固定資産税の自動計算の仕組み
次に、先ほどのオフィスHALが運営するサイトから、固定資産税評価額と固定資産税・都市計画税の税額を計算できる以下の自動計算サイトを参照し、入力する必要がある項目について解説していきます。
1. 家屋の構造・種類を選択
家屋の固定資産税を計算するためには、家屋の固定資産税の評価額(固定資産税評価額)を知る必要があります。
そのため、自動計算サイトでは家屋の構造・種類を選択することから始めます。
なぜなら、固定資産税の評価額は、家屋の構造・種類の区分に応じて、その評価額が変わるからです。
2. 延床面積を小数点以下第2位まで入力
次に、延床面積を入力します。
家屋の評価に際しては延床面積もその計算要素の一つで、固定資産税の金額に影響を与えます。
したがって、自動計算サイトでは、延床面積を入力する必要があります。
3. 固定資産税評価額、固定資産税額、都市計画税が計算される
上記1・2を入力すれば、おおよその固定資産税評価額、固定資産税、都市計画税を計算することができます。
なお、自動計算サイトで計算した固定資産税評価額、固定資産税、都市計画税はあくまでも概算で、正確な数字ではありません。
この点はあらかじめ留意してください。
自動計算結果に反映されないポイント
固定資産税の自動計算結果は、あくまでも簡易的なものです。
自動計算で計算された結果が、そのまま支払うべき固定資産税の金額になるかと言えばそうではありません。
特に以下のポイントについて、正確な計算がされていない可能性が高いので注意してください。
新築住宅には固定資産税の減額制度がある
2023年3月現在、固定資産税の負担を軽減できる制度が2つあります。
そのうちの1つが、新築住宅に関する特例です。
この特例を活用すると、新築住宅で次の要件に該当する場合は、新たに固定資産税を課される年度から3年度の間(マンションは5年度の間)、120㎡までの部分の税額の1/2が軽減されます。
また認定長期優良住宅については、この特例期間がそれぞれ2年間延長されます。
こうした減額制度が、自動計算サイトでは反映されていないケースがあるので注意してください。
なお、新築の特例の適用期限は令和6年3月末日までとなっています。
住宅用地の特例で固定資産税の軽減ができる
住宅用地の特例についても、固定資産税の軽減ができます。
・小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準額が1/6
・一般住宅用地(200㎡超の部分)は課税標準額が1/3。ただし、建物の課税床面積の10倍が上限
こうした減額制度が、自動計算サイトでは反映されていない場合があります。
特に、それぞれの特例において用地の大きさの条件については確認することが難しいので、注意してください。
その他にも固定資産税を軽減できる措置がある
たとえば、東京都23区内では以下の固定資産に関して、申請を行なうことで固定資産税の減免を受けることが可能です。
これらの条件は複雑で、自動計算することはできないので、注意してください。
1. 生活保護法により生活扶助を受ける者が所有する固定資産
2.以下にあげる公益のために直接専用する固定資産
- 町会事務所
- 遊び場
- 公共用歩廊等(償却資産)
- 土地区画整理事業による仮換地のうち減歩された部分
- 開放型病院等
- 幼稚園
- 専修学校及び高等課程専修学校
- 各種学校
- 学生寄宿舎
- 社会福祉施設付属宿舎
- 看護師養成施設及びその学生寄宿舎
- 非課税となる病院付属の看護師寄宿舎
- 特定保存樹林地
- 認証保育所
- 地域のケア付き住まい
- 民設公園用地
3. 災害等により減失し、又は甚大な損害を受けた固定資産
4. 生活扶助以外の扶助を受ける者が所有する固定資産
5. 物納財産
6. 以下にあげる特別の事情があると知事が認める固定資産
- 文化財保護法等により指定された文化財
- ばい煙処理施設(償却資産)
- 普通公衆浴場
- 保険医療機関が診療の用に供する家屋
- 柔道整復師が施術の用に供する家屋
- 賦課期日後に国等へ無償で譲渡された固定資産又は無償で貸し付けられ公用若しくは公共の用に供している固定資産
- 区分所有家屋の敷地
- 賦課期日後に老人福祉施設等の用に供された固定資産
- 小規模非住宅用地
- 個人等が所有する神社等の敷地
- 複合利用鉄軌道用地
- 耐震化のための建替え又は改修を行った住宅
- 有償で貸与している町会事務所
- アジアヘッドクォーター特区等における法人が所有する家屋及び償却資産
- 不燃化特区内において不燃化のための建替えを行った住宅
- 不燃化特区内における老朽住宅除却後の土地
- 帰宅困難者のための備蓄倉庫
- 有料で借り受けた者が保育所等として使用する土地に対する固定資産税・都市計画税の減免
- 連帯納税義務者の一人に対して減免を適用する場合におけるその他の連帯納税義務者に対する固定資産税・都市計画税の減免
(引用:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/kotei_tosi.html#ko_02_12)
なお、減免制度ごとに細かく要件が定められていますので、詳細については固定資産が所在する場所にある都税事務所、または、市区町村の事務所にお問い合わせください。
まとめ
固定資産税を早めに知りたい場合に、固定資産税の自動計算サイトは非常に便利です。
しかし、自動計算サイトで計算される固定資産税はあくまでも概算結果であることを覚えておいてください。
正確な固定資産税額は、4月から6月頃に送付されてくる納税通知書で確認するのが確実です。