいなのかしら。何を食べたらこんなに大きくなるんだ・・・?

おっぱいソフトビンタ(注:アカスリです)の洗礼を受けながら周囲に視線を向け、そして私は愕然とした。ハマムにいる女性は一様にみんな豊満な体形で、そして日本では、まずお目にかからないレベルの巨乳である。

モロッコは敬虔なイスラム教の国で、国の女性はほぼ全員ヒジャブをかぶり、体型を隠した格好をして過ごしている。だから女性たちがこんなにすごいおっぱい(注:公認会計士さん向けの記事でこんなに“おっぱい”“おっぱい”連呼していいのか不安だが・・・)の持ち主だったなんて、私は全然気がつかなかった。

しかし今回の件で、イスラム教がなぜ女性の身体を隠すことを強制するのか、理解できた。こんな巨乳の女性たちが薄着で町中をうろうろしていたら、男性はアッラーの神でなく、おっぱいを崇拝してしまうに違いない。

私は今までヒジャブをかぶったイスラム教の女性に対し、ちょっと近寄りがたいイメージをもっていた。でもお風呂ではもちろん、イスラム教もほかの宗教もない。みんな生まれたままの姿に戻って、無邪気にお湯の温かさを楽しみ、笑っている。

裸の付き合いって、いいもんだなーと、異国でほのぼの思った瞬間だった。モロッコとの距離が少し縮まった気持ちである。

「迷宮都市」と呼ばれるフェズの旧市街。一度迷ったら復活はほぼ不可能。ハマムの帰りはおっちゃんに送ってもらいました

石井、日本のミレニアルを語る

おっぱいの話ばかりじゃまったく会計に関係ないので、そろそろビジネスの話をしよう。今回のテーマは「次の10年のアフリカで売れるモノ」である。私は経済の専門家でないので、予測が外れたらごめんなさい。現在のアフリカと先進国を比較して、まぁ順当に考えてこれからこうなっていくだろうという観点でお話ししたいと思う。

アフリカの市場を説明するために、まずは真逆の例を挙げよう。日本には今「ミレニアル世代」なるものがいる。一般的に、欲のない世代といわれている。外車も買わない。高級腕時計も買わない。しかも人口自体が前の世代と比べると少ない。だから企業はモノやサービスを売るのが大変だ。ましてや現在大企業でマーケティング戦略を決定している取締役の方は、50~60代のバブル世代なので、文化や発想は随分異なると思う。

なんでミレニアル世代はモノがいらないのだろうか? その理由の一つは「日本人にとって、モノを手に入れることが、別にかっこよくなくなってしまった」からじゃないかと思っている。

60年代、70年代の日本には、まだ戦中戦後の貧しさを経験した世代がたくさんいた。貧しい状態にあるということは、豊かさを手に入れることで、人々は自身の足し算的な成長を感じることができたはずだ。その豊かさを象徴的に示すものが、家電や高級車等の「大きなモノ」だった。モノを手に入れることは、おそらく高度経済成長期の日本において「かっこいい」ことだったのだろうと思う。

そして日本のバブルは崩壊した。株価や不動産価格が地に落ちるさまを、ミレニアル世代は幼少時代に目撃している。そして日本経済はその後20年近く、誰にも制御できない不況に陥ってしまった。景気=不景気、それがミレニアルの生きた時代。

だから大人になった後も、彼らにとって高価なものを手に入れることは、馴染みのない行為になってしまった。むしろ無意味に高価なものはバブル時代の象徴で、若者が前の時代のものをすべからくそう感じるように、彼らは高級品を買ったり豪遊する行為を、時代に逆行した「ちょっとダサいこと」だと感じているんじゃないかと思う。

また、モノを買わないもう一つの理由として、日本の不景気が全然完治してないことがある。若者の給与はまったく上がってない。50代・60代の、若いうちに好景気のおかげで安定して昇給していった大人たちがまだまだ会社には大勢いて、彼らが定年退職するまで、企業は給与や退職金を積み立て続けないといけないんだもの。

