税務調査を受けたくないから内部統制を徹底する———。何かちょっとズレてる気もするけど、結果として会社がクリーンになればいいわけだしね。

近年、コンプライアンスという言葉がよく使われるようになった。
法令遵守。
法律を守るのは当たり前なのだが、
それが守れない輩が多いということで、国が指導に乗り出している。
国税庁では、大企業向けに税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組みに力を
入れているそうな。
税務調査などの機会を通じて
経営責任者が自ら適正申告の確保に積極的に関与し
必要な内部統制を整備するよう指導する。
経営責任者の関与や監査体制の整備などについて「確認表」に記入してもらい
その内容を見て税務に関するコーポレートガバナンスの状況を判定するそうな。
ちゃんと出来ている会社には「調査間隔の延長」というご褒美もある。
なるほど、そうきたか。
税務調査を受けたくないから内部統制を徹底する———。
何かちょっとズレてる気もするけど、
結果として会社がクリーンになればいいわけだしね。
でも国税庁のこの取組みは法律に基づいているものではなく
確認表の記入もあくまで「お願いベース」であるため、
残念なことに企業側にはあまり浸透していない。
実際に「調査間隔の延長」まで行きついたのは2014年以降で十数社だという。
コーポレートガバナンスの充実に向けた国税庁の志は高く
舞台裏では涙ぐましい努力が重ねられているのだが
親の気持ち子知らず、ならぬ
国税庁の気持ち企業知らず、な状況が続いている。
国税庁の肩を持つ訳ではないが、
多少の強制力を持たせてもバチはあたらないじゃないかなあ、と思う。