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ファルクラム仮想通貨を巡る租税法の問題点テーマにセミナー

ビットコインなどの仮想通貨に関する税務上の取り扱いについては、国税庁から対応方針や、考え方が公表されているが、税額計算の複雑性など、さまざまな課題が残る。こうしたなか、一般社団法人ファルクラム(代表理事=酒井克彦中央大学教授)は、仮想通貨が抱える税法上の課題、問題点について、税理士などの専門家向け公開セミナーを開催した。


左から酒井克彦中央大学教授、森信茂樹特任教授

2018年4月から施行された改正資金決済法により、交換業者が登録制になり、口座開設時における本人確認、本人確認記録、取引記録の作成・保存などを定めた。課税当局においては、2017年12月1日、仮想通貨で得た所得の計算方法について、ホームページで9つの質問に解答、公開。2018年の確定申告に備えた。

仮想通貨に関する制度、税制などが固まってきているものの、法制を含め、実務・運営上の問題は山積みだ。

こうしたなか、一般社団法人ファルクラムは6月25日、東京・千代田区のホテルニューオータニガーデンコートで「仮想通貨を巡る租税法上の諸問題」をテーマに公開セミナーを開催した。

第一部では、東京財団上席研究員で中央大学法科大学院の森信茂樹特任教授が、仮想通過に係る法務、税務などの問題点などについて講演。仮想通貨が公正・透明な価格形成が行われるためには、インサイダーや相場操縦などの不公正取引を防止するための法的な手当て、たとえば金融商品取引法での金融商品としての位置付けなどが必要ではないかと指摘した。また、仮想通貨の売却や使用による損益は原則、雑所得に区分され、総合課税の対象となったことに触れ、これは「支払いの手段」とされている実態を踏まえてのことであり、あくまで消費税法上「仮想通貨」を「通貨」とみなしたり、「通貨」扱いしたわけではなく、単に「支払い手段」としての実態を踏まえたものであると述べた。

この後、酒井克彦代表と森信特任教授が対談。ブロックチェーン技術の将来性については両氏とも可能性を感じている一方、仮想通過やICOについては、マネーロンダリングの関係などが問題視されているため、国としてどう向き合っていくのか、世界的な視点から対応していくことが重要という認識で一致した。

第2部では、酒井代表が講師となり、仮想通貨の税務上の取り扱いの分岐点についてゼミ形式で勉強。事例として、「破綻したゴルフ場に係るゴルフ会員権の譲渡」事案を題材に、仮想通貨の税務上の問題点となる考え方などについて議論を交わした。

著者: 宮口貴志

KaikeiZine編集長

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は租税研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャーとしても活動。
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