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第8章 経営者に成長してもらうために経営勉強会を開催する曲渕先生の原点

弥生会計で顧問先の自計化を推進し、正確なデータをもとに経営アドバイスを行う曲渕税理士事務所(東京・中央区)。バブル崩壊後に中小企業の再生ビジネスに関与するなか、経営者が自ら経営を学ぶ重要性に着目。事務所主催の経営勉強会の内容から、最近の取り組みまで語ってもらった。

バブル崩壊後にゼロからスタートした曲渕税理士事務所

宮口編集長
いつごろから税理士を目指されたのでしょうか。
曲渕先生
私は30歳までメーカーのエンジニアでした。その後、資格学校のTACで1年間ほど勉強し、32歳から会計事務所で働き始めました。
宮口編集長
その後、1996年に先生は独立されました。何か苦労はありましたか。
曲渕先生
独立するとき、銀行に「お金を貸してください」とお願いすると、「実績がないからだめです」と言われました。てっきり「税理士の資格があればお金を貸してもらえるだろう」と思っていたので驚きました。
宮口編集長
バブルが弾けた後は、融資の審査が厳しくなりましたからね。
曲渕先生
当時は、「相続の仕事で500万円を請求した」という景気のいい話を先輩の税理士からよく聞きました。でも私は経験したことがありません。
宮口編集長
顧問先を増やすのも苦労しましたか。
曲渕先生
はい。何せ、独立したときは顧問先が0件でした。
宮口編集長
ゼロからのスタートですか。
曲渕先生
はい。当初は、保険会社や不動産会社でセミナーの講師をさせてもらうことで少しずつネットワークを広げました。すると、参加者から相談業務を頂けるようになったんです。
宮口編集長
地道な努力をされたんですね。
曲渕先生
そうですね。そのときに不動産会社のセミナーで知り合った顧問先は、しばらくしてから上場しました。
宮口編集長
感無量ですね。ところで、最近の若い税理士はWEBを使って顧問先を増やしてますね。
曲渕先生
私はそういうことにあまり関心がありません。これまでいろいろ努力した結果、顧問先から紹介をいただいて地道に顧問先を増やす方法が一番だと思うようになりました。
宮口編集長
紹介がいい理由は?
曲渕先生
紹介なら、相手は私がどんな税理士なのか話を聞いているでしょう。そういう相手とは仕事がしやすいと感じています。
宮口編集長
現在の事務所は何人の職員がいますか。
曲渕先生
17名ほどいます。
宮口編集長
大きい事務所ですね。
曲渕先生
あまり実感がありません。
宮口編集長
聞いたところによると、半分の職員が税理士の有資格者だとか。
曲渕先生
そうです。仕事がやりやすい反面、苦労もあります(笑)
宮口編集長
どうしてですか。
曲渕先生
有資格者の何割かは、何年かすると独立してしまいますから。
宮口編集長
なるほど。困りますね。
曲渕先生
はい。でも、私の事務所から独立した多くの税理士は弥生会計を使っていますので、その点では弥生に貢献していると思います(笑)
宮口編集長
弥生への貢献度は高そうですね。ちなみに、有資格者を雇うメリットは何かありますか。
曲渕先生
彼らは一通り勉強しているので安心して仕事を任せられます。
宮口編集長
職員が17名にもなり、税理士法人にする予定はありますか。
曲渕先生
考えたことはあります。
宮口編集長
でも実現しなかった。
曲渕先生
はい。しかし、うまくタイミングが合わずに、今日に至っています。

弥生との出会いは大番頭の時代

宮口編集長
弥生会計との出会いはいつごろでしょうか。
曲渕先生
働き始めた会計事務所で使われていた会計ソフトが『大番頭』でした。
宮口編集長
大番頭は株式会社ミルキーウェイ(のちの弥生)のソフトですね。
曲渕先生
そうです。その後、弥生会計に統合されました。
宮口編集長
大番頭は使いやすかったですか。
曲渕先生
使いやすかったです。会計人向けに作られているなと感じていました。当時でもソフト1本の値段は30万円ほど。それでも独立するときは迷わず購入しました。
宮口編集長
当時、税務ソフトは何を?
曲渕先生
当初はエプソンの税務ソフトを使っていました。
宮口編集長
他の税務ソフトを検討しましたか。
曲渕先生
金額が高いので手が出ませんでした。
宮口編集長
最近は、弥生会計と達人シリーズを組み合わせて使う事務所が多いですね。
曲渕先生
今は私もそうしています。e-Taxが始まったころに達人シリーズを使いはじめました。
宮口編集長
大番頭から現在の弥生会計ソフトまで。使い続けてきた理由は何だったのでしょうか。
曲渕先生
理由は使いやすくて値段が安いこと。値段が安いので顧問先に勧められます。
宮口編集長
顧問先の負担になるので値段が高いソフトは勧められない。リーズナブルな弥生会計は勧められる。いろいろな税理士からよく聞く話です。

