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FinTech(フィンテック)の衝撃  会計・税務業務の未来とイノベーション

Fintech が企業や会計事務所に与える影響

このようなキャッシュレス化の流れは、クラウド型会計ソフトがさまざまなデータと自動連携する中で、会計業務に大きなインパクトを与えていくことになる。

最も重要なのは、入力の省力化や、省略が行われることになる点である。従来の経理業務は、現金での支払いと、その後の証憑資料を元にした入力、というプロセスを前提にして構築されてきた。一方で、いずれ完全にキャッシュレス化が達成され、レシートや領収書情報なども電子的に入手ができる世界では、これらの入力プロセスは不要となる。
更に、その後に行われる、会計上の判断においても、自動化が進んでいくこととなる。一般的な事業では、反復的な仕訳取引が全体の90%以上を占めている。そのため、過去の情報を参照しながら、自動的な会計判断も行われ、大いに省力化が進んでいくこととなる。そして、社内の経理部門や、会計事務所業務は、機械的な自動判断が適切であったかを確認した後は、経営判断をサポートする立ち位置へと移っていくことが想定される。

仕訳データ数の事例

人工知能がいずれ代替する領域として、会計業務が取り上げられることもある。だが、それは、上記に見るような、入力プロセスや、反復的な処理の省力化に着目した文脈である。一方で、人工知能は「感情を読み取ること」や「不安なことのヒアリング」を不得意としている。この領域は、人によるアドバイスの価値がむしろ上がっていく領域といえる。

経営者は孤独な存在であり、そのアドバイザーは、売上が継続的に伸びていく世界観を、ともに構築していくことが今後の仕事となる。Fintechを起点にして、今後の会計業務で期待されるのは、まさにこのアドバイスの価値への注力である。短期的な目先の電子化への対応のみならず、頼られるアドバイスを提供できる専門家となっていくことこそが、Fintechの発展を前提とした、適応のあり方といえる。

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著者: 瀧俊雄

マネーフォワード取締役兼Fintech研究所長

慶應義塾大学経済学部を卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所で家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究業務に従事。スタンフォード大学経営大学院、野村ホールディングスの企画部門を経て、2012年よりマネーフォワードの設立に参画。2015年7月にFintech研究所設立と同時に現職。

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