■藤の花の家紋の家からの寄附は活動資金になるか

鬼殺隊の活動には資金が必要です。柱や隊士にも生活があります。上弦の参の鬼と激闘して亡くなった煉獄杏寿郎さんは、お父さんがアルコール依存症ゆえ実家に送金していたと見られます。団子を100本食べる甘露寺蜜璃さんは十分な食費の手当がなければ恋柱の任務を果たせません。隊服や日輪刀にもお金がかかります。

ここで最初に資金源として浮かぶのが藤の花の家紋の家の人たちです。鬼狩りで負傷した炭治郎たちに無償で休む場所や医療、食事を与えています。もしかしたら鬼殺隊に寄附しているかもしれません。また、鬼殺隊の一会員として会費を納めている可能性もあります。しかもこういった寄附収入や会費収入は法人税が非課税です。

しかし、非営利団体への寄附や会費は知名度や影響力がないと収入額が大きくなりません。ましてや鬼殺隊は政府非公認の組織です。藤の花の家紋の家の会員たちから収入を安定的に得るのは難しいでしょう。

■お館様の商才が鬼殺隊を支えた

そこで考えられるのがお館様による収益事業です。資金源捻出は鬼殺隊の最高管理者であるお館様(産屋敷耀哉さん)が行っていたと見られます。今のお館様を含め歴代の産屋敷家当主には超常的な直感があったからです。「その直感が先見の明となり、財を成せた」と原作に書かれています。

しかしお館様は病弱ゆえ、精力的に働くことはできません。不動産貸付業や金銭貸付業など、あまり労力を要しない事業を営み、安定収入を得ていたはずです。先見の明で時流の流れを読み、積極的に投資していたと見られます。

ただ、これらはすべて収益事業なので利益には法人税がかかります。所得800万円以下の部分に15%、800万円超の部分の分に23.2%の税率で税額を計算します。法人住民税や法人事業税といった地方税も含めると実効税率は約34%です。利益の3割超を税金で払っても鬼殺隊を支えるだけの利益を確保したお館様は、かなり優秀な経営者だったに違いありません。