年功序列の日本の会社において、若年層の給与のパイなんて、豆乳を絞った後のおからみたいなものである。だから若者は高価なものを買ったりなど、安心してできない。自分が年をとったときに年金が払われるかどうかすら、わからない時代なのに。

一方で、日本はもうモノがなくても楽しく過ごせるほど豊かになってしまった。車がなくても公共交通機関もあるし、家も賃貸できるし、ヒマな時はyou tubeでいくらでも動画を見て楽しめる。だから特に何かを買ったりする必要がない。このあたりの理由の3つ巴が、今の「モノを買わないミレニアル」に繋がっているのではないだろうか。

今の日本の若い人が求めているもの。それはモノではなく、「持続可能性の高い幸せ」であり、「新たな方向性のかっこよさ」なんじゃないかなと思う。それが何なのか、彼らにもまだ具体的にはわからない。

わかるはずがあろうか。20年も30年も先に生きていて経験のあるはずの大人にも、「何が幸せなのか」「何がかっこいいのか」分かってない人が結構いて、だから日本が方向性を見失っているのに?

多分これからの日本の幸せは、「家」や「車」みたいな形で、企業が外から販売できるものじゃない。一人一人の若者が、自身の好きな物や生き方を通して、個々に表現していくことなんだと思う。

私を含めた上の世代にできることは、若者が提案する新たな幸せを、一緒に楽しむことくらいじゃないだろうか。次世代の方向性は次世代の人間が決めないと、日本はゆっくりとしかし着実に老い、年寄りだけに都合のいい国になっていく。日本の参政権の1/3を65歳以上が占める未来は、すぐそこまで来ている。

石井、アフリカのミレニアルを語る

話をアフリカに戻そう。ではアフリカのミレニアル世代はどうだろうか? 全っ然、日本の若者と発想が違う。最新のiPhoneがほしい! でかいダイヤのついた指輪がほしい! お金欲しい! きれいな洋服を着て、高級車を乗り回して(もしくは乗り回すような男性を手に入れて)朝までパーティーしたーい! と思っている人が多数を占める。

そう、彼らは、別に現状に満足しているわけではない。「モノはないけれど心が豊かな暮らし」とは、先進国の人間が考える幻想であり、アフリカの貧困層は「可能なら先進国の人間みたいな生活がしたい」と、思っている。もっと正確にいえば、「そのために一生懸命働くのはまっぴらごめんだが、そういう生活を誰かが提供してくれたら、それに越したことはない」と、思っている(笑)。

そしてアフリカが現在日本と異なるもう一つの点は、ミレニアル世代の人口だ。アフリカの街を見ていると、10代や20代の人間が圧倒的に多いことに驚かされる。

たとえばマダガスカルに行った時、7歳の女の子にあった。彼女は13人兄弟の10番目だと言っていた。でも村には学校なんてないので、みんな字が読めない。13人全員、毎日観光客にお金をたかったり、遊んだりして暮らしている。そしてマダガスカルの田舎では、15歳になるともう村の異性と結婚する。

東京のカップルが30歳に第1子を産んでいる間に、マダガスカルのカップルは15歳で第1子を産む。そして30歳までに10人くらいの子供を産み、次の15年で、その10人が更に孫を産む。この人口爆発ぶり、実感いただけるだろうか。

マダガスカルの子どもたちと。会話が不可能なくらいお金をたかられた。「一緒に遊ぼうか?」「Do you have one dollar?」みたいな(笑)

国際社会はアフリカの途上国に食料やお金を送るより、避妊教育とコンドームを早急に提供するべきだと思うのだが(途上国における食糧不足と餓死を食い止めたいのであれば)。