クラウド会計という新しい分野への姿勢

宮口編集長
先生の事務所はクラウド会計の普及に取り組んでいますか。
曲渕先生
新しいことに積極的な顧問先から「クラウド会計を使えますか?」と相談されることはあります。
宮口編集長
そういうときに紹介するのは弥生会計オンライン?
曲渕先生
そうでもありません。無理して弥生会計オンラインを推奨するのではなく、お客様の使いたいサービスを使ってもらうようにしています。
宮口編集長
弥生会計は他社のデータでも取り込めますからね。
曲渕先生
もちろん弥生会計オンラインを使ってもらった方が事務所としては仕事しやすいですよ。でも、今はいろいろなサービスを使いながらノウハウを貯めている段階です。
宮口編集長
どんどん自計化が進むと税理士事務所の仕事内容は変わりませんか。
曲渕先生
記帳代行の仕事は少なくなる傾向です。その代わり、会計ソフトからアウトプットされるデータを活用した経営アドバイスの仕事が重要になっています。
宮口編集長
すでにその様なサービスを提供していますか。
曲渕先生
はい。そこには力を入れています。

曲渕税理士事務所が実現しようとしていること

宮口編集長
経営アドバイスの仕事が重要だとおっしゃいました。それに関連して、力を入れて取り組みたいことはありますか。
曲渕先生
定期的に経営塾を開催しているので、真面目にコツコツと成長できる経営者を増やしたいですね。
宮口編集長
経営塾を始めたきっかけは何ですか。
曲渕先生
バブルが崩壊した後、企業再生の仕事が増えたんです。
宮口編集長
当時は業績を悪化させる中小企業が増えましたからね。
曲渕先生
しかし、中期計画を策定して企業を再生させようとしても、思うように業績が上がらない。
宮口編集長
企業再生は難しかった?
曲渕先生
そうです。「素晴らしい才能を持った経営者がたくさんいるのにもったいない」と思いました。そこで、やる気のある経営者には経営を勉強してもらうことが重要だと考えたんです。
宮口編集長
会社が傾く前に、経営者が自分で何とかできるように?
曲渕先生
そうです。
宮口編集長
どのくらいの頻度で勉強会を開催していますか。
曲渕先生
隔週の水曜日と土曜日に勉強会を行っています。
宮口編集長
主に教えている内容は?
曲渕先生
竹田陽一先生の『ランチェスター戦略』を教えています。中小企業がどのように戦えばいいのかに特化した内容です。
宮口編集長
中小企業の経営者にピッタリの内容ですね。
曲渕先生
勉強会に参加いただければ、経営者として確実に成長できると自負しています。
宮口編集長
成果は直ぐに表れますか。
曲渕先生
1年も2年も参加している人は、まず意識が変わります。
宮口編集長
弥生会計も活用しながら?
曲渕先生
その通りです。事務所では弥生会計と連動できる『会計参謀for弥生会計』を使ってますので、キレイなグラフが描かれた資料も作れます。お客様と将来について話をするとき、アウトプットした正確なデータがあると話が深まるので助かります。
宮口編集長
お話をきいてますと、曲渕税理士事務所は経営コンサルティング会社に変貌しようとしているのでしょうか。
曲渕先生
そこまでいかないですね。あくまでも税理士業務の一環としてコンサルティングができればと思ってます。

曲渕税理士事務所(東京・中央区)

曲渕博史 (税理士)

東証1部上場企業に就職後、1992年公認会計士事務所(法人税・資産税を担当)を経て1995年12月開業。
http://www.mag-acctg.jp/

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