「顧客単価を上げる」だけでなく、「顧客の未来に貢献したい」—— そんな志を持つ公認会計士・税理士がいま注目すべきなのが、"社外CFO"という選択肢です。話題の書『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』の著者が語る、顧客から求められる新たなキャリアの可能性とは。

この記事の目次

長友大典氏の書籍の書影

社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法
長友大典 著
総合出版すばる舎
発売日:2025/11/27
https://amzn.asia/d/08Hbu3Fr

「会計士・税理士の方と話していると、『独立したくても営業が不安で……』『単価が上がらず、迷っている』『もっとクライアントの“未来”に踏み込みたい』という声を、本当にたくさん耳にします」(長友大典氏)

これはKaikeiZineの読者なら、誰もが一度は感じた壁ではないでしょうか。そんななかで、いま注目を集めているのが“社外CFO”という働き方です。

今回は、話題書『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』の著者であり、CFO養成アカデミーを主宰する長友大典氏にお話を伺いました。

書籍が話題になった理由 ── タイトルへの本音と、執筆のきっかけ

長友大典氏の画像①

中小専属CFO養成アカデミー主宰の長友大典氏

Q. まず、この本を書こうと思われたきっかけを伺ってもよろしいですか?

A. 社外CFOを広める活動を始めて、4年半ほどになります。CFOという言葉自体は少しずつ広がってきているものの、「中小企業にCFOが必要だ」という考え方は、まだまだ知られていないと感じています。実は中小企業からいただく相談で多いのは“再生”です。決算書を何期分か見せていただくと、「3年、いや2年前のタイミングで相談に来ていただけていれば、いくらでもできたのに……!」と思うケースが本当に多いんですよ。

Q. それは悔しいというか、もどかしいですね。

A. そうなんです。けれど社長さんからは「そもそも中小企業にCFOなんていると思わなかった」と、かなりの確率で言われるんです。ならば、まずは“中小企業にもCFOが入っていいんだ”という認知を広げなければいけない。そう思ったのが、出版の最初のきっかけでした。どうすれば広く届くかと考えたとき、やはり本が一番だろうと。

Q. なるほど。そしてタイトルは相当インパクトがありますよね(笑)。初めて拝見したとき、「引きはあるけど、会計人はどう受け取るかな?」と思いました。

A. ははは(笑)。わかります。実はあのタイトル、私がつけたものではないんです。出版社さんが考えてくれたものでして……。もっと落ち着いたタイトルがいいのではという気持ちもよぎりましたが、思い切って。

Q. インパクトはあるものの、本の内容はとても堅実で実務的で、むしろ独立を考える会計人にはすごく刺さる内容でした。

A. そう言っていただけるとうれしいです。タイトルはキャッチーですが、書いた内容は“最初に知ってほしいこと”に特化しています。例えば、高単価で受注するための考え方とか、支援するうえでの視点とか。社外CFOとして動き出すためには、まずここを押さえてほしい、という部分をしっかり入れました。

そもそも「社外CFO」とは何か ── “社長の横に立つ”新しい役割

Q. では改めて、社外CFOとはどういう役割なのでしょうか?CFOという言葉は一般化しつつありますが、“社外”となるとイメージしにくい方もいると思います。

A. 私はいつも「社長のパートナーです」と説明することが多いです。CFOと聞くと“役職”のイメージがあると思いますが、社外CFOはポジションというより“役割”なんですね。社内にいると、どうしても上下関係ができてしまいます。経理部長でも財務責任者でも、社長から見ると部下になります。そうなると、互いに本音が出にくい場面がどうしても出てくる。

Q. 中小企業は特に、社長と社員の距離が近いだけに、逆に言いづらくなることってありそうです。

A. そうなんです。けれど社外CFOは“横に立つ”んです。上でも下でもなく、社長と対等に、横に並んで伴走する存在。社外CFOのもっとも大きな特徴です。さらにもう1つ重要なのが“客観性”。社内にいると、その会社独自の価値観や解釈にどっぷり浸かってしまうんです。私はこれを「解釈まみれになる」とよく表現しています(笑)。

Q. 社内の常識が絶対になってしまう、という状態ですね。

A. けれど社外にいると、その会社に染まらない。社長が気づけない部分を指摘できるんですね。よくアカデミーで話すのですが ── 社長って、迷路に入り込んだ状態になるんですよ。自分が正しいと思って進んだ道が、実は行き止まりだった、というような。社外CFOは、その迷路を上から俯瞰して見る役割を担えるんです。「こっちの道ですよ」と示すことができる。

Q. 迷路!イメージしやすいです。

A. そしてもう1つ重要なのは、社長の“本音”が引き出せるということです。社内の人には言えないことって、たくさんあるんですよ。経営の数字に対する不安、人に言えない悩み……それらを横に立つパートナーとして受け止め、一緒に未来を描くのが社外CFOです。社外だからこその距離感。社長の“心の声”が聞こえてくる距離にいられるのが、一番の価値かもしれません。

社外CFOを求める企業が増えている理由 ── 5年前とは別世界

Q. 先ほど「社外CFOを求める企業がすごく増えている」とおっしゃっていましたね。

A. 本当に増えました。ここ4年半で、まったく違う世界になったという感覚があります。以前は「CFOなんて上場企業の話でしょ」という認識の社長さんが多かったのですが、いまは中小企業の社長さんが、積極的に“財務を見てくれる人”を探すようになってきています。

Q. そんなに大きな変化が!

A. 例えば、先週もホームページ経由で依頼が来て、社長さんと面談したところ「ぜひお願いしたい」とその場でおっしゃっていただいたんです。ただ、私自身もリソースがパンパンで受けられなかったので、CFOアカデミーの受講生におつなぎしました。財務を見てくれる人、社外CFOを探している中小企業の社長さんは本当に多い。年前と比べると、体感として3倍〜5倍くらいに増えています。

Q. 企業の“成長ステージ”でいうと、どういうタイミングの会社が多いのでしょうか?成長期に差し掛かる企業が多いのかなと思いましたが……。

A. もちろん成長期の企業も多いですが、成長期手前の企業・停滞期の企業からの相談もたくさんいただきます。

Q. 停滞期にも、ですか?

A. はい。むしろ停滞期のほうが、「次の一手をどうしたらいいのかわからない」というケースが多くて、資金調達・投資・事業戦略までを一緒に考えられる存在が求められるんです。私は企業が成長するための核心は、“投資ができるかどうか”だと思っています。アクセルを踏むには資金が必要で、その資金を適切なタイミングで確保するための仕組みが必須。そこで社外CFOが役割を果たします。

Q. 資金調達となると、金融機関との関係構築は社外CFOの大きな役割となりそうです。

A. ものすごく大きいです。多くの中小企業は、困ったときだけ銀行に行くんですよ。けれどそれでは遅い。普段から関係を築いておくことが何より重要なんです。先週、クライアント企業の決算報告で1日に5行ほど回ったのですが、こちらから融資をお願いしたわけではないのに、どの銀行からも「ぜひ借りてほしい」と言われたんです。

Q. それはすごい!

A. その日だけでも、1.5億〜2億円ほどの調達が可能な状態でした。社長さんにも「長友さん、これはもう手放せない」と言われまして(笑)。社長にとって、お金が尽きるかもしれないというストレスが消えるというのは、計り知れない価値なんですよ。その安心をつくれる人材が、いまは圧倒的に不足している。だから社外CFOが強く求められる時代になってきているのだと思います。