会計士・税理士にこそ向いている理由 ── “先生を捨てること”が最大の壁

Q. KaikeiZineの読者には会計士・税理士の方が大勢います。社外CFOとこの国家資格の相性はどうですか?
A. 抜群に良いと思います。独立を考える会計人の多くが不安に思うのは、
- 営業ができるか
- 報酬単価が上がるか
ですよね。社外CFOとしてのスキルを持てば、その不安は一気に解消します。例えば顧問料が月3万円だった人が、新規の見込み客に対して、社外CFOもできるけど、税務だけなら7万円でと提案してみたら、逆に「そんなに安くていいんですか?」と言われて契約になった、という例もあります。
Q. 単価が倍以上ですね!
A. 将来的に財務を見てもらいたいと思っている社長にとって、未来のお金の流れまで一緒に考えてくれる税理士さんは、“ありがたい存在”です。すでに顧問先がいる方なら、紹介からCFO案件につなげることもできます。アカデミーでは“紹介セールス”という技術を教えていますが、既存顧客がいるだけでスタートラインが変わります。
Q. 逆に、会計士・税理士だからこそ気をつけるべき点はありますか?
A. あります。とても重要なポイントなんですが ── “先生”という立場を捨てられるかどうかですね。
Q. 先生を捨てる、ですか?
A. 税理士や会計士は、社長さんから“先生”と呼ばれる文化がありますよね。けれど“先生”でいる限り、“横に立つパートナー”にはなれないんです。社外CFOは、上に立つわけでもなく、下にもつかず、横に立つ存在です。社長にとって対等なパートナーでないと、本音を話してもらえません。
Q. まさに“先生を捨てる”、ですね。
A. それさえ乗り越えれば、会計士・税理士の方は本当に社外CFOに向いています。数字も読めるし、中小企業を支えたいという気持ちを持っている方が多い。社外CFOは会計人にとって最高のキャリアの1つになり得ると思っています。
CFOアカデミーの全貌 ── 3ヶ月で“動ける”力がつく理由
Q. 長友さんが主宰されている「CFOアカデミー」についても伺いたいです。どんな内容なのか、改めて教えていただけますか?
A. CFOアカデミーは3ヶ月で“高単価で受注し、高付加価値の支援ができるようになる”ための講座です。内容としては、
- 紹介から仕事を生む方法
- 高単価で受注するための考え方
- 受注後にどうサポートすべきか
- 初月・2ヶ月目・3ヶ月目にやるべき具体的なステップ
- 投資の判断基準
- 銀行との関係構築の仕方
など、社外CFOの入口から出口までを体系的に学べるようにしています。
Q. インプットだけで終わらないのですね。
A. そのとおりです。アカデミーの特徴はアウトプット中心であること。ただ座学を受けるだけでは身につかないので、毎回、実際にやってみる課題や行動の仕掛けを作っています。この本のPRを担当してくれているTさんがちょうどアカデミーに参加しているのですが、「みんながアウトプットせざるを得ない仕組みがすごい」と言っていただきました。
Q. 受講生の方は、どんなバックグラウンドを持っているのでしょう?会計士・税理士の方は多いですか?
A. 多いですよ。いまは受講生の6〜7割が税理士・会計士です。初期の頃は1〜2割だったのですが、直近の期(6〜9期)では一気に増えていますね。年齢も幅広く、20代後半から60代後半までいらっしゃいます。ボリュームゾーンは40〜50代です。
Q. 会計事務所に所属しながら参加して、その後独立される方も多そうですね。
A. アカデミーが始まる頃は事務所に所属していたのに、修了する頃には「独立しました!」という報告をくださる方、いますよ。最初の一歩を踏み出す後押しになれているのはうれしいですね。
Q. 卒業後、どのような活躍をされる方が多いんでしょう?
A. エピソードは山ほどあります。代表的なものを挙げると、
- 高単価の社外CFO案件を複数受注した
- M&Aのサポートが成功
- 資金調達のサポートで大きな成果を出した
- IPO準備の支援
など、幅広く活躍されています。
Q. 学んで終わり、ではないことがよくわかります。
A. もう1つ大きな特徴が卒業後のコミュニティの存在です。アカデミー修了後、希望者が参加するコミュニティがあるんですが、いまは約200名のメンバーが全国にいます。北は北海道から、南は沖縄まで。そのなかには税理士・会計士だけでなく、
- VC
- 弁護士
- 行政書士
など、さまざまな専門家がいます。
Q. コミュニティのネットワークがあると、解決できる課題の幅が一気に広がりますね。
A. 私の活動の根本にあるのは、日本一のCFOコミュニティを作りたいという思いです。全国に仲間がいれば、
- 金融機関の情報
- 業界ごとの課題
- 他のCFOの成功事例
と、あらゆる情報が飛び交う。それによって、どんな中小企業の課題にも対応できる存在になれると信じています。最終的には……日本のGDPを1%上げたい。そんな大きな夢を持って活動しています。