それを行ったとしても途上国の人口は、先進国とは比べものにならないスピードで増えていくだろう。そして、その増えた人口のほぼ全員が、物心がついたら「先進国の人間みたいな生活がしたい」と思い、モノを求めるようになるのだ。それを可能にする経済力があるかはさておき。

アフリカはもうすぐ、「みんながモノを欲しがってる」巨大市場になる。だから大手メーカーは、アフリカにモノを売ることに、徐々に目を向けるべきだと思う。まだ、彼らは何も持っていない。そしてすでに持っている人にものを売るよりも、まったく持っていない人にものを売る方が、おそらく成功確率が高い。

石井、アフリカで売れるものを考える

ではアフリカの民草は現在何を欲しているのだろうか。順を追って考えてみよう。

1.自動車
まず、アフリカは広大である。しかし鉄道っちゅーものがまったく発達していない。地下鉄もないし長距離鉄道もない。国外移動は飛行機に頼ることになるが、アフリカの飛行機はほとんど、どの国でも1~2社しか運営していない寡占市場なので、価格は高くサービスはイマイチだ。

ヨーロッパにあるような高速鉄道を、エジプト⇔ケニア⇔南アフリカに南北に通したら、相当便利になると思う。でもアフリカの政治家は、あまりアフリカの開発に興味がない(そんなことに税金を使っていたら、自分の賄賂の取り分が減ってしまう)。だから日本がアフリカに新幹線を売ろうと交渉しても、開通には最短で30年はかかることだろう。

その30年を埋めるために、アフリカ人には今後、自家用車が絶対に必要になる。日本といえば自動車の輸出。われわれの車をアフリカに売ろう! 幸いにも日本車は「壊れにくい!」「燃費がいい!」とアフリカでも大人気である。

アフリカで売れるのは、日本の標準車から機能を最低限まで減らして、価格を落とした車。色のバリエーションなどなくていいし、部品も極力安いものを使って、新車を60~70万円で売れるといいと思う。大事なのは手に入る価格帯と、壊れず走って燃費がいいこと、その2点だけ。

余談だが、後部はトランクでなく、ホンダのフィットのように座席と繋がって若干のスペースになっているものがいいだろう。アフリカ人は、そのスペースに子供を乗せたり、ヤギを乗せたり、小型のバイクを無理やり乗せたりと、自動車メーカーの営業さんが顔をしかめるような創意工夫をして使うはずだ(笑)。

2.スマートフォン
先日NYに行った時、ハーバードMBAの卒業生の方が「ケニアに行った時、腰布を巻いたマサイ族の人がスマホをいじっていてビックリした。アフリカのITってすごいね」というお話を、苦笑交じりにしてくださった。

そう、マサイ族であろうが、人々は別にのろしでコミュニケーションしているわけではない。時代は21世紀、TECH花盛り! レソトでもみんな月200~500ドルくらいしか給与をもらっていないのに、ほぼ全員携帯電話は持っている。

その理由の一つが、アフリカのM-PESAという送金システムだ。これは相手の携帯電話の番号に、SMSを通じて直接お金を振り込めるという仕組み。銀行口座を持たない人も、これでお金のやり取りをしている。

アメリカや日本にだってそんなサービスないのにアフリカってスゴイ。多分先進国と違い、アフリカには金融庁や大手銀行等の規制のしばりがなかった分、一足飛びにTechの力だけで進化できたのであろう。

でもガラケーを使っている人も多いので、スマホは絶対にまだ売れる。アフリカを含めた現在の海外のスマホ市場は、完全にiPhoneとサムソンに二分されているので、日系メーカーがそこに割って入ることを期待したい。


3.ファッションリテール

黒人の女性が細いドレッドのような髪形をしているのを、テレビで見かけたことがあるだろうか。あれはつけ毛である。アフリカの女性はほぼ全員ショートヘアで、髪にエクステンションをつけてロングヘアにしている。ただし、このエクステは数週間しか持たない。だからアフリカの女性は1ヵ月に1回、必ず美容院に行く。そのためのお金は惜しまない。

