国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

SOHO必見! 自宅の事務所費用はどこまで経費で落とせるのか

近年、クラウドソーシングという仕事の形態が広がりつつあり、個人事業主という働き方がより身近になっている。会社員の場合は、オフィスで仕事をすることが多いが、個人事業主の場合、自宅と事務所を兼用していることは珍しくない。しかし、会計という観点で考えてみると、自宅が事務所を兼ねることとなった場合、生活費のうち、どこまでが経費となるのだろうか。そこで今回は、自宅と事務所が同一の場合の事務所費用について解説しよう。

■事務所兼自宅でも必要経費になる

SOHOというスタイルで仕事をしている場合、自宅は、生活の拠点であると同時に仕事場となる。この場合、まず会計上の原則からいうと、必要経費とは収入を得るために必要となる費用、と考えることができる。よって、自宅であろうと専用の事務所であろうと、そこで事業を行い、収入を得るための活動をしているならば、それは必要経費にできる。しかし、自宅としても使用している場合、すべてのコストを必要経費としてしまってよいのだろうか?

国税庁の説明によると、家事上と業務上の両方にかかわりがある費用があった場合、必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる金額に限られる、とされている。

事務所兼自宅の場合、自宅に関するコストは、この家事上と業務上の両方にかかわりがある費用に該当する。よって、すべてを必要経費にするのではなく、一定の記録や基準に基づいてコストを按分し、業務遂行上必要な部分のみを経費としなければならないのである。

■事業使用割合をどのように判断すべきか

実は、この業務遂行に必要な部分の計算方法については、税法や国税庁の通達等に詳細に定められているわけではない。原則として家事上と業務上に按分しなければならないものの、その方法までは決められていないため、客観的に妥当と考えられる方法で按分しなければならないのだ。

それでは実務上、この事業に使用している割合をどのようにして決めるのか。この点について、通常は仕事で使用している床面積と、生活で使用している床面積の比率を用いて按分計算をすることが多い。
例えば、全体で100㎡の自宅のうち、20㎡を事業用として使用している場合は、20/100で事業使用割合は20%となる。さらにいえば、部屋によって事業用か生活用かを区分しておけば、仮に税務調査の時に説明を求められたとしても、非常に明確に回答することができる。このためには、自宅の簡単な見取り図等を用意しておくことも有効である。

■賃貸と持ち家の違い

なお、必要経費の計算のもととなる、住宅に関するコストについては、賃貸と持ち家で考え方が異なってくる。賃貸住宅の場合は、家賃という形でコストがはっきりと区分されるため、基本的には家賃に事業使用割合をかけるだけで、必要経費とする事務所費用を算出することができる。こちらは非常にシンプルなので、経費の漏れ等は発生しづらい。

一方、持家の場合は住宅に関するコストを算出する必要がある。主要な項目として、自宅の固定資産税や、建物の減価償却費、住宅ローンの金利、火災保険料等が挙げられる。これらを合計した総額に、事業使用割合をかけることで、事務所費用を算出することになる。なお、減価償却費の算定には建物の取得価額が必要となるため、直前に慌てないために、早めに準備しておくようにしておこう。

また建物の減価償却費は、各個人が算出する必要があるため、忘れることはないと思われるが、固定資産税や火災保険料等は意外と忘れがちである。集計漏れがあればそれだけ必要経費の額も低くなり、節税効果も減少してしまうため、注意してほしい。

このように、自宅の事務所費用については、場合によっては多少面倒な計算をする必要があるが、一度やっておけば後は同じパターンとなるため、もし実施していないのであれば、今年の確定申告から、実施してみてはいかがだろうか。

著者: KaikeiZine編集部

KaikeiZine

租税調査研究会が監修する税金・会計の総合ニュースメディアです。税金・会計に関するさまざまなニュースを、わかりやすくお届けします!
■税と経営の顧問団租税調査研究会
http://zeimusoudan.biz/

ページ先頭へ