KPIツリーの細分化
このようなKPIツリーをつくるときに、「どのように細分化していけばいいのか?」「どこまで細分化していけばいいのか?」といった疑問が出てくると思います。
そこで、KPIツリーを細分化するコツを整理してみましょう

KGIまでのプロセスをWhat? Why? How?を使って細分化する
まず、CaseAのKPIツリーをつくったとします。
売上を契約単価と契約数のかけ算で分解し、さらに契約数を商談数と成約率のかけ算で分解したものです。
ここからさらに細分化するにあたって、「商談数を増やすには、何を増やせばよいのか?(What?)」を考えてみます。
その結果、「Webからの問い合わせの数を増やす」か「問い合わせから商談につなげる率を増やす」かのどちらかと考え、前者をWeb問合数、後者を商談化率としてKPIを設計し、KPIツリー上、商談数をWeb問合数と商談化率のかけ算で細分化した例がCaseBです。
さらにここから細分化するにあたって、「なぜ商談が増えないのか?(Why?)」を考えてみます。
その結果、Webから問い合わせがあったものに対して架電して商談のアポをとっているので、「Webからの問い合わせに対して、(商談獲得の)架電をしきれていないのではないか?」と「架電時のトークスクリプトが悪くて電話で話せているのに商談が獲得できていないのではないか?」のどちらかではないかと考え、前者を架電対応率、後者を(架電からの)商談化率としてKPIを設計し、KPIツリー上、商談数を架電数と商談化率のかけ算、さらに架電数をWeb問合数と架電対応率に細分化した例がCaseCです。
また、同じくCaseBからさらに細分化するにあたって、「商談数を増やすには、どうやって増やせばよいのか? (How?)」を考えてみます。
その結果、「Web経由だけでなく、セミナー経由、展示会経由、代理店経由でも商談を獲得できるように流入チャネルを増やそう」と考え、KPIツリー上で商談数を、セミナー経由の商談数、展示会経由の商談数、代理店経由での商談数、Web経由での商談数の足し算に細分化し、各チャネルからの商談獲得数を増やしていこうと意図したものがCaseDです。
さらに、こうしてKPIツリーを細分化していくときの注意点もあります。
それは、「KPIツリーにイレギュラーな要素を盛り込まないこと」です。
イレギュラーな要素の例としては、「テレアポをして商談につなげ、契約を獲得していくというプロセスで、知人からの紹介で商談につながることがあるので、それをKPIツリーに盛り込もう」とか、「商談してから契約に至るまでに見積書を出すことがあるので、見積書を出す場合と出さない場合に分けてKPIツリーをつくろう」などが該当します。
そのようなイレギュラー要素を盛り込んでいくと、KPIツリーがどんどん複雑になっていくので、途端に運用できなくなるリスクがあります。
そこで、まずはイレギュラーをできるだけ除いた基本のプロセスにフォーカスしてKPIツリーをつくり、それを運用するなかでどんどんアップデートしていきましょう。
KPIのそもそもの目的は?
以上のようにKPIツリーを細分化していけば登場するKPIの数がどんどん増えていくと思います。
「そのなかから特に重要なKPIを1つか2つ選んで運用していこう」とすると、以下の3つの課題が出てきます。
- 重要なものを絞り込むことの難易度がとても高い
- 絞り込めば絞り込むほど結果指標のKPIばかりになりがちで、そうなるとKPI管理の効果が得られにくくなる
- 「なぜそのKPIに絞るのか」という疑問が関係者から出てきて納得を得にくい
そこで、オススメのステップアップとしては以下になります。
Step.1:KPIは最初から絞らずに KPIツリーをそのまま運用する
Step.2:運用するなかで優先順位をつけていく
KPIツリーに沿って継続的にモニタリングしていきながら、そのなかでも計画対比での乖離が大きいKPI、下落傾向が続いているKPI、下落率が大きいKPIなど、異常値になっている KPIにフォーカスして議論し、改善施策を考えて行動していきます。
そうしていくなかで徐々に優先順位が明確になってきたり、KPIツリーのなかでも特に重要なKPIがはっきりしてきたりするでしょう。
一方で、デメリットとしては以下が挙げられます。
- KPIの数が多くなるので運用が大変になる
- 人は一度に多くの指標を追いかけられないので、どれを優先すればいいのかわからなくなる
これらについては解決策が明確で、運用しやすい仕組みを整備すればいいと思います。
当社が開発する経営管理システム「Scale Cloud」が、その「仕組み」になると思いますので、ご興味ある方はぜひ当社Webサイトをご覧ください。
Scale Cloud
さて、KPIツリーができたら、次はその運用です。
次回の記事ではKPIツリーの運用方法について書いていきます。
さいごに
KPI式PDCA: 数値化で事業成長する仕組み
広瀬好伸
実生社・発売日:2022/12
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910686059
『KPI式PDCA:数値化で事業成長する仕組み』という本を出しています。
今回の連載で書いたことをより詳しく、KPIという数値を活用して、ロジカルに、スピーディーに、組織的にPDCAをまわし、予実管理の精度を高めていく仕組みを書いています。
事業目標を達成するための仕組み、さらに、その目標達成を一時的なもので終わらせるのではなく、継続的に達成し続けることができる仕組みづくりを、具体的に実践することにこだわって書いていますので、少しでもみなさまの事業のお役に立てれば幸いです。
【前回の記事】
管理部門のためのKPIフル活用マニュアル①│KPI運用の全体最適化と本質について | KaikeiZine
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