AIの進化により作業効率化が進む中、重要になるのは「人間価値」への転換です。経営者がAIを使いこなす今、差別化の鍵は正解のない悩みに寄り添う「社外CFO的視点」にあります。AIを武器に、会計人が本来やりたかった経営支援へと進化するヒントをお伝えします。

この記事の目次

長友大典

「中小専属CFO養成アカデミー」主催。社外CFO・財務コンサルタント、実業家(アミューズメント施設運営)、有限会社トークファイブ代表取締役。

大手電器メーカーでのトップ営業を経て、父と共にアミューズメント会社を設立。自社経営での資金繰り難を乗り越え、銀行戦略と投資判断の枠組みを確立した後、これらの経験と知識を活かし、社外CFOとして活動を開始する。累計60億円超の資金調達、年商2000万から11億超への成長支援など、会社の収益を10倍以上にする実績が多数。現在は、税理士や公認会計士、企業経理、財務コンサルタント向けに高単価・高付加価値をつけるメソッドを指導し、月額50万円の案件受注や年商1億円超えの卒業生を輩出している。2025年11月27日に総合出版すばる舎より発売された著書、『社外CFOになって、たちまち年収1200万円を稼ぐ方法』が話題に。

 

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多くの方がいま、AIに対して強い関心を持っています。
特に会計業界では、
「AIによって仕事がなくなってしまうのではないか」
「記帳や入力業務はすべて自動化されるのではないか」
「自分たちの存在価値がなくなるのではないか」
そんな不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。

実際、私自身も税理士さんや会計事務所の方、企業経理の方とお話しするなかで、AIの話題が出ない日はほとんどありません。

「AIを学ぶ」だけで自分の価値は上がらない

「ChatGPTを勉強しています」
「生成AIのセミナーに参加しました」
「AIツールをかなり触っています」

こういった声を本当に多く耳にします。
そして、それ自体は非常に良いことだと思っています。むしろ、これからの時代、AIに触れないという選択肢はないでしょう。
業務効率化という意味でも、情報収集という意味でも、AIは非常に強力なツールです。私自身もかなり活用しています。

しかし、その一方で、私は少し気になることがあります。
それは、「AIを勉強すれば、自分の価値が上がる」と、多くの方が無意識に考えてしまっていることです。

もちろん、AIを学ぶことで業務効率は上がります。今まで何時間もかかっていた作業が、一瞬で終わることもあるでしょう。
例えば、議事録作成・文章要約・情報収集・資料作成・データ整理。
こういった作業は、今後ますますAIに代替されていくと思います。

実際、会計ソフトもどんどん進化していますし、入力作業や単純なチェック業務は、今後かなり減っていくでしょう。
では、そのときに何が起こるのか。多くの人は、「仕事がなくなる」と考えます。

しかし私は、少し違う視点を持っています。
それは、「仕事がなくなる」のではなく、「仕事の中身が変わる」ということです。
そして、ここで多くの方が見逃している視点が2つあります。

見落としがちな視点(1):経営者もAIを使いこなしている

1つ目は、「AIを勉強しているのは、自分たちだけではない」ということです。
会計人の方々は、非常に勉強熱心です。だからこそ、AIを学び、危機感を持ち、行動しています。これは本当に素晴らしいことです。

しかし、実際には中小企業の経営者の方々も、想像以上にAIを勉強しています。むしろ、経営者のほうが危機感が強いケースも少なくありません。
なぜなら、会社全体の生産性や利益に直結するからです。
実際、私のクライアント企業の社長さんでも、かなりAIを触っている方が増えています。

社内マニュアル作成・営業文章作成・採用関連・マーケティング・分析業務。
こういったものをAIで効率化しようと、本気で取り組んでいます。
さらには、会議資料のたたき台作成、社員教育用の動画台本作成、営業トークの改善など、以前であれば外部に依頼していたような業務まで、AIを使いながら内製化しようとしています。

つまり、社長たちも「AIを使ってどう利益を出すか」を真剣に考えているのです。
だからこそ、単に「私はAIを使えます」というだけでは、これから差別化は難しくなっていくでしょう。