飲食店の開業には少なくとも1千万円ほどかかると言われているため、自己資金だけで賄える人はほとんどおらず、大半の開業予定者が創業融資を避けては通れません。創業融資を受ける際に一番心配なのが、融資面談です。そこで今回は、「融資面談においてよく質問されること」について紹介します。
融資面談でよく質問されることは!?
都内でBEER BARを開業希望のPさんは、開業資金を調達するために日本政策金融公庫から創業融資を受けようと考えています。日本政策金融公庫の担当者から融資面談がある旨を話されましたが、「何を質問されるのか?」がまったく分からず、とても不安で悩んでいました。
金融機関は、「会社又は代表者はどのような人か=お金を貸せるだけの信用に足りるか!?」を重視します。いくら事業がうまくいく可能性が高いと判断しても、事業を実際に経営する人が経営者として相応しくなかった場合には、融資はできません。金融機関は面談において創業動機、代表者の経歴、自己資金の貯め方などを審査しており、この情報を確認するために、下記のような質問をすることが多いです。
・なぜ、事業を始めようと考えましたか?
・どんな経歴をお持ちですか?
・自己資金はどのように貯めましたか?
・どんな他社との差別化(自社の強み)がありますか?
・見込んでいるお客様はどのような客層ですか?
・将来の展望はどのようにお考えですが?
・計画どおりに売上が達成できなかった場合にどうしますか?
これらの質問にしっかりと答え、面談の担当者へ開業に向けてしっかりと準備してきた「信用に足る人物である」ことをうまく伝える必要があります。
創業への想いや事業経験を事前に事業計画に落とし込むことが重要!
その後Pさんは、飲食店専門の税理士にアドバイスを受け、自身の創業への想いやこれまでの経験などを事業計画にまとめました。事前に事業計画に落し込み、面談対策をすることで面談当日は自信を持って質問へ答えることができ、満額融資の獲得に成功しました。
融資面談では、代表者がお金を貸せるだけの信用に足りるかを主に審査していますが、信用は、事実からしか生まれません。特に、金融機関が重視する事実とは、以下の5つです。
① これまで何をしてきたのか
② どういう結果を残してきのか
③ どのような強みがあるのか
④ 経営者としての自覚や能力はあるのか
⑤ 創業にむけてどれだけ準備をしてきたのか
いきなり融資面談の当日でこれらのことをうまく伝えられる人は、ほとんどいないでしょう。事前に事業計画に落し込み、伝えたいことを明確にすることが重要です。もし万が一、当日の面談にてうまく伝えることができなかったとしても、事業計画に具体的に落とし込んであれば、金融機関の担当者は事業計画を読み込んで積極的に審査をしてくれます。そのため、事業計画には創業への準備具合やこれまでの経験を具体的に記載し、自分の想いや実力を明確に伝えることが重要です。
飲食店開業の第一歩は面談準備から!融資面談を有利に進めるためにも、創業動機やこれまでの経験などを事前に事業計画にまとめることが重要です。