広がる視野、変わる役割
これまでの会計ソフトは、会計処理の効率化を目的に進化してきました。
freee会計は、そこに「経理と会計を一体で処理をする」という新しい観点を持ち込みました。
どちらが優れているかではなく、これは観点の違いです。
しかし、この観点の違いが業務プロセス全体に影響を与えます。
正しい会計処理をするためには、経理処理の内容やビジネス全体の動きについても理解する必要が当然あります。
ただし、それは会計側だけが理解しておけばよかったのであり、経理を含めたビジネス側の処理の仕方には影響はありませんでした。
一方で、freee会計の仕組みをきちんと活用しようと思うと、経理処理の段階はもちろん、場合によってはビジネス側の処理から見直す必要が生じます。
freee会計は、「会計知識がなくても使える素人向けの会計ソフト」だと誤解されることもありますが、その実態は全く逆で「きちんとした会計知識を持った人が設定、処理をしないといけない会計ソフト」です。
仕訳上で柔軟な対応ができず、取引の構造が発生・決済を明確に区分しているからこそ、経理処理やさらに前の段階(例えば請求書の発行など)から、会計知識を持った人が会計処理を見すえて業務プロセスや入力内容、処理方法などをきちんと設計して、運用しなければいけません。
これまでの会計ソフトと同じような感覚で導入すると、ほぼ使いこなせないのがfreee会計です。
ただし、freee側が想定する経理・会計の一体化を踏まえて業務プロセスを再構築すれば、処理工数は大幅に減らせることはもちろん、社内の業務フローもスムーズになり、経営上で必要なさまざまな数字の集計や分析も容易になります。
つまり、経理職の役割が拡張され、「正しい会計処理」だけでなく「適切な業務プロセスの構築・運営」まで担うことができるのです。
こうした変化は、会計人のキャリアの広がりや、組織全体の付加価値向上にもつながります。
これをチャンスととらえるかどうかは人によって異なるとは思いますが、私はこの機会に、会計人の皆さんにはこの変化に前向きに向き合い、新たなスキルを身につけてほしいと考えています。
今回は、freee会計をベースにしたお話しでしたが、AIの進化によっても同様の構造変化が生まれる可能性があります。
たとえfreee会計を導入しなかったとしても、今後会計業務そのものが大きな変化を迫られることは間違いないでしょう。
変化には10年単位の時間がかかるので、いますぐに仕事が大きく変わらないかもしれませんが、労働人口の減少もあり、変化から逃げることはできません。
次回は、AIの進化やそれによって変化する会計業務、そのなかで業務設計がなぜ重要なのかをお伝えしていきます。
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