ピラミッド型から円卓型へ

これまで書いてきたようなKPIの運用を進めていくなかで、どういった環境を構築していくといいかについて最後に書き進めていきます。

事業計画や予算(KGI)は、最終的にはPL(損益計算書)のフォーマットに従って作成し、管理部がそのPLフォーマットに沿って予実管理を所管していくことになります。

一方、このPLフォーマットの予算を達成するために、どのようなKPIを設定して、どのように運用していくかは、事業部に任されることが多く、この時点で、管理部が所管しているPLと、事業部が所管している(=日々追いかけている) KPIがひもづいていないケースが多いです。

PLとKPIが紐づいていない状況下では、管理部と事業部が共通言語で会話ができず、会社全体としての予算の達成度はなかなか上がらない可能性が高いです。

もしくは、予算の達成度が高かったとしても、「時流が良かった」「たまたま」といったように、予算達成の再現性は決して高くないかもしれません。

管理部と事業部の「分断」以外にも、事業部内では営業部門、マーケティング部門などの部門間で「分断」が発生しているケースも多々あります。
経営者と管理部長の2人だけは事業の全体像がきちんと見えていても、他の営業部長やマーケティング部長たちが同じように見えていないと、幹部全員で共通認識を持つことは難しいでしょう。

幹部全員で共通の認識を持つためには、次の状態を構築することが重要です。

  • 管理部と事業部が同じ目的達成(=予算の達成)に向けて一致団結して、二人三脚でPDCAをまわしていく状態
  • それを支えるインフラと運用ルールが整備されている状態

社内の各部門が「同じ目的達成(=予算の達成)に向けて一致団結して、二人三脚でPDCAをまわしていく状態」を作るには、コミュニケーション方法をピラミッド型から円卓型へと変更し、みんなで同じ情報(=同じ景色)を見て、事業の状況について共通認識を持ち、組織全体の視座をそろえることが大切になります。

円卓型のデータ集約における重要なポイント

円卓型で事業数値を集約しても、数値同士の関係がわかりづらければ全体像について共通認識が持ちづらいため、管理部が管理しているPLと、事業部の各部門が管理しているKPIを、KPIツリーをつくることで統合して構造化(モデリング)し、誰が見てもわかりやすい状態を作ります。

そして、管理部と事業部の「間」に情報集約する「場(=円卓型)」をつくり、そこに管理部と事業部の各部門が必要なデータ(モデリングにより設計されたPLやKPI)を集約し、両者が等しく見られるし扱えられるものにした上で、その「場」、つまり「民主的なインフラ」で一緒に数値を確認しながら議論をし、PDCAを回していくという状態を作る必要があります。

つまり、事業部と管理部が共通のプラットフォーム上(=場)で共通認識を持って議論し、一緒に予算達成に向けてPDCAをまわすことが重要なのです。

手前みそですが、当社が開発する経営管理システム「Scale Cloud」が、その「プラットフォーム」になると思います。ご興味ある方はぜひ当社Webサイトをご覧ください。
Scale Cloud

「KPIツリーに沿った過去および現在の事業全体の部門横断的な状況」「それを踏まえた事業全体の部門横断的な未来のフォーキャスト」など、これらの共通認識を持った上で、管理部と事業部が議論をし、一緒にPDCAをまわしていきます。そうすることで、予算(KGI)達成の再現性はきっと高まるでしょう。

さいごに

広瀬氏の書籍『KPI式PDCA:数値化で事業成長する仕組み』書影KPI式PDCA: 数値化で事業成長する仕組み
広瀬好伸
実生社・発売日:2022/12
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910686059

『KPI式PDCA:数値化で事業成長する仕組み』という本を出しています。

これまでの連載記事で書いてきたことをより詳しく、KPIという数値を活用して、ロジカルに、スピーディーに、組織的にPDCAを回し、予実管理の精度を高めていく仕組みを書いています。

事業目標を達成するための仕組み、さらに、その目標達成を一時的なもので終わらせるのではなく、継続的に達成し続けることができる仕組みづくりを、具体的に実践することにこだわって書いています。この本が少しでもみなさまの事業のお役に立てれば幸いです。

【あわせて読みたい】
管理部門のためのKPIフル活用マニュアル①│KPI運用の全体最適化と本質について
管理部門のためのKPIフル活用マニュアル②│KPIツリー作成の手順とポイントについて

 

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