駐在期間にアメリカの年金に加入したケース
ここからは、具体的にアメリカに駐在し、現地の年金制度(OASDI)に加入した場合の詳細を見ていきましょう。
アメリカの年金制度(OASDI)
アメリカの公的年金は「OASDI」と呼ばれ、労働者が支払う「社会保障税」によって運営されています。
・税率:12.4%(従業員と雇用主で6.2%ずつ折半)
・加入条件:従業員、または年換算の純利益が400ドル以上の自営業者であること
日本の厚生年金と同様に、給与から自動的に天引きされます。失業期間中に支払いを継続する義務がない点は、日本の国民年金と異なる大きな特長です。
アメリカの年金が受け取れる条件
長期駐在や現地採用でアメリカの制度に加入した場合、以下の要件を満たせば将来「退職年金」を受け取れます。
1. 米国での加入期間が1年半(6クレジット)以上あること
2. 日本とアメリカの加入期間が合算して10年(40クレジット)以上あること
3. 原則67歳以上であること(1960年以降生まれの場合)
【2026年最新のクレジットの数値について】
アメリカの受給資格を左右する「クレジット」は、収入額に応じて決まります。
2026年現在、1クレジットを取得するために必要な収入は1,890ドルです。
駐在の開始・終了時期によっては、あと数百ドルの収入があるだけで1クレジット(日本の3ヶ月分相当)を積み増せる可能性があるため、帰国直前の給与額やタイミングを意識することは、将来の受給権を守る具体的なメリットにつながります。
年金額はいくらもらえる?
「いくらもらえるか」は、現役時代の平均収入や拠出期間によって複雑に計算されます。
かつては簡易的な計算式が使われることもありましたが、為替や物価スライド(COLA)の影響を強く受けるため、現在は公式のシミュレーターを活用するのが最も正確で有益です。
【具体的なやり方】
米国社会保障局(SSA)の公式サイトにある「my Social Security」でアカウントを作成してください。
その後オンラインで、ドル建てで「今現在の自分の実績に基づいた将来の予想受給額」を確認できます。
駐在中の収入を反映したリアルな数字を知ることで、老後の資金計画の精度を高めることが可能です。
※配偶者についても受給者の50%相当額を受け取れる規定があり、世帯単位での受給戦略が立てられます。
年金受給のために必要な手続き
アメリカの年金を受け取るには、日本の年金事務所を通じて手続きを行う必要があります。
・必要書類:
専用申請書(米国年金申請に係る書類・様式SSA-1、SSA-21など)、戸籍謄本、戸籍抄本またはパスポート(有効期限内)のコピー、基礎年金番号通知書(年金手帳含む)または年金証書の写し、ソーシャルセキュリティカード(SSC)など被保険者および配偶者の合衆国社会保障番号を確認することができるもののコピー
※共済組合員などの期間がある場合は、加入者番号を確認することができるもの(組合員証)の写しも必要
・その後の手続き(米国で働いた期間が10年以上の方):
米国大使館領事部の連邦年金課へ直接ご連絡ください
・その後の手続き(米国で働いた期間が10年以下かつ日米年金協定で、米国年金の資格があると思われる方):
最寄りの年金事務所などで「合衆国年金の請求申出書」と「米国年金申請に必要な書類(署名済みの様式SSA-1、SSA-21等)」を提出します
【注意】
SSA申請書類の記入方法についてのお問い合わせはお控えください。
社会保障番号を含め、不明な箇所は空欄のまま、または「?」を記入し、ご提出ください。
記入方法以外の米国年金に関するお問い合わせは、直接米国大使館領事部の連邦年金課へお問い合わせください。
ソーシャルセキュリティカード(SSC)にあるソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN、社会保障番号)は受給に必須です。
駐在終了後もSSNのカードや番号の控えは必ず大切に保管しておいてください。
もし紛失した場合は、米国大使館での再発行手続きが必要になり、受給開始までに多大な時間を要するリスクがあります。
まとめ:2026年に駐在員がすべきこと
アメリカ駐在中の年金は、仕組みを正しく理解していれば「掛け捨て」にならず、将来の貴重な収入源になります。
・1クレジットの基準(1,890ドル)を意識し、受給権を確実に確保する
・受給開始年齢(67歳)を前提とした老後設計を行う
・日本の保険料上昇(17,920円)に対し、前納割引などで賢く備える
日米両国の制度は常にアップデートされています。
2026年現在の最新ルールを味方につけて、将来もらえる年金額を最大化しましょう。
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