そう、アフリカ人はオシャレが大好きだ。だからユニクロやZARA、H&M等のファストファッションは、今後アフリカでもっと拡大を続けられるはず。ローカルのアーティストとコラボしてオリジナルアイテムを作ったりすれば、アフリカの限定品として海外から来た観光客に販売することもできるだろうし、一石二鳥だ。

そうやって作った洋服を、アフリカ全土でオンラインで自由に購入・受取できる時代が、いつか来るだろう。ネットショッピングって、広いアフリカにとても合っている業態だと思う。就業時間中に、働いているフリをしてネットサーフィンをしているアフリカ女子の心を、ショッピングサイトで撃ち抜くことはおそらく容易い。そして人間関係がすごく密な社会なので、最初に少数の顧客の心をがっちりつかめれば、あとはサイトの評判は噂でどんどん広がっていくと思う。

その際にキーになってくるのは、洋服を安価で配送できるシステム。ITではデータは送れてもモノは送れないから、そのギャップを埋めるためのロジスティックスが必要になる。だからやっぱり、車の供給は大事だ。

おそらく21世紀のアフリカのリテールって、
IT(注文)⇔製造業(作る)⇔車(運ぶ)

この3つに、最終的に集約されてくるんじゃないかと思う。代わりにショッピングモール等の「箱」的な業態は、今後あまり増加しないはずだ。ゼロにはならないと思うけど。人には「外に出かけたくない」という欲もあるけれど「ぶらぶらお出かけして何かを見たい」という欲もあるので。

レソトの小学生withドレッドヘア。アフリカの人は踊ったり歌ったりするの大好き

まとめ

アフリカで売れる3つのもの、いかがだっただろうか。「車に携帯に洋服・・・普通じゃん!」と思われたそこのアナタ。そう、普通なのだ。だからいいのだ、新しいアイディアが必要ないから。先進国は今までの既存の製品やサービスを、アフリカ向けにローカライズして、経済の成長ぶりを見ながら徐々に展開するだけでいいのである。

モノを売るために、まずは企業がアフリカに工場を展開して、現地でモノを作ることにも大きな意味がある。製造費を安く抑えるためだけではない。現地の人々に工場での雇用を提供し、経済力をつけさせ、彼らの購買衝動に火をつけるためだ。

薪にいきなり火をつけても燃えづらいから、先にワラを燃やすようなもの。最初は小さな火でも、段々周囲を巻き込んで、物欲はメラメラと燃え盛っていくことだろう。

アフリカの貧困層の経済を給与によって底上げし、与えた賃金はモノを売ることにより回収する。これからはグローバル企業による「アフリカへのwin-winな搾取が始まる時代」だと思う。

だから日系企業にも、今後どんどんアフリカに来てほしい。別に「貧しいアフリカの人を助けよう」なんて意図は必要ない。ソーシャルインパクトなど考えなくても、ただアフリカの経済にビジネスを通して介入するだけで、人々は雇用を通じてだんだん豊かになっていく。

国内でモノが飽和して売れない以上、海外にモノを売り外貨で稼いでいくことは、日本経済にとっても大事な一手であるはずだ。

アフリカの経済はまだまだ始まったばかり。今後のアフリカと日本の、一方的な支援に終わらないよりよい関係性を、期待している私である。

Kick4life のフットボールアカデミーの子供たちと。9ヵ月間お世話になりました!

著者: 石井友里

わんぱく会計士

早稲田大学教育学部卒。米国公認会計士。日本の不動産投資法人等で経理を4年経験した後、単身シンガポールへ。監査法人で法定監査を4年、事業会社で財務部長を1年経験した後、唐突に仕事を辞めて、会計士ボランティアをしながら世界を一周することに。昔から勢いで行動することには定評のある、元気な日本人女性。

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