レジでの会計時、現金を支払ったとき、個人事業主や会社経営者にとって領収書は必要不可欠なもの。これがあるのとないのとでは、税制面で大きく差が出るからだ。そんな領収書、事業を行っていれば、発行することも多いのではないだろうか。しかし、領収書の正しい作り方については、あまりよくわかっていない……という人は意外と多いもの。そこで今回は、領収書のアレコレについて、お届けしたい。

■5万円以上の領収書には印紙が必要

まずは、領収書には必要不可欠な、収入印紙について。5万円以上の領収書には、印紙の貼り付けが必要である。

収入印紙は、売上代金を受け取った証明書になる文書に貼らなくてはいけないもので、以前は3万円以上の領収書が、収入印紙貼り付けの対象であった。

しかし、平成26年4月1日以降、受取金額が5万円未満のものについては、非課税に変更となった。
つまり、5万円以上の領収書を発行しなければならない業者にとって、収入印紙は必須。使う機会があるなら、必要なときにすぐ使えるよう事前に用意しておく必要がある。

■領収書に記載すべき事項をチェック

では内容についてはどうだろう。ひとつずつ記載すべき項目をチェックしていこう。

  1. 日付の記載は必須である。領収書の発行日である日付を入れる必要がある。
  2. 領収書には、受け取る会社の正式名称を書く必要がある。
    誤字がある場合、無効になることもある。「上様」では調査が入った場合には、経費として認められない場合があるので、面倒でも名刺を提示して、会社名(個人名)を記載してもらうことで、会社(身)を守ることができる。
  3. 金額が記載ルール通りか確認する必要がある。
    金額の記載は、改正や改ざんができないようにするために、記載方法にルールがあるのをご存意だろうか。「¥~※」「金~也」「¥~ー」のいずれかを記入して金額を書き
    桁数を増やすなどの不正を防ぐために、3桁ごとに「,」を入れておくのが一般的である。
  4. 支払い内容を明記する。
    但し書きは、どんな商品やサービスに対する支払いなのかを特定するために、必ず必要な項目である。
  5. 領収書を発行する側の住所と氏名も、記載する必要がある。

■そもそも印紙って何?

印紙とは、実は税金である。収入印紙を貼らなければならない領収書を発行する場合に、収入印紙を貼らないと、収入印紙税の脱税にあたるのをご存知だろうか。印紙税法第20条で下記のように規定されている。

「第8条第1項の規定により印紙税を納付すべき課税文書の作成者が同項の規定により納付すべき印紙税を当該課税文書の作成のときまでに納付しなかった場合には、当該印紙税の納税地の所轄税務署長は、当該課税文書の作成者から、当該納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額に相当する過怠税を徴収する」

つまり、収入印紙を貼らなかった場合は、印紙の額面の3倍の金額を、過怠税として支払わなくてはいけない場合がある。5

万円以上の領収書を発行する場合は、忘れずに印紙を貼ろう。また、収入印紙は再利用を防ぐために、割り印を押す決まりとなっているので、こちらにも注意しておこう。

領収書は、上記のように記載ルールを守ったうえで利用しなくては、本来無意味なもの。渡す際にも受け取る際にも、記載事項を確認して、きちんと経費計上できるようにしておこう。

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