「女性税理士の集まりや交流はあるのですか?」と、ときどき聞かれることがあります。確かに、女性税理士やママ士業で集まることもあります。一方で男女関係なく、勉強会や、仕事の相談をし合うこともあります。今回は、税理士になって出会えた「士業の仲間」についてお話してみたいと思います。

少し古いデータですが、日本税理士会のデータによると、平成26年の税理士の女性比率は14.4パーセント。年々、女性税理士の割合は増加傾向にあるので、今はこれよりも多いと推測されますが、女性税理士の割合は、全体の2割弱くらいでしょうか…?年齢層別でみると、20代が0.6%、30代が10.3%、40代が17.1%、50代が17.8%と、45.8%で半分に満たず、つまりは60代、70代、80代の先生方の方が多いのです。
ですから、この業界にいて、「女性」でかつ「同世代」となると、自ずと親しくなることが多いです。

でも、育児をしてても家事があっても、お客様からしたら関係のないこと。仕事の言い訳は絶対にしたくありません。きちんと成果を上げることが必要です。なので「女性」や「ママ」というコミュニティで、狭くて閉鎖的な世界を作ろうと思っているわけではありません。ただ、同じような悩みを抱え、同じような向上心を持つ女性と過ごしていると、自然とリラックスし、気持ちが落ち着くことは事実です。

ママ士業の集まりで

私の場合、有資格者になってすぐにアメーバブログを始めていて、そこから「ママ士業」の輪が広がりました。税理士のほか、公認会計士、弁護士、社労士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士などの子育て真っ最中のママ同士、年に数回、ランチや夜のお食事会をしていました。

その後、私は税理士登録をしたものの、しばらくは勤務税理士でしたし、開業の予定も全くなく、ただ彼女たちのことが好きで楽しくて会っているだけでした。でも、開業した今、そのころの人脈があってよかったなと思うことがあります。たとえば、お客様を他士業の友人から紹介していただいたことがあります。逆に私が紹介することもありました。
そして、税法の勉強。これは相手が男性でも女性でもですが、一人で税理士としてお仕事をしていると、「この場合これでいいのかな?」「何か改正はあったんだっけ?」と不安や疑問が出てくることが多々あります。そんなとき「質問でーす!」といった、気軽なテンションでお互いに質問し合える仲間がいることは本当にありがたいです。また、自分が疑問にすら思っていなかったことを、別の仲間が質問するのを聞いて、「そういえば…どうなんだろう」と気づきをもらうこともあります。

また、開業したてのころは、「どんな会計ソフトがいいか」「個人事業でも事務所用のハンコは作った方がいいのか」「賠償保険はどんなのに入ってるか」などなど…、仲間や先輩の税理士をマネする、というわけではありませんが、いろいろな方のお話を聞くことはとても参考になりました。

同年代のママ士業同士、子どもが小さいころはそのころなりの悩みを、最近では、子どもの教育と自分の仕事との両立についてなど話し合うことが増えてきました。

私は税理士会支部のテニス部や野球部に入っているのですが、そこで知り合う年上の女性税理士のお話を聞くことも大変参考になります。今はバリバリご活躍されている先生も、「昔は細々とやっていた」「子どもが小さいころは子育てを中心にしていたけど、今はご主人より稼いでいる」など、「私も今はまだまだだけど、これからどんどん頑張ろう!」と、とても勇気をいただきます。

逆に、年下の「税理士を目指すママさん」にも、いつもパワーをもらっています。
年に一度、税理士試験後の夏ごろに「税理士を目指すママ」のオフ会をしているのですが、そこには、まだ子どもが小さい若くて素敵な女性たちがたくさん集まります。子どもが小さくても、家事育児、そして仕事もしながら勉強もしていてとってもキラキラしています。もちろん男性の受験生のことも応援しているのですが、やはりお会いすると応援する気持ちのほうがが大きくなってしまい、逆にこちらがパワーをもらうのです。また受験生同士も共感することが多いようで、LINEグループを作って情報交換しているようです。

私はこの仕事をしていて、「なんだ、女性か…」などと、「女性だから」という理由で嫌な思いをしたことはありません。周りの女性税理士の間でも聞いたことがありません。男性税理士には男性の、女性税理士には女性のよさがそれぞれあります。男性に相談しやすい社長もいれば、女性に相談したいという経理の方もいらっしゃるでしょうし、大きな税理士法人に依頼したい方もいれば、小さな事務所でも一緒に成長できるような人にお願いしたいという方もいらっしゃると思います。要は、自分のお客様に誠心誠意お仕事することで、それが報われ、感謝していただける職業だと思います。

これからもたくさんの素晴らしい方々との出会いを大切に、仕事の幅を広げていきたいと思います。