専業主婦が年金額を増やす方法

専業主婦でも年金額を増やす方法として5つの方法があります。

・任意加入により保険料を支払う

・付加年金を負担する

・繰り下げて年金を受け取る

・ iDeCoを利用する

・個人年金保険に加入する

本章では各制度について解説しています。

任意加入により保険料を支払う

国民年金保険料の任意加入制度とは、保険料の納付期間が40年間を満たない場合に60歳をすぎても国民年金に加入できる制度です。

任意加入制度によってその年に納付した国民年金保険料は、社会保険料控除として所得控除から差し引くことができます。

ただし、任意加入制度を利用できる人は下記に該当する人です。

・日本居住者(住所がある)であり、60歳以上65歳未満の人

・老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方人

・国民年金保険料の付月数が480月(40年)に満たない人

・厚生年金保険または共済組合等に加入していない人

上記に該当する人は任意加入制度を利用することによって、将来受け取る老齢基礎年金を上げることができます。

付加年金を負担する

付加年金とは、毎月納付する国民年金保険料にプラスして毎月400円を支払った場合に将来受け取る年金額を増やす制度です。

増える年金額は以下の計算式により算出できます。

付加年金の計算式
200円 × 付加保険料の納付月数=付加年金額

仮に、付加年金制度を40年加入していた場合は「400円×12カ月×40年=19.2万円」の負担が増えるのに対して、毎年「200円×12カ月×40年=9.6万円」の受給額が増えます。

つまり、2年以上老齢年金を受給できた人は付加年金の恩恵が受けられます。

加えて、付加年金保険料も社会保険料控除の対象として所得控除できるため、節税効果が期待できます。

また、付加年金制度を利用できるのは、国民年金の第1号保険者のみであるため、夫の扶養に入っている専業主婦や国民年金の第3号被保険者で国民年金基金に加入している人は、付加年金制度を利用できない点も覚えておきましょう。

繰り下げて年金を受け取る

原則、老齢年金を受給できるのは65歳からですが、繰り下げ受給を申請した場合は受給開始年齢を1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ増え、生涯にわたって適用されます。

ただし、繰り下げられるのは75歳までです。

 iDeCoを利用する

iDeCoとは「個人型確定拠出年金」といい、自分の年金を自分で積み立てる制度です。

iDeCoに加入する大きなメリットは、掛金が全て所得控除になる点や運用益に対して税金がかからない点です。

iDeCoの掛金上限は、毎月6.8万円であり、年間にすると81.6万円です。

言い換えれば、年間81.6万円の所得控除が受けられます。

さらに、受け取り時に、「年金」または「一時金」の好きな方を選択できるため、老後のライフスタイルに合わせた受け取り方ができるのです。

iDeCoのデメリットは、60歳まで引き出せない点や運用結果によって必ずしも積み立てた満額が戻るという商品ではないことなどがあります。

また、自身が国民年金の第3号被保険者で配偶者(夫)が厚生年金に加入している場合は、毎月23,000円までの制限があることも覚えておきましょう。

個人年金保険に加入する

個人年金保険は、生命保険会社などが提供する将来の年金額を計画的に準備できる保険です。

公的年金や企業年金だけの収入では不安な人や将来受け取る年金額を増やしたい人が加入する保険です。

60歳で退職して、老齢年金が受け取れる65歳までの繋ぎとして活用する人も多い金融商品でもあります。

個人年金保険にはさまざまな種類があります。

保険料の運用方法によって種類を分類することができるほか、受取期間や保証期間もあります。

個人年金保険料に興味のある人は、現在加入している生命保険の担当者や多種多様な保険を扱っている保険代理店などに相談してみてください。

まとめ

専業主婦の年金制度についての理解は深められたでしょうか。

現在専業主婦であっても、前職の状況や配偶者の状況によって、将来受け取る年金額が大きく異なります。

老後資金の不安を解消したい人は、なるべく早く自分が将来受け取る年金について調べてみてください。

将来、自分が受け取る年金額を知りたい人は、厚生労働省の年金シミュレーションがおすすめです。


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