3. 評価単位の識別
ITに係る全般統制は、IT基盤の概要をもとに評価単位を識別し、評価を行います。
例えば、自社開発の販売、購買、物流のシステムについては、システム部が管理し、会計システムについては、経理部が市販のパッケージ・ソフトウェアを導入・管理している場合、評価単位を「システム部」と「経理部」の2つとして識別します。
一方、ITに係る業務処理統制の評価は、基本的には個々のシステム毎に行う必要がありますので、経営者は、必要に応じてフロー図等を利用して、各システムにおける業務処理統制の識別を行います。
下図は、販売取引における売上と入金の業務プロセス及び会計データとの関連を1つの例として図式化したものです。
企業の各業務プロセスは機能ごとに細分化され、その機能に基づいてシステム化される場合が多いと考えられます。
例えば、売上プロセスは、受注や出荷等の機能に分類され、必要に応じてシステム化されます。
経営者は、財務諸表の勘定科目と取引、業務プロセス及びシステムとの関係を理解し、主要な取引等について、どの会計データがどのシステムに依存しているのかを把握する必要があります。

(「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」令和元年12月6日 企業会計審議会より)



