日商簿記2級の出題傾向は?

この章では日商簿記2級の試験内容についてお伝えします。

商業簿記に加えて工業簿記の出題もあります。

商業簿記

簿記2級の商業簿記では、外部の人々との取引を記録し計算するために必要なスキルと知識が求められます。

具体的には、自社の事業活動を適切に報告するための決算書作成や、財務諸表から経営の状態を読み取る能力など、実際の会計業務に基づいた正確な処理や分析が必要です。

工業簿記

簿記2級の工業簿記では、主に製造業を運営する企業において、部門ごとや製造工程ごと(材料、燃料、人的要素など)に必要な資源の投入やコスト、利益などを計算するスキルや知識が必要です。

日商簿記1級の出題傾向は?

日商簿記1級の合格率は約10%前後で、試験の範囲は広大で難易度が高いです。

出題の傾向として、日商簿記2級の知識をさらに深掘りした内容が多く取り上げられます。同時に、未経験の問題も出題されることがあります。

商業簿記

出題の方向性として実務に関連した内容が増え、基本的な知識だけでなく応用力を求める傾向が強まっています。

特に商業簿記では、曖昧な知識だけではスコアを伸ばすことが難しい状況です。

そのため、一つの会計処理でも基礎を徹底的に理解し、詳しく深堀りして理解することが重要です。

会計学

最近の傾向として、過去問に似た問題がよく出題されています。

問題は標準的で難易度も高くありません。

そのため、主に過去問の練習を重視し、会計学の基本的な専門用語もしっかり理解しておくことが大切です。

工業簿記

日商簿記2級の出題範囲は基本的に変わっていませんが、今まで以上に内容をしっかり理解する必要があります。

特に、工業簿記の勘定記入は重要な基礎ですので、徹底的に学習しましょう。

また、工業簿記の問題は文章が長いことが多いので、問題演習を通じて、問題文全体を正確に理解するスキルを養うことも大切です。

原価計算

原価計算では、管理会計の計算問題が出題されます。

このため、基本をしっかりと理解し、問題文全体を正確に読み解く能力を活かしていきましょう。

また、未経験の問題が出ることもありますが、問題文内の資料を参照すれば解答できることが多いです。

そのため、問題文を注意深く読むことが重要です。

2021年度以降、日商簿記検定3級 統一試験の本試験問題は公開されていない

2021年度以降の簿記検定3級の本試験問題は公開されていない状況です。

また、CBT方式の場合、受験者ごとに異なる問題が出題されるため、公開されることはありません。

さらに、統一試験を含む試験に関する情報の公開や漏洩は禁止されているため、インターネットやSNSなどで試験の情報を得ることが難しい状況にあります。

2020年度以前の過去問:【定番問題】給料の支給

従業員へ当月分の給料¥800,000 の支払いにあたり、従業員負担の社会保険料¥75,000 と源泉徴収所得税¥56,000を差引いた残額を当社の普通預金口座より各従業員の指定口座へ振り込んだ。

解説

借方)(給料)800,000 貸方)(社会保険料預り金)75,000
(所得税預り金)56,000
(普通預金)669,000

問題文には以下の4つの要素が含まれていることに気をつけましょう。

  • 給料支払い
  • 社会保険料預かり
  • 源泉所得税預かり
  • 普通預金口座からの振り込み

これらを読み取って以下のように処理します。

給料支払いは費用なので、借方に記録します。

社会保険料や源泉所得税の預りは負債ですので、貸方に記録します。これは将来の支払いを表すものです。

普通預金口座からの振り込みは資産の減少ですので、貸方に記録します。

まとめ

過去問の練習は試験勉強に非常に有効ですが、2級・3級試験の改定に伴い、従来の過去問の利用は難しくなりました。

古い過去問は基本演習に役立て、新しい試験形式に慣れたい場合は新たな予想問題集を使用しましょう。

効果的な簿記学習のために、受験級に合わせて適切な過去問集や予想問題集を選んで取り組んでください。


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