IPO投資で重要なのが、IPOスケジュールを把握することです。それがどうして利益につながるのか、またIPOスケジュール活用の基本から実践までを解説します。

IPO投資とは、IPOスケジュールを把握してIPO株(新規公開株式)を購入し、上場後の値動きに合わせて株式を売却することで、差額分の利益を得ようとする投資です。

IPO株は人気な銘柄が多く、上場後に株価が上昇する可能性が高いため、リスクが少なく投資初心者にもおすすめできる投資です。

リスクを減らしリターンを大きくするための基礎知識や、IPOスケジュールについてわかりやすく解説します。

IPO投資について知り、利益を上げられるようになりましょう。

IPOスケジュールの基本

投資を行う上で重要なことは、情報収集です。

IPO投資においては、まずはIPOスケジュールの情報を集めることが最重要です。

IPOの各スケジュールで得られる情報について、基本から説明していきます。

 

上場日

投資家に株が割り当てられ、株式の売買を行うことができるようになる日です。

 

ブックビルディング期間

IPO株の申込期間のことです。

ブックビルディングとは、新規上場企業が予め設定した仮の価格範囲において、各投資家の申込価格をもとに株式の公開価格を決定するという方式です。

申込みの期間は証券会社によって異なりますが、おおよそ1週間程度のことが多いです。

この短い期間内に申込みを行わなければ、基本的にIPO株を購入することはできません。

つまりブックビルディングは、IPO投資に参加するための絶対条件というわけです。

注意点として、ブックビルディングの期間はごく稀に変更されることがあるので、こまめに確認をする必要があります。

 

公開価格

公開価格とは、IPOの新規上場の際に投資家に販売される価格のことです。

先ほど書いたように、ブックビルディングにより投資家の需要状況を把握し、それに合わせて価格が決められます。

上場後に初値が公開価格を上回ると、IPO投資で利益が出たということになります。

初値が公開価格を超えることは多くあるため、IPO投資は利益が出やすいと言われています。

 

幹事証券会社

幹事証券会社とは、有価証券の募集や売出しをする際に、シンジケート団(複数の証券会社や関係業者で結成され、IPO株式を引き受ける団体のこと)を代表して、発行体と発行条件や引受契約内容を協議する証券会社のことです。

証券会社は、企業が発行する株式を第三者に販売するために卸売の役割を果たしています。

万が一株式が売れ残った場合は、自前で取得するというリスクも負います。

会社側は株式が売れ残るリスクを負わずに公募を行うことができる代わりに、証券会社には引受の手数料を支払うことになります。

引受は通常複数の証券会社が共同になって行い、その中でも主幹事証券会社は最も大きな割合の株式を取得し、主導的役割を果たします。

インターネットでIPOのスケジュール情報を把握する価値

IPO株は人気があるため、応募しても必ず購入できるというわけではありません。

そのため、IPOスケジュールを把握して、効率よく多くのIPO株に応募することが重要です。

またIPOスケジュールには、初値予想ができる参考指標もあるため、IPO株選びにも役立ちます。

IPOスケジュールはインターネットで簡単に調べることができるので、IPO投資で利益を得られるよう、確認しておきましょう。

 

市場注目度を知ることができる

市場注目度が高いほど、公開価格で購入した株式を初値で売却したときに、利益が出る可能性が高くなります。

市場注目度の主な評価基準は、公開規模、業種、公開市場です。

公開規模が小さいほど、人気が大きくなります。

需要よりも供給が少ないと、買いたい人は高い株価で注文を出さざるを得なくなりますので、株価が上がりやすくなります。

当然ですが、業種に関しては、そのタイミングで人気のある業種の株価が上がりやすい傾向にあります。

現在であれば、たとえばAI関連などが人気の業種です。

公開市場は「グロース市場」を狙います。

IPOは将来性の高い事業の人気が高くなるため、成長企業であるベンチャー企業やスタートアップ企業が集まっている「グロース市場」は人気が高くなります。

それらの公開規模、業種、公開市場はIPOスケジュールで見ることができるため、積極的に活用して利益を出せるようになりましょう。

 

最新データを見ることができる

IPOスケジュールは常に更新されていきます。

IPOに関わらず、投資は常に新しい情報を得ることで、利益につなげられます。

インターネットで検索するだけでIPOスケジュールについての情報を確認することができるので、こまめに情報を得るようにしましょう。

 

一覧表示と詳細表示で確認ができる

IPOスケジュールは一覧表示と詳細表示で見ることができます。

一覧表示では、1ページの中でより多くの企業を見ることが可能です。

得られる情報は、公開株数、公開価格が開示される日程、ブックビルディング期間などになります。

詳細表示では、1ページの中で1つの企業についての詳しい情報を見ることができます。

得られる情報としては、一覧表示での情報に加えて、財務情報や主要株主、会社データなどになります。

IPOスケジュールや初値予想を公開しているサイトの特徴アレコレ

IPOのスケジュールを公開している5つのサイトと、それぞれの特徴を紹介します。

 

  1. やさしいIPO株のはじめ方

https://www.ipokiso.com/company/schedule.html

IPO企業ごとに申込期間、購入期間、上場日などがまとめられています。

カレンダー形式でまとめられているため、把握しやすいです。

また、ねらい目の証券の紹介もあります。

 

  1. 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/markets/kigyo/ipo/money-schedule/

一覧形式で、各企業が1行にまとめられているため、多くの企業を見ることができます。

一覧から詳細情報を見ることができ、シンプルにまとめられています。

 

  1. 庶民のIPO

https://ipokabu.net/yotei/

IPO株を5段階で評価しているため、注目度がとてもわかりやすくなっています。

過去上場したIPO株の初値などの結果も残されており、予想利益まで書かれているので、初心者にとっては参考にしやすいサイトです。

 

  1. TOKYO IPO

http://www.tokyoipo.com/ipo/schedule.php

2の「日本経済新聞」に多少似ていて、情報がシンプルにまとめられています。

企業の株価・チャートや開示情報にすぐにアクセスすることができるため、便利です。

 

  1. TRADERS WEB

https://www.traders.co.jp/ipo/schedule

シンプルで見やすくまとめられています。過去上場したIPO株の初値などの結果が赤がプラス、青がマイナスと視覚的に把握しやすくまとめられています。

注目度についても書かれているため、やはり初心者におすすめできるサイトです。

 

まとめ

IPO投資は利益が出やすく比較的簡単であるため、初心者におすすめの投資です。

しかしながら、利益が出やすいため人気もあり、応募するだけでは確実に購入することはできません。

そのため、効率よく多くのIPO株に応募することが重要になります。

IPOスケジュールを上手に活用して、少しでも多くのIPO株を購入し、利益を出せるように頑張ってください。


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