長友氏のキャリアストーリー ── 売れない営業マンから社外CFOへ
Q. ここからは、長友さんご自身のキャリアについて伺いたいです。どういった道のりで、現在の社外CFOという働き方に至ったのでしょうか?
A. 私は大学卒業後、九州松下電器(現在のパナソニック)に入社して、東京で半導体事業部の営業をしていました。最初は本当に売れなくて、全然結果が出なかったんです。
Q. えっ、いまの姿からは想像できません……。
A. いやいや。けれどある時に“売れる型”のようなものがつかめて、そこから一気に成果が出るようになりました。半年で月商1億円、退職する頃には月商3億円、年間にすると40億円近い売上の担当になっていました。営業部門のトップセールスという形ですね。
Q. そこから独立へ進まれたきっかけは?
A. 実は独立は35歳くらいでする予定だったのですが、26〜27歳で急に独立することになりました。理由は、父です。ゲームセンター事業の会社でナンバー2のポジションだった父が、勤め先のあれこれの事情で辞めることを決意し、一緒に会社をやらないかと誘われ、そのまま会社を興したのがスタートなんです。
Q. なんと……予想外の独立だったんですね。
A. 本当はコンサル的なことをやりたかったんですが、最初の事業はゲームセンターでした。「3年やればもうかるから!」なんて言われて(笑)。けれど実際はかなり厳しい激動期でした。ゲームのオンライン化の波がやってきて、苦しい時期が続きましたね。
Q. そこから財務コンサルに転じるきっかけは?
A. 転機は、M&A仲介を始めようとしたときです。かつて自社を担当してくれていた銀行員の方々にあいさつ回りをしていたら、支店長から「長友くん、財務得意だったよね?ちょっとこの会社見てみない?」と声をかけていただいて。それが財務コンサルのスタートでした。徐々に依頼が増え、気づけば“社外CFO”という形での依頼が来るようになっていきました。
Q. 人との縁が開いたキャリアですね。
A. その通りですね。やっていくなかで気づいたのが、自分一人では支援できる企業数に限界があるということです。頑張っても5〜10社くらいが限界。それではインパクトが小さい。仲間を増やしていこうと考え、いまのCFOアカデミーやコミュニティにつながっていきました。
読者へのメッセージ ── “貢献したい”という気持ちが原動力になる
Q. 最後に、KaikeiZineの読者へぜひメッセージをお願いします。
A. まずお伝えしたいのは、社外CFOに向いているのは、人に貢献したいという思いが強い人です。社長の横に立ち、一緒に未来をつくっていく。決して楽な仕事ではないですが、本当にやりがいがあります。いっぽうで、いわゆる上から目線で教えてあげようというスタンスでは難しい。社外CFOは先生ではなく、横に立つパートナー。だからこそ、貢献意欲がある方には本当に向いている職業です。
私はいま、現役CFO1000人規模のコミュニティをつくることと、日本のGDPを1%押し上げることを目標に活動しています。
社外CFOという役割や働き方が、読者のみなさんにとって新しいキャリアの一歩になり、仲間が増えてくれるとうれしいです。
著者紹介

長友大典
●プロフィール
- 中小専属CFO養成アカデミー主催
- 社外CFO・財務コンサルタント
- 実業家(アミューズメント施設運営)
- 有限会社トークファイブ 代表取締役
低単価報酬に悩む士業(税理士など)、資格を持たない会計事務所補助・企業経理・コンサルを対象に、月額50万円以上のCFO代行として自立できる「中小専属CFO養成アカデミー」主催。
西南学院大学法学部卒業後、九州松下電器株式会社に入社。半導体事業部にてセールスに従事。最初の半年間は営業成果が出ず苦労するも、5年後には売上を1.2億円から40億円へと成長させ、外販部門でトップセールスマンとなる。
その後、27歳で父と共にアミューズメント会社を設立。業界不況の影響を受け、業績・資金繰り共に厳しい状況が続く。金融機関と粘り強く交渉を重ねるなかで、事前準備や銀行戦略の重要性に気づく。以降は資金調達も順調に進み、加えて投資判断のフレームワークを確立したことで、年間5000万円以上の経常収支を毎期安定確保できるようになる。
これらの経験と知識を活かし、CFO代行として活動を開始。サポート企業の実績としては、「倒産寸前の会社を年商10億円超え、現預金7億円超えまで成長させる」「年商2000万円のベンチャー企業を1年で2.3億円、3年で7億円超えのサポートに成功」など。累計資金調達額は60億円を超える。中長期的に財務面をサポートし、収益が10倍以上になった会社多数。
自身の経験を2時間で伝える「CFOスタートアップセミナー」には4年半で延べ2363名を集客。平均80万円を超える高額講座である「中小専属CFO養成アカデミー」では、371名の卒業生を輩出。税理士、公認会計士、企業経理、財務コンサルタント向けに高単価・高付加価値をつけるためのメソッドを指導。1年で1億円の売上を達成する方や、4ヶ月で月額50万円のCFO案件を14件受注する方など多数の実績者を輩出する。
●法人のご紹介
有限会社トークファイブ
https://talkfive.co.jp/
〒812-0892 福岡市博多区東那珂1丁14番